大正5年の専門書価格

古書の続きをもう一冊
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片山正夫の化學本論である。ちょっと奇異な書名だけれど、今の言葉で言うと物理化学の教科書である。なんで化學本論という書名になったかは、序言に記してある。
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って、肝心のところは切れてしまっている…。
この本は大正4年に初版がでて、これは修正の入った大正5年の版。定価5円50銭である。
気になったのは、この本の価格が現在では幾ら相当になるのか。と言うわけで大正5年の物価を少しばかりネットで拾ってみたのだけれど、どうも、何を基準にするかで大きく異なってしまう。例えば
米価だと10kgで3円程度のようなので、だいたい1000倍。
日雇い労働者賃金が1円50銭程度なので、今の最低賃金を700円とし8時間労働とすると、5600円だから、4000倍弱。
日本酒の一級が一升で1円50銭程度なので、だいたい1000倍。
もりそばが4銭なので、これは1万倍。
ビール大瓶は31銭なので、1000倍程度。
というわけで、1000から数千倍の間という感じだ。非常にばらついているけれども、下限の1000倍程度の物は、当時は高級品だったのだろうと思う。確かに、農山漁村文化協会の日本の食事を見ても、この時代に白米を食べていたのは限られた地域でしかない。
5円50銭の本は、現在の価格として5000円から1万数千円という感じになるけれども、じゃあ、この本が、ずっと改訂をかさねて、現時点で書店にあったらいくらかと考えると、8000円から1万程度ではないかと思う。ということは、1000倍台のどこかという感じのわけで、専門書も高級品だったのだろうと思う。
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by zam20f2 | 2010-02-09 21:58 | 科学系 | Comments(0)
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