ナマコ骨片の遅相軸

前回の写真で楔型検板は画面の左上から右した方向に45度で入っている。骨片の長辺が、検板の方向とほぼ一致しているものは消光状態が実現しているが、それ以外の2つの骨片はまったく消光が見られていない。しかし、ステージを回転して長軸が検板と同じ方向になるようにしてやると
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のように長辺が平行になったものは消光状態が見られるようになる。検板をみると、この方向がx'となっているので、これから、骨片の屈折率は長軸方向が大きくて、短軸方向が小さいことが分かる(このあたり、あらためてセロテープなどで説明するつもり)。 方解石の屈折率データを見てみると、方解石では光軸方向の屈折率が小さい値となる負の複屈折物質であることになっているので、それより、骨片の短軸方向に光軸があることが分かる。ただし、光軸が面内になるか、面から傾いているかは分からない。単純には面内にあって良さそうにも思えるのだけれど、方解石の光軸は平行六面体の結晶のどの面にも平行ではないので、その点は自信がもてないのだ。コノスコープ観察をすれば、原理的には光軸が傾いているか分かるのだけれども、水平からの傾き角がそんなには大きくないので、かなりNAの大きな対物を使って慎重に見てみないとつらいかなという気分で、まだ試していない。 リタデーション(複屈折×試料厚み)の測定値と方解石の屈折率異方性のデータを組みあわせると(光軸方向はほぼ水平面内にあると仮定して)骨片の厚みが計算できる。或いは、骨片の厚みを別の方法で測定しておくとこにより、光軸が水平にあるか傾いているかを推測出来ると言っても良い。とはいえ、楔型検板で測定できるリタデーション値は有効数字が1桁もないようなものなので、まともな解析には使えない。ベレックコンペンセータでもあれば、もっと真っ当な値を出せるのだけれど、いままでネットオークションで見たことない(から当然手元にもない)。そこで、某所にベレックを使わせてもらってリタデーションを測定したら、周辺部で800nm~1000nm程度、中心部で1200nm~1500nm程度だった。方解石の値を使って厚さにすると、周辺部分で5ミクロン程度、中心で6~7ミクロン程度となる。
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by ZAM20F2 | 2014-01-05 12:13 | 科学系 | Comments(0)
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