実験装置の作り方(2)

本が出たのは昭和30年代の初め。東京タワーが出来て少したった頃だ。著者の前書きは


理科の勉強には、実験が大切です。しかし実験には、いろいろな装置がいります。この装置はなかなか手に入らないものです。そこで、わたくしたちは実験装置をつくってみようではありませんか。できないものもありましょう。しかし、工夫すればずいぶんいろいろな、おもしろいものもできるものです。また、これを工夫したり作ったりすることが、たいへん勉強の役にたって、しかも興味深いものです。ここに、30種ばかり集めてみました。廃物などを利用したものが多いです。これによって、みなさんの工夫の助けになれば幸いです。
昭和34年12月1日 田口武二郎

となかなか拡張高い。目次を眺めると
c0164709_19521946.jpg

と、最初の方は出来上がった品の写真集になっている。たとえば、
c0164709_19531089.jpg

な写真もあり、これからすると、対象読者(当然、対象読者として想定している年齢の子供をモデルに使うだろうと思う。まあ、著者の孫という可能性もないではないが)は小学校高学年程度という印象である。
目次の後半は
c0164709_19522353.jpg


で、目次を見ても分かるように様々な工作がのっている。その中には実験装置の制作というよりは、それ自体が実験の物や、科学玩具の制作という方が近いものもある。

例えば、磁力線の観察は硝子板の下に磁石を置き、上にうまく砂鉄をばらまいて、磁力線に沿った模様を作り、それを固定するという話である。硝子板としては、写真乾板のだめになった物を使うと良いと書いてあるのは、この時代には窓硝子板は平板性も均一性も悪い物が使われていたのを反映しているのだろうなぁと、本筋と外れたところも面白いのだけれど、砂鉄を固定してしまうと、それ以降は新たに磁力線を見られないわけだから、一つの実験結果であっても実験装置ではない。実験装置というからには、出来上がったところが出発点で、それを使っての作業に、はるかに多くの時間を費やすものであるはずなのだ。もちろん、そんな装置も色々と揃っている。というわけで、次回はそのあたりなど。
[PR]
by ZAM20F2 | 2014-06-02 20:06 | 科学系 | Comments(0)
<< 実験装置の作り方(3) 実験装置の作り方 >>