使ってよい知識について


大昔に小学生を相手に液晶の話をしようとして小学校の先生から止められた事がある。何故止められたかというと、全ての物質が液晶状態をとるわけではないためであった。その先生によれば、子どもたちは中学に入ってから物質の三態を習うという。つまり、小学校では液晶状態を理解する前提となる知識を習っておらず、その状態で液晶状態という例外的な知識を聞きかじってしまうと、中学で物質の三態を学習するときの障碍になりうるという。

知識というものは、普通はより多く持ち合わせている方が良いものであるように考えられている。でも、自己流の技能が、標準的な技能の修得の妨げになりうるように、非系統的な知識というものは、系統的な知識の習得に対してネガティブに働くこともあるのかもしれない。

そしてまた、非系統的な単発の知識は、それを持ち合わせていても賢くなれるものではないような気がする。確かに、液晶が液体と固体の中間状態であるという知識を持っていたからといって、それだけでは雑学であり、クイズ番組に出るのには役に立つかもしれないけれど、何かを考えるときの足場などにはならない。もっときちんと、液体と固体で、そもそも何が違っているのかをきちんと認識して、その枠組みの中で、液晶を正しい場所に修めることによって系統的な使える知識になっていくように思う。

こんなことを書きながら、ふと思い出したのは正五角形の作図方法。そんな妙なものを小学校の時に教わって、中学の数学の授業の時に、正五角形を描くときにその手法を使っていたら、めざとく見つけた中学の先生から、「それは正五角形を描くのに正しい方法ではあるが、その方法で描いた図形が正五角形であることを証明できるか」との問を受けた。証明方法は分かっていなかったので、その旨の返答をしたところ、「では、それが証明できるようになるまでは、その方法を使うのはやめにして、分度器で角度を出して正五角形を描くようにして下さい」と申し渡された。

その後、いつかはその方法で正五角形が描けることを証明しようと思いつつ、根性無しなので、自ら証明することはせず、ようやく先日になって、Web上で証明方法を見つけて、封印を解くことが出来たのだけれど、正五角形の描き方よりも、自分できちんと理解している手法のみを使うべきであるという教えの方が頭に刻み込まれたように思う。


c0164709_11574876.gif


1,底辺を描く
2,垂直2等分線を描くためにコンパスで底辺の端点から円を描き交点を定める
3,垂直2等分線の上半分を描く
4,垂直2等分線の底辺から底辺と同じ長さの場所を定める
5,底辺の端点から垂直2等分線の底辺と同じ長さの部分を通る線を引く。この時に斜辺の長さは底辺の長さを2として√5になる。
6,斜線と垂直2等分線の交点から底辺の半分の長さの点を定める。ここまでの長さは1+√5となる。これが、底辺2の正五角形の一つ離れた頂点を結んだ距離になる。
7,斜線と底辺の交点を中心として、1+√5点を結ぶ部分円を描き、垂直2等分線との交点を定める。
8,3つの点から底辺の長さの円を描き交点を定める
9,交点と3つの点を結ぶと正五角形の出来上がり
[PR]
by zam20f2 | 2011-04-03 11:58 | 文系 | Comments(0)
<< 東京のカレーライス えのすい2 >>