メモ 備忘録として(2)

しばらく前に、備忘録として、世界で初めてTFT液晶を実用化したのがホシデンというメーカーであったという話を記したけれど、たまたま、ホシデンにいた方と話をする機会があったので、少しばかり話を伺った。といってもお酒の席だったし、時間も限られていたので断片的なものであるし、きちんと複数のソースから確認したものではないのだけれども、備忘録その2として上げておくことにした。内容に関しては、そんなわけで、必ずしも正しくないところが含まれていると思う。

TFT(薄膜トランジスタ)駆動液晶を最初に実用レベルにしたのは、ホシデンであるという点はOK。当時、ホシデンは太陽電池などはやっておらず、TFTの液晶表示をやったのは、当時の上層部の判断によるもの。先見性があった。TFTの液晶表示に関する発表をSIDで行ったところ、米国B社からコックピットの表示装置としての引き合いがあった。B社の求める仕様はレベルが高く、それを満たすための技術開発から生まれたものが、ホシデンの普通のTFTのレベルアップに寄与している。
TFT液晶では、液晶に電気を流す不純物があると性能が低下するので、それが少ないフッ素系の液晶が使われているが、M社がそれを開発する以前に、ホシデンではそれに掃討する品を見つけて使っていた。それは、某国内メーカーが車載用の液晶として開発した物で、M社が最初にTFT用として開発した液晶より優れた特性を持っていた。
ホシデンがその後、液晶業界で生き残れなかったのは、会社の規模が小さく、大型の投資が出来なかったため。第5世代のラインを自社のみでは作れず、フィリップスと提携することになった。

前に聞いた話では、ホシデンの液晶が立ちゆかなくなったのは、阪神淡路大震災で工場が被災したのが切っ掛けだったという話だけれども、今回は、それは関係なく単に会社の規模故であるという話であった。ストーリー的には大震災由来の方が、ドラマチックなわけだけれども、正直なところ、どちらなのかはもう少し色々な人の話を聞かなければ分からないだろうと思う。今回話を伺ったのは、ホシデンにいたエンジニアの方で、前回は外部の方。単純には今回の方が内部情報であるのだけれど、前回の方の方は上層部の話を直接聞きうるし、外から状況を見ることもできるので、そういう意味で客観性が高い可能性もある。
今回の話でもう一つ面白かったのは、TFT駆動用の液晶として、日本メーカーが意識することなく(多分)使える製品を作っていたということ。だいぶ前に液晶関連の講演会で、上記の車載用の液晶を作っていたのではない方の国内の液晶メーカーの人が、当時はSTN用の液晶材料の開発に注力していたために、TFT用液晶の開発に遅れを取ったという話をしていた。それとは違うメーカーとはいえ、すでにTFT用に使える液晶を作っていたメーカーがあったにも係わらず、その後は、M社の独擅場になっているのは、先見性の違いというやつなのかもしれない。
もっとも…、もとH社の人に聞いた話では、当時のM社はSTN用の液晶開発で遅れをとっていて、もはや液晶材料から撤退するかという状況に追い込まれていて、次世代の液晶ということでH社に相談にも来て、そこで、TFT用を薦めたという。このあたり、誰がTFTの将来はいち早く(どのような理由で)認識して動いていたのかは興味がある。ただ、TFTについては、サンシャイン計画でTFTにつながる技術に大金が投入されていたことが、その発展に寄与したのは間違いないのだろうけれども、今回の話からすると、ホシデンは、その投入された大金の外にいた模様で、それは面白いところだ。
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by ZAM20F2 | 2012-07-13 06:10 | 液晶系 | Comments(0)
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