温度調節(7) (自宅でできる液晶観察19)

実際のON-OFF調整では、これまでのシミュレーションのように、ある温度以上でOF、未満でONというような動作ではなく、昇温時には目標温度を少し超えるまで、ON動作が続き、降温時には目標温度より少し低い温度までOFF動作が続くような動作が行われているらしい。



こんな動作をすると、目標温度を挟んでの温度のふらつきは大きくなるわけで、温度調整からは望ましい気はしない。のだけれど、実用的な理由により、このような動作の必要があった。
かつて、ON-OFF制御は機械的にスイッチをON-OFFするしか方法が無かった。そのために一般的な方法は電磁リレーで、これは、小さな電力で動く電磁石を使って、大きな電力を制御するスイッチをON-OFFする手法である。ところで、スイッチで大電流の回線をON-OFFするとその時に火花が飛んでスイッチが損傷を受ける。損傷は積み重なっていき、最後にはスイッチとしてまともに機能しなくなる。オムロンの温度調節器についている電磁リレーの寿命は大体10万回である。10万回というと大きそうな数字だけれど、例えば、10秒に1回ON-OFFをするなら、1分6回、1時間360回、1日で8640回になるので、2週間を待たずに寿命となってしまう。

さて、エクセルファイル、もしくはプログラムで、ヒステリシスを取り入れようとすると、その前の温度をチェックするだけでは駄目で、現時点で温度が上昇しているのか、下降しているのかの情報が必要になる。そのためには、一つ前だけでなく、二つ前の温度の情報も必要である。プログラムとしては、先ほどのON-OFFとは次の部分が異なっている。

If Cells(i - st - Range("b21"), 4) <= Range("b2") - Range("b23") / 2 Then
Cells(i - st + 1, 4) = Cells(i - st, 4) + (Range("b17") + (Range("b3") - Cells(i - st - 1, 4)) * Range("b15")) / Range("b19")
この部分は、ヒステリシス幅(B23)(を全体の幅としているので片側ならその半分なので2で割っている)を含めても、目標より温度が低いという条件なら、ヒーターをつけろという条件文+実行文になっている。
Else
If Cells(i - st - Range("b21"), 4) < Range("b2") + Range("b23") / 2 And Cells(i - st - Range("b21"), 4) - Cells(i - st - 1 - Range("b21"), 4) > 0 Then
この条件文は、目標温度+ヒステリシス幅より温度が低く、かつ、二つ前の温度より一つ前の温度が高い(昇温している)という条件になっている。
Cells(i - st + 1, 4) = Cells(i - st, 4) + (Range("b17") + (Range("b3") - Cells(i - st - 1, 4)) * Range("b15")) / Range("b19")
上の条件の場合にはヒーターをつけている。
Else
Cells(i - st + 1, 4) = Cells(i - st, 4) + (Range("b3") - Cells(i - st - 1, 4)) * Range("b15") / Range("b19")
それ以外はヒーターをつけずに放熱のみ起こしている。
End If
End If

折角プログラムがあるのだから、ヒステリシス幅をつけたときの動作を見てみよう。まずはヒステリシス幅が0の場合である。

c0164709_12565072.gif

拡大してみると3点周期での繰り返しの動きとなっている。
c0164709_12573036.gif


ヒステリシスが入ると、ヒステリシスに応じてON-OFF周期が延びていく。まずは温度幅2度
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続いて4度
c0164709_1258887.gif

次は8を飛ばして16度
c0164709_12582641.gif


さらに、遅れを16程入れると
c0164709_12585328.gif


となり、さらに周期が延びる。
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by zam20f2 | 2010-05-16 12:59 | 科学系 | Comments(0)
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