骨片の謎

MWSさんの今シーズンのJシリーズにはナマコの骨片を入れた偏光観察用プレパラートがあった。これは、偏光観察用ではなく、宝石デザインシリーズの一品なのだけれど、骨片が含まれているので、その部分を偏光顕微鏡で眺めてみた。
c0164709_11542663.jpg
ステージを回転すると
c0164709_11543072.jpg
と長軸が水平に近付くと暗くなり、水平にすると
c0164709_11543344.jpg
と完全に暗くなる。複屈折なので、
c0164709_11543977.jpg
と垂直にしても暗くなる。残りの一個の骨片も
c0164709_11544567.jpg
と水平にすると暗くなる。骨片がちゃんと存在しているのは、
c0164709_11545004.jpg
と鋭敏色板を入れれば確認できる。 完全に消耗する状態があるということは、骨片の厚さ方向で屈折率の主軸に分布がなく、また、骨片の中で光軸方向が揃っている事を示している。一方で、一つの骨片の中に異なった色調が見られることは、厚みに分布があるのか、それとも複屈折量が部分的に異なっていることを示唆している。 骨片は炭酸カルシウムで出来ているらしい。そして、鋭敏色板を入れた写真でも見られるように、骨片内は連続につながっている。一つの結晶であるように見えるのだ。 と云うわけで、頭の中が混乱している。炭酸カルシウムの単結晶は方解石だ。方解石はご存知のように、平行六面体の結晶である。方解石に限らず、結晶は基本的には直線で構成され、稜角は結晶毎に定まった特定の角度をするものだ。結晶が成長していくときも、結晶構造を反映した形になっていく。ところが、この骨片は曲線に囲まれた形状で、普通の状態では、絶対にこのような形状の炭酸カルシウムの結晶を作り出せないように思える。これが単結晶だったら、なんか、まったく新しい結晶成長芸をナマコがしていることになるのではないかという気がしている。 とりあえず、ナマコ屋さんに骨片が単結晶かどうか聞いてみようかと思案中
[PR]
by ZAM20F2 | 2014-01-01 12:10 | 科学系 | Comments(0)
<< 骨片のリタデーション お土産 >>