アルコールの塩析

某所での飲み会で、サントリーレッドに炭酸カリウムを入れると、水と着色層とアルコール層の3つに分離するという話を聞いた。そんな話を聞いてしまった以上は試さざるを得ない。まず、サントリーレッドを買い込もうと思ったのだけれど、普通の瓶を買ってしまうと、実験後に残った物を飲まなければならなくなる。そりゃ、大昔、山小屋の居候をしたときには、飲料水も氷もない山小屋で、ダルマの瓶に移したレッドをストレートで飲んでいたけれど、飲む量が極めて減った今となっては、もうしこし別のものを飲みたい気がする。というわけで、コンビニで小瓶でそれなりに安かったものを買ってきた。
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その後、ポケット便も発見して入手した。
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一方、炭酸カリウム(無水)は食品添加物としてネット販売もされているのだけれど、一般的な薬品なので、試薬を入手した。
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500gで1000円程度である。
とりあえず、ダルマの方
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サンプル瓶に20mlほど入れて、10gていどの炭酸カリウムを投入して、よく混ぜる。ここで、溶解時に発熱するので、少し注意。あと、炭酸カリウムの水溶液はかなり強いアルカリなので皮膚につけないように。ついたらすぐ水洗いをする必要がある。目には絶対にいれないように注意する必要がある。
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ふって混ぜた直後。その後時間をおいておくと、
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上がアルコールで下が水。中間にわらわらとわいているのが着色成分。上が済んでいないのは、多分、炭酸カリウムの投入量がすくなくて、完全に分離していないため。もうすこし炭酸カリウムを入れて放置すると
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と上のアルコール層の透明度が上がる。
レッドの方は
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こんな感じ。こちらは大きめの試料瓶でやっている。
手順をまとめると、炭酸カリウムの量はウヰスキーの場合には、ウヰスキーの量の半分程度の重量でよさそう。水分量で考えると、その酒に含まれている水の質量の8割から9割程度で良いのではないかと思う。炭酸カリウム単体は水に対して水の質量以上に溶けるようだけれど、今の場合は水層側にもアルコールが残っているので、溶解度は少しは下がっていると思う。ちなみに、アルコール側のアルコール濃度は91%程度になるらしい。
誤解なきように付け加えておくと、スコットランドで手作りされたウヰスキーを使って実験しても着色層は出現するだろうと思う(やってないけれど)。化学的には水溶性の有機物の塩析であるわけなので。
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by zam20f2 | 2009-06-08 21:55 | 科学系 | Comments(3)
Commented by mijinco-plant at 2009-06-10 11:31
そんな話の出る某所飲み会と、それを試さざるを得ないzam20f2さん ディープすぎます そして憧れます
昔、山男だったのですか メガネの奥に鋭い目が光るzam20f2さんという僕の勝手なイメージだったのですが、
今はその顔にヒゲがぼうぼう生えたイメージへと変化しました
それにしてもプロジェクトTおもしろいですねえ

事後承諾で申し訳ありませんがリンクさせて頂きました
こんなマニアックなブログはなかなかお目にかかれません
これからも楽しみにさせて頂きます よろしくお願いします
Commented by zam20f2 at 2009-06-10 20:57
プロジェクトTは、もとはWeb上にフリーで使える光学がらみのちょっとした写真を提供するという話だったのですが、少し話を拡大して科学写真ならOKかなと思いつつあります。
えっと、山小屋の居候をやったことがあるのは事実ですが山男ではなく…居候でして、山にはほとんど登ったことがありません。ちなみに、今は準メタボ体系…
あ、リンク有難うございます。こちらからもリンクしてみました。よろしく御願いします。
Commented by zam20f2 at 2009-06-21 22:22
その後、牛乳で試したけれど、水と油分に分離するもよう。
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