屈折率大小の方向の確認

少し前のナマコの骨片で長軸方向の屈折率が高いと記したけれど、それを判断するのに使っているのが、偏光顕微鏡の位相差板だ
c0164709_11333315.jpg
右上が顕微鏡附属のλ/4と鋭敏色板がついたもの。左下が、楔型検板だ。両方ともx'とz'と記してあるけれど、z'の方が屈折率が高い軸だ。日常的によく使っていれば、x'とz'の大小はおぼえているのだけれど、忘れてしまった場合には、セロテープではテープの長手方向が屈折率が大きなことを知っていれば(これは高分子が長手方向に揃っていることから自然に導かれることで、高分子を長手方向に揃えるのは、そちらの強度を大きくするためで、セロテープの機能と結びついているので、個人的にはこちらの方は常識と化している。ただし、スコッチのクリアテープのように材料がセロファンでないものは、異なっているので注意が必要だ)、どちらが屈折率が高いか確かめられる。
c0164709_11333825.jpg
は画面の半分だけセロテープが貼ってある。鋭敏色板を入れれば
c0164709_11334487.jpg
と境界が見えるようになる。 この状態から45゜ステージを回転して
c0164709_11340102.jpg
とセロテープの長い方向が検板と平行になるようにする。ここで、λ/4板を入れると明るさが暗くなる。
c0164709_11340510.jpg
これは、セロテープ領域の複屈折量が減ったことを示唆している。また、鋭敏色板を入れると
c0164709_11343203.jpg
と色調が消えるけれど、これは、530nmほどあった鋭敏色板のリタデーションが300nm程度以下になったことを示唆している。色とリタデーションの関係は液晶学会のWebのどこかに偏光色(干渉色)チャートがあるので、それを拾ってくればよい。 逆方向に45゜回転した場合は、検板を入れないと色調や明るさは
c0164709_11335383.jpg
と逆45゜と同じだけれど、λ/4板で
c0164709_11335720.jpg
と黄色く着色する。これはλ/4のおおよそ150nmの位相差が加わって、400~450程度になったことを意味している。つまり、セロテープ単体のリタデーションは250~300nm程度という印象だ。続いて鋭敏色を入れてみると
c0164709_11343605.jpg
と緑になる。これは、800nm程度の薄緑になっていると考えられる。 リタデーションの大きさの厳密なところはおいといて重要なのはセロテープを鋭敏色板と平行にしたらリタデーションは減り、垂直だと大きくなったと言うこと。そして、セロテープがテープ方向の屈折率が大きことから、検板は検板の長手方向に垂直な方向(z'軸方向)の屈折率が大きいと結論できる。
[PR]
by ZAM20F2 | 2014-01-13 11:51 | 科学系 | Comments(0)
<< 専門家とサイエンスライター だいぶ典型的山道具 >>