沖鉈 三崎 日本刃物店

農鍛冶の扱う品でも、鉈なんかは農業というより林業系の刃物だ。定正さんでも鉈の他に斧なんかも扱っている訳で、守備範囲としては林業も含めるという感じだけれども、もっと林業が盛んな地域では、高山のヒラヨシさんのように「山林道具」を看板に上げている店もあるし、岩村田の山口商会さんも、山林道具系の店だ。ヒラヨシさんも山口さんも今では薪ストーブを売りにしているみたいで、時代の変化を感じさせる。
さて、農林ときたら次は水になる。水系の刃物屋さんがあるとしたら漁業基地のある街だろうというのは自然な発想なわけで、実際、三崎に「日本刃物店」という店がある。三崎レトロ建物探訪によると、「遠洋漁業の仕込みを経て料理専門刃物店」とのことなんだけれど、記憶にある日本刃物店は広い通りに面したもっと間口の大きな店。その後、知り合いから閉店してしまったと聞かされていたのだけれど、どうやら移転して営業は続けていたようだ。
三崎に漁業用刃物店があると教えてもらったのは、定正から石榴石で有名な峠の方に上がっていった高原でのこと。では、という訳で、そのまま三崎まで行ったのは、元気と時間があったのだなぁとしみじみと思う。
日本刃物店には漁マキリもあったと思うのだけれど、それ以上に目についたのが沖鉈。両刃の無骨な刃物だ。これは、普通の包丁形状だけれど、先端の方が丸い(出刃包丁の背がまっすぐで刃が最後はほぼ90度まで曲がったような感じの)のもあった。そちらは、大きめの魚をざっくりおろすのには使えそうだったけれど、そんなあては無かったので、普通の形状の方を買い込んだ。


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柄は松材で滑りにくくなっている。
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また、中子が柄を貫いて通っていて刃が抜けることのないような構造になっている。
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漁師さんの書いた本に、出刃包丁一本で魚もおろすし、焚き付けの薪割りもすると書いてあるのを読んだことがあるけれども、この沖鉈はまさにそんな感じの刃物だったのだろうと思う。


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by ZAM20F2 | 2014-09-10 20:51 | 文系 | Comments(0)
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