定正さんの鉈鎌は木の柄がついたものだったけれど、これはそのまま地金の部分に縄を巻いて柄としたタイプ。
両刃で、造林鎌ににた形状で、これだと、タラノキを引っ張るのにも使えるし、地面をたたいても安心感がある。普通の鎌とは違うけど、山林用の登鎌と同じような形態で、登鎌といってもよいかもしれない。
大昔に渋谷の東急ハンズで買い込んだ品だ。その後、定正さんで皮の道具入れを買い込んで、それに入れて使っていた。農業用水脇など、道でなく灌木が茂ったところなんかを歩くのに重宝する一品だ。
銘は秋田・国秋と入っている。
結構気に入っていてもう一つ買っても良いと思っていたのだけれど、その後、東急ハンズには入ってこなかったので、北の方に出かけたついでに、秋田駅で降りて(まだ新幹線なんか影も形もなかったころだ)、駅前の交番で聞いたのだけれど、店を見つけられずにそのままになっていた。東急ハンズに出ているほどの店だから地元では有名なのだろうと思っていたのに完全に当てが外れてしまったのだ。
最近、ふと思いついて鉈鎌で画像検索をしたら、これが出てきた。そして、分かった事は、国秋は兵庫宍粟市の鍛冶屋さんであったこと。新幹線が通るようになってから、秋田にいく機会があって、その時はネット検索などで秋田の鍛冶屋さんを調べたけれど見つからずに廃業したのかと思っていた。当時、秋田の交番で聞いても分からなかった理由が随分とたって明らかになった。