にわか地震談義(6) 

だいぶ間のあいてしまった、にわか地震談義である。そろそろ3月11日から3ヶ月になるので、余震の可能性は幾分は低くなっていると思うけれど、何しろ元が大きく、時間スケールが長いので、安心しきれないところはある。また、茨城沖や北方での地震の可能性を指摘する論文や、関東周辺の地震発生率に対する影響などの報告もなされてきたが、そもそも、どの程度の歪みがたまっているのかを誰も分かっていないので、いつ、どの程度の地震が生じるかは、起きるまでは誰も分からない状況にある。
東京にいる場合に、茨城や房総沖でM8クラスが起きると、今回と同じ程度の震度で、ただし周期が短いのが来るのではないかと思う。ただ、房総沖だと初期微動(といっても派手に揺れるだろうけれど)があるので、その間に待避できれば重量物に挟まれるようなことは防げる可能性が高い。
また、丹沢あたりの断層が派手に動いた場合も同様で、濃尾地震並の動きがあれば、東京も大正関東地震程度の揺れになるだろうけれおも、初期微動で対応すればよいだろう。
それに対して、いわゆる直下型の場合は、どうなるのか想像もつかない。地震学会のWebを見ても、東京下にあるかもしれない断層については評価されていない旨の指摘がある程度である。一応、人々は勝手に断層を考えて、最大でM7といっているけれど、それが本当である保証はどこにもないのである。
直下型でも震源が80km程度と深ければ、あるいは初期微動でわずかな余裕はあるかもしれないけれど、10km程度の場合には、気がつくと体が宙に舞っているという状況が生じうるこれについては、そんなことが起こらないことを願うしかない。
というわけで、とりあえず、地震学者の今回の地震の解析や、過去の地震の評価については、気をつけつつ、いかなる形であれ地震の予測に関する発言は、ほぼ無視して暮らしているのがよさそうである。






ざっくりと、Webにでている資料を眺めていると不思議なことがいくつかあった。きちんとした論文誌を見れば、次に書くような疑問は解消しているのかもしれないけれど、そんな根性のもちあわせはなく、また、そのままにしておくと忘れ去るような記憶の持ち主なので備忘録代わりに、感じている疑問を記しておく。

1,関東の中央構造線という言い方
中央構造線は九州から四国、紀伊半島を抜けて長野の方にあがった後に、関東に降りてきて太平洋に抜けていることになっている。地層の境界となる、このような区切りがあるのあ分からないでもないのだけれど、関東の構造線は「旧中央構造線」のようなのでもいいから名称を分けて記した方がよいように思う。というのは、最近のはやりはユーラシアとオホーツクプレートの境界をフォッサマグナに求める考え方だからである。境界をここに持ってくると、中央構造線はプレート境界を越えてつながっていることになる。これは、明らかにおかしい。確かに、アフリカの構造線の続きが南米に見つかるのが大陸移動説の一つの証拠であったとは思うけれど、そのときに、二つの構造線は別の名前で呼ばれていたはずだ。それと同様に、陸続きといえ、異なるプレートの上にある線を同じ名称で呼んでしまってはいけないだろうと思う。
構造線とプレート境界はプレート境界の方が上位概念なのだから。

2、立川断層の謎
東京近辺の活断層の一つに立川断層がある。産総研の活断層データマップによると、この断層は左ずれ横断層となっている。ある領域では、だいたい同じ方向に力がかかっている。この時、右ずれと左ずれ断層が走る方向は90度ずれるという規則がある。たとえば、圧縮が働いているばあい、破壊は圧縮軸に対して45度方向に生じやすいので、右ずれと左ずれで方向が90度異なることになるのである。
さて、立川断層とほぼ平行に鶴川断層が走っているのだけれど、この断層は右ずれ横断層で、立川断層とはほぼ平行であるにも関わらず逆になっている。
これは、かなり奇妙なことに思える。断層のずれ方向の記述が間違っているのでなかったら、二つの断層の間でかかっている力の方向が90度異なっていることを意味している。
もちろん、鶴川断層のある丹沢あたりは、フィリピン海プレートにのってやってきた地殻だったりもするらしいので、その周辺で力の方向が大きく変わっていても悪くはない。たとえば、立川断層は太平洋プレートの圧縮力の範囲内で、鶴川断層はフィリピン海プレートの圧縮力の範囲内と考えれば、両者のずれ方向の不整合は理解できるかもしれない。
ついでに、関東近辺のほかの横ずれ断層の方向を見てみると横須賀半島に走る衣笠断層などは鶴川と同じ右ずれである。左ずれには玄倉があるが、この断層の走る方向は鶴川(と立川と)90度異なっているので、方向からすれば、鶴川と整合するずれ方になっている。というわけで、立川断層は妙な例外になっている。


3、九州の動きについて
GPSの発達により、陸地の動きは高精度で求められるようになっている。今回の震源の陸側の場所でも地震前は太平洋プレートに押されて西に動いていたことが分かっている。
一般に海溝やトラフといった海洋プレートのしずみ込みの陸側では、海洋プレートの動きにおされて、陸側は通常時はしずみ込み方向に変動している。東海地方もフィリピン海プレートの動きにより北側に動いている。
ここで、問題になるのが九州の動きである。フィリピン海プレートは日向灘あたりでしずみ込んでいるはずである。ということは、九州はしずみ込み方向、すなわち西に移動していることが期待できる。のだけれど、GPS測定によれば、九州は東方に移動している。
九州、何をやっているのだろう。とても、意味不明の行動だ。これだけ、意味不明だと当然、学者の注目を集めるとは思うので、なんかしらの学説が提案はされているだろうと思う。ただ、学説の有無に関わらず、日向灘の歪み見積もりは難しくなる。

どんな学説が提案されているのかはきちんと調べていないのだけれど、日向灘の反対側にある沖縄トラフがしずみ込みではなく沸きだし場所であることになってきているらしい。だとすると、その海洋底の拡大により九州が東に動かされるのは理解できる。とはいえ、それにより新たな疑問も生じるのであるが。

4、中央構造線の動きについて
九州の動きにより生じる疑問とは、中央構造線の動く方向である。沖縄トラフの沸きだし口は何カ所かでずれていて、その間にはトランスフォーム断層があることになっているらしいんだけれど、その最後の沸きだし口から延びるトランスフォーム断層が中央構造線に重なる印象がある。本当にそうなら(そうじゃないと沸きだし口の終点があるという話になる)中央構造線は左ずれ断層になると思うのだけれど、実際には右ずれ断層なのである。中央構造線を右ずれにしている力のもとはいったい何なのだろうか。
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by zam20f2 | 2011-05-28 20:52 | 科学系 | Comments(0)
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