お台所の理科研究:少國民理科の研究叢書(3)

お台所の理科研究
理科の研究シリーズの編集方針には、単純に教科書的な知識を与えるのではなく、子どもが身近に理科的なことに触れられるようにすることがあったような気がする。というのは、街頭の理科研究にしろ旅行の理科研究にしろ、子どもが、主人公として出て来て子どもの視点から記した文章などもそれなりの割合で含まれているからである。物語的なストーリーの中で理科知識が紹介されるような形態になっているのである。いくつか読んだ中で、野山の理科研究は例外的に子ども視点が出てこないし、また、伝達する知識が高度になると、子ども視点が後ろに退いていく傾向もあるのだけれど、何らかの形で、子どもが出てくるというのが、かなり共通した方向性になっている。

それらの本の中で、男2人、女1人の3人兄弟というのが、結構よくあるパターンの気がする。これは、あるいは、当時の社会要請を反映したものかなという気もするのだけれど、その3人の中で主役は小学校程度の男の子で、女の子は、どちらかというと脇役である印象がある。その中で、この「お台所の理科研究」は女の子が主人公である。男の子だけでなく女の子にも理科的な知識が求められていたわけである。
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この本の箱裏には、かまどが出てくる。しかし、表の方には秤が出ている。
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さらに、本を開くとガスコンロから話もある。読んでみると、女の子がいる家は東京にある。このため、お台所の理科研究といっても、日本の平均的台所ではなく、非常に限られた特異な台所なのだろうなと思うのだけれど、どのあたりが特異なのかは、項をあらためて。
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by ZAM20F2 | 2013-02-09 07:30 | Comments(2)
Commented by 玉青 at 2013-02-10 11:34 x
あ、理科研究シリーズが続きますね。
それにしても、これまた可愛いイラスト。
はたして戦時理科少女の活躍やいかに?「レモンと実験」的な「食材の化学実験」も登場するのか?内容のほうも興味津々です。
Commented by ZAM20F2 at 2013-02-10 20:12
はい、あと5冊ほど買い込んでいて、勤めの行き帰りに楽しんでいました。そのあたりはいずれまた。
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