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山北藤一郎さんの少年技師の電気学

少し前の「田口武二郎」さんに続いて「山北藤一郎」さんを検索キーワードにやってきた人がいた。記憶のない人名だけれども、どう考えても少年技師シリーズだよねと調べてみると、少年技師シリーズだけで4冊出している。さらにWebを探すと「変圧器の作り方」なんて記事を書いている人もいる。山北さんの電気機械の作り方を参考に、缶コーヒーの鉄板をのばしたのを心材に変圧器をつくった人がいるのだ。(上の階層のページはhttp://madlabo.oops.jp/MAD/index2.htm だ。変圧器の作り方から戻るをクリックするとリンクがたどれない) 変圧器をつくる記事も、なかなか楽しめるのだけれど、そのもとになった本と著者も面白そうというわけで、いつもの日本の古本屋にアクセスして手頃な本を探したら、裏表紙欠で安かったのが
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だ。この本、奥付を見ると
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と初版は昭和11年。発行所は科学教材社のわけだけれども、「少年技師の電気学」で日本の古本屋を検索すると「少年技師の電気学(模型製作ニューハンドブック)古澤匡市郎、誠文堂新光社、昭13」というのが別の書店で計2冊上がってきた。これは、かなり混乱する事態で、一方が科学教材社で、もう一方が誠文堂新光社とはいえ、ほぼ同じ時期に同じタイトルの本が異なった著者で出てくるからには、「望遠鏡と顕微鏡の作り方」が少年技師ハンドブック版と少年技師のハンドブック版で内容が違うのと同じように、何らかの理由で異なった物が出たのだろうと思案して、値段が安かった方を注文したのが先日に赤表紙を出した本。並べてみると
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と判型も同じだし、著者も同じ。さらに、
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のように内容も一言一句違わず同じでしたとも。ちなみに、上がニューハンドブック版。戦後すぐの発行の科学教材社版の方が紙質が悪いものになっている。
一瞬、返品しようかとおもったけれど、思いとどまったのは、科学教材社版にはない一葉の写真がニューハンドブックにはあったため。それが
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である。模型実験室というからには、会社の研究所ではなくご自宅の実験室での撮影だと思うのだけれど、その割にはネクタイに上着でおめかししているなぁなどと、微笑ましく拝見した次第。
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は同じ写真だけれど、山北藤一郎さんで検索してもご本人のお写真が出てこなかったので、興味のあるかたもいらっしゃるのではと思い上げることにした。それにしても、科学教材社版のニューハンドブックには、著者近影はなかったのだけれど、このあたり、どうなっているのだろう。
さて、少年技師の電気学だけれども、これは、なかなかに面白い本。内容は改めて。


by ZAM20F2 | 2014-07-21 12:16 | 科学系 | Comments(0)
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