昨日の珪藻の写真、実は高速シャッターでは画像の端が目に見えて露出不足になる。
これは1/4000のもの。画面中心でR画素の値は170程度だけれど、下で200、上で70程度になっている。
X50は常に、そして上位機種ではライブビューからの静音撮影で、一部のレンズや条件では露出ムラが発生するという注意書きがあるけれども、それが見えている。シャッター速度を遅くすると
と1/400ではムラは目立たなくなり、実用上問題ない気分になるけれど、実はまだ違っていて、中心で150。明るいところが160、暗い部分が130程度。1/60ぐらいで、ほぼムラはなくなっている印象だ。
ムラが生じる原因は、フォーカルプレーンシャッターと撮像面の間に間隔があることで、このため、完全に垂直に光が入ってくるのでない限りは、シャッターの端より外側に影ができてしまう。X50の場合には、後ろ幕しかないから、後ろ幕が画面の中央に行くまでの間は、斜めの光はシャッターが既に蔽っている画素に横から射しこみ(従って、微妙に露出が増える)、中心から閉じるところの間では、シャッターの影となって、本来なら光が到達して欲しい画素を蔽うようになる。画面の両端で一番影響が大きくなるので、その部分で暗くなっているのは理にかなっている。というわけで、確かめてはいないけれど、暗くなるのは、シャッターが最後に閉じる部分だと思う。
ところで、顕微鏡の光学系はカメラに対して結構まっすぐに落ちているはずである。それにもかかわらず、高速で露出ムラが出るからには、普通のレンズではもっと派手に露出ムラが出ても良いはずである。なにしろ、EOSのレンズは決してテレセントリックな設計ではないはずだから。
カメラと一緒に買ったキットレンズでの撮影はしていないのだけれど、カタログ上ではこのレンズでは露出ムラは生じないことになっている。ということは、おそらくだけれど、レンズのデータをもとに、電子シャッターの移動速度を変えて露出ムラがでないようにしているのだと思う。機械シャッターの幕速を場所で変えるなんてことは、まあ、どう考えてもやっているはずがないので。そうなると、データが存在しないシフトレンズのシフト時とか、延長チューブで露出ムラが生じると記してある理由も理解できる。
それにしても、こんな安直なカメラの内部で、なんと高度な制御がなされているのかと(メーカーに確かめたわけではないので、勝手な推測であるにしても)、心底驚いている。
※電子シャッターをいじるのではなく、撮影後にどこかで露出補正をかけている可能性もある気がしてきた。こちらは、周辺光量の調整で技術があるから、より楽かもしれない。どうすれば、どこで何をやっているかを確かめられるのだろう…