佐久の酒

中山道望月宿の次の宿場は芦田宿なんだけれど、その間に茂田井という間の宿がある。望月と同様に、今ではバイパスは街の脇を通り抜けている。もっとも、バイパスが出来る前も、茂田井に降りていく道は2件ある造り酒屋とは違う道につながっていたので、その時点で本来の中山道とは違っていたのかもしれない。2件の造り酒屋は武重本家と大澤。銘柄は御園竹と大吉野だ。

c0164709_10394286.jpg

は大吉野の御泉水仕込み。ごせんすいとルビが振ってある。長野県公式観光ウェブサイト「さわやか信州旅.net」でもごせんすいとルビを振っている。でも、個人的には「おせんすい」と教わったし、そちらの方が本来ではないかと思っている。だいたい、ごせんすいと読んでしまったら「きれいな水なのにおせんすいとはこれいかに」などというしょうも無いギャグが使えなくなる。
御泉水は芦田から六川道(りくせんどう)を上って蓼科牧場を上がった上。付近には夢の平なんて洒落た名前の場所や将軍平という曰くのありそうな地名もあるけれども、この二つは昭和の初期から戦後にかけて、あのあたりに出かけていた都会の少年が勝手に付けたものだから、地名の由来に頭を悩まさない方が良いと思う。
御泉水源泉仕込みと書かれると、それだけで有り難そうな感じがしてしまうけれど、実は少しばかり違和感がある。御泉水には池はあるから湧水はあるとおもうけれど、あの付近の一番の水源はなんといっても水出(みずいで)だからだ。まあ、水出水仕込みと言われても、水出が何か分からない人にはインパクトはないわけだけれども。

もう一方の御園竹は、30年ぐらい前までは東京都内の白山下あたりでおいてある店があった。都内どころか関東で、ここ1件だけだっただろうと思う。酒屋の店主の話によると、その当時で御園竹と奈良井の杉の森だけがかつての灘を彷彿とさせるお酒なのだそうで、それで取り寄せているとのことだった。取り寄せた酒の半分以上は自分で飲んでいるのではないかという店だった。その店も今はなく、御園竹や杉の森が欲しくなったら長野まで買いに行かなければならなくなっている。御園竹は今は生酛の牧水が上の銘柄になっているけれど、昔の中山道宿場の地酒時代の御園竹純米がなつかしい。

芦田宿と望月宿には造り酒屋は(少なくとも今は)ないけれども、佐久は町毎に造り酒屋があるような場所で、買ったことのある銘柄でも初鶯、千曲錦、井筒長、亀の海、寒竹なんていうのがある。
c0164709_10394634.jpg

は千曲錦の限定品。濃醇辛口という、あまり見かけないタイプだ。千曲錦には趣味でつくっているような「帰山」というシリーズもありちょっと面白い酒屋さんだ。

c0164709_10394930.jpg

は井筒長の黒澤酒造さんのお酒。千曲川でもっとも上流にある蔵元というのが売りだ。丸ト、この前まで家から歩いて10分のスーパーにおいてあって幸せだったのだけれど、扱いが無くなってしまい凄く不幸になっている。
[PR]
by ZAM20F2 | 2014-10-06 20:15 | 物系 | Comments(0)
<< 弁天神-高原風物詩 望月宿 中竹鋸店 手長鋸 >>