磁気浮上

思いがけないことに、グラファイトが手に入った。
この日のための、立方体のネオジウム磁石は手元にある。
ので、グラファイトの反磁性を使った浮上遊びをすることにした。
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少し上からだと
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すんなりと浮いてしまったので、思わず、モーターブラシから切り出した板の浮上も試みることにする。
ちなみに、モーターブラシの切り出しは
http://www.urap.org/_forum/ashi/FreeStudy/graphite/graphite.htm
からで、このサイトには、その先の引用はないけれども、
http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/r_2003_05_10/newpage.htm
に類似の実験もあり、当然、グラファイトの浮上もやっているだろうと思うので、最初に示した頁のオリジナルではないだろうと思う。
モーターのブラシは
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最初はカッターナイフで切り出そうとしたけれど、崩れてしまったので、洋風胴付き鋸(ピラニアソー)で2~3mm程度厚に切り出して、そのご、600番程度の耐水ペーパーをつかって薄くした。ちなみに、指先が真っ黒になる。
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グラファイトの上と同じ角度。もうすこし上からだと
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となる。
2つを比べると、浮き上がる量と磁石の辺に対する浮上板の辺の方向が異なっている。方向の異なりは、浮上板の形状(と大きさ)の違いが効いているのだろうと思う。長方形だと、その対角線を磁石の辺に垂直にすると、もう一方の対角線は磁石の他の辺に垂直にできない。
浮き上がり量は、グラファイト板とモーターのブラシで炭素の結合状態が違うか、グラファイト板は異方性がきちんとあるのに、ブラシはいろいろな方向を向いたグラファイトを押し固めていて全体として異方性が無いためだろうと思う。もちろん、グラファイトの反磁性に大きな異方性があることが前提だけれど。
浮き上がり量をきちんと測定すれば、もうすこし定量的な議論ができるはずだけれど、それは、そのうちに。



ところで、グラファイトの反磁性の理由については、上のモーターブラシのサイトは、「○原理 グラファイトは構造上自由電子が多く,導電性で反磁性を示します。」と記している。まあ、これも、他のサイトからの受け売りらしいのだけれど、自由電子が多くて導電性を示すものが反磁性なのだとしtら、アルミ箔なんかも磁気浮上してよさそうである。とりあえず、アルミ箔は、同じネオジ磁石では浮かないので、反磁性だとしてもグラファイトよりは随分と弱いはずだ。
世の中にはランダウの反磁性などというものもあるけれども、パウリの常磁性というものもある。物質の磁性を説明するのは、ものすごく難しい話だ。そのように本当は難しい事柄を、不正確に、あっさりと原理と称する説明をしてしまうのは、「科学」教室や「科学」教育をやっているひとのサイトに割とよく見られることなのだけれど、どうしても、違和感を覚えてしまう。これは、あきらかに科学を誤解させる行為であり、反科学的な行為なのである。
グラファイトの反磁性については
○原理 グラファイトが磁石に反発する性質を、電磁誘導などの理論から導き出すことはできません。グラファイトに限らず、物質の性質を理解するのには「量子力学」という物理理論が必要になります。量子力学は大学で習うことがらで、それを無くしてグラファイトの性質に対する正しい説明をすることはできません。ですから、ここでは、グラファイトが浮上する理由の説明はいたしません。
今、学校で習っている物理や化学は、量子力学を理解する基礎となるものです。ですから、物が磁石で浮くことの不思議さを胸にとどめて、今習っている物理や化学を深く理解するようにして下さい。
と記すのが正しい態度であると思っている。
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by zam20f2 | 2010-04-11 09:04 | 科学系 | Comments(0)
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