少年技師ハンドブックと少年技師のハンドブック版「望遠鏡と顕微鏡の作り方」の違い

少年技師ハンドブックの「望遠鏡と顕微鏡」の作り方が手元にやってきた。
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今回も残念ながらカバーはなく裸本状態だ。
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少年技師ハンドブックのカバーを見たいという願望は果たせなかったが、これで、戦後の少年技師のハンドブックの「望遠鏡と顕微鏡」の作り方と揃ったので、何が違うかを比較できるようになった。

 分かったことを一言で言ってしまうと、「戦前版、難しいし、実際の工作ができないわ」であった。もちろん、戦後版にも
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のようなレンズの焦点距離と結像位置の公式などは載っているのだけれども、
一方の戦前版は、同じ実像の形成にしても、戦後版よりは少し凝った図になっている。
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さらに虚像に関しては、戦後版が
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と、なんか、あんまり精密感がないというか、光学的に正確ではない図であるのに対して戦前版は
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と眼球の中の光路まで描いた、他ではあまり見ない図になっている(惜しいのは、角膜のところで屈折していないように記している所だ。本当は、人間の目の視力は角膜部分によるところが大きい)。

それ以後も戦後版は
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のように、大きすぎるレンズを適当なサイズに削る方法やら、鏡筒の作り方など、形のあるものを作るための実際の工作手段に頁を割いている。その結果として、素人工作がほぼ不可能な顕微鏡は、あっさりと流される羽目になったわけだけれども戦前版の方は

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と、どちらかというと、工作より原理原則に走ってしまっている。光学系に対する正しい知識は身につくけれども、でも、実際の望遠鏡は作れそうにない。そういう意味では、戦後版の方が、実際に物を作りたい子供には親切な本であったといえるかもしれない。

少年技師ハンドブックの中には、軍艦の作り方など、戦後は生き残れないようなタイトルと内容を想像させるものもあり、戦前版の望遠鏡にも戦後には生き残れない内用があるのが、まったく別の本になった理由なのかと思っていたけれども、、そうではなく、戦後版の方が、より実際的な本という編集方針になっていたためかもしれない。(もっとも、戦前版でも実際的な本もあったので、このあたりはよくわからないけれど)

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by ZAM20F2 | 2014-01-26 11:54 | 科学系 | Comments(0)
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