にわか地震談義 一年後

昨年の巨大地震から1年経過した。地震の直後に、余震により東京が3月11日以上の揺れに見舞われるかの素人談義をしたけれど、この1年の間で幸いな事には東京は11日以上の揺れには見舞われていない。
とはいえ、あの巨大地震を全く予測できずに、化けの皮が剥がれたはずの地震学者が人々の不安を煽って研究資金を確保しようとし続けているために、近日中に東京に3月11日以上の地震が起こるかのような報道が数多くなされるようになっている。

たとえば、東大地震研の酒井らは、11日の地震後に東京近辺で増加した地震を余震の頻度を求める経験式に代入して、今後30年以内にM7クラスの地震が発生する確率を98%とする説を発表した。しかし、東大地震研のWebにしるされているように(http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/shutoseis/)、余震確率は震源域に対して当てはまるもので、関東地方は今回の地震では震源域でないため、普通に考えれば公式の適用範囲外である。東大地震研の上記のWebでは、計算誤差に含まれる誤差として「適用範囲を超えて用いているので、かなり大きいことが予想されます」と記しているが、これは、明らかに内部者に遠慮した言い方で、正確には「適用範囲外に当てはめた場合の精度をこれまでの地震で検討した上で発表すべき事で、それをやらずにこのような発表をするのは学者として不適切な態度である」ときちんと記すべきである。そしてまた、このようなあやふやな話を記事にした読売新聞の見識も問題があると言わなければならない。
それに引き続いて、文科省のプロジェクトチームが、フィリピン海プレートの沈み込み位置が従来よりも10Km浅いことを確認し、それより、震度7が想定される地域が拡大したという報道が流れてきた。
この話に関しては、フィリピン海プレートの沈み込み位置に関する話は、おそらく学問的にそれなりの根拠があるもののようだけれども、その後の発生する地震の規模については、東日本地震の固着域すら判断できない地震学者に東京の下に沈んだ場所の固着域の判断などできるわけがない。つまり、最近の報道の震度7というのは、適当な仮定の下の判断でしかない。
また、今回の話は東京湾北部断層に限定されたものだけれど、南関東にはそれ以外に数多くの断層があり、そのどれが動くかはまったく分かっていないはずだ。そしてM7クラスの地震の場合には断層近辺では大きな揺れになるけれども、被害はかなり局所的になりうるのは阪神淡路大震災で経験されているはずのところである。
色々な報道があるけれども、結局、分かっていることは南関東の多くの場所で、震度7クラスの地震に見舞われる可能性はあるが、それがどこでいつかはまったく分からないということでしかない。そんなことは、最近の研究成果とやらを聞かされなくても分かっていることだ。
ところで、3月8日の朝日新聞に東大地震研の平田と京大防災研の橋本の談話がのっている。本人が書いた文書でないため、どれだけ聞き手の主観が入っているのか分からないが、平田は東日本大震災を予測できなかったのは地震学の敗北であり、地震予知は自分が生きている間には不可能だが、地震予知のために観測網の整備が必要なので金をよこせと言っている。一方の橋本は研究者は費用対効果を考えなければならず、観測網の整備は研究(地震予知ではない)には不可欠だが、本当に防災に役立つ部分がどれだけか、社会に応用するのには何が必要かを考えなければならないと述べている。
記者が平田の言葉を悪意を持って編集したのでないならば、平田の言葉に真の反省はない。文中にも少し記してあるように、東日本地震の徴候を示すデータはあるにもかかわらず、その可能性を見過ごしたのが今回の地震に対する注意を喚起できなかった理由であり、観測データの不足が本質的な問題ではなかったはずだからだ。つまり整備し直さなければならないのは地震学者およびその頭の中であって、観測網ではないのである。平田といい、酒井といい東大地震研の学者は、学者としてさえ非論理的なことをやっているような印象がつよい。
ところで、平田は予知しやすい地震から手をつけてというようなことを述べているが、それは東海地震ではなかったのか。そして、そのためにすでに膨大な資金が投入されて、観測網が整備されてきたのではないのか。地震学者は東海地震がきちんと(30年以内に98%というような話ではなく、24時間以内にといった形で)予知できるまでは、これまでの詐欺行為でせしめた金で作ったおもちゃで遊んで、その有効性とやらを実証することに専念してもらいたいものだ。
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by ZAM20F2 | 2012-03-11 07:19 | 科学系 | Comments(0)
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