東芝サロンに見る昭和30年代後半の電化生活(I)

山北藤一郎さんのお名前でオークションアラートをかけていたら、東芝サロンという冊子が引っ掛かった。手頃な値段だったので応札したら、競争者はおらず手元にやってくることになった。
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裏表紙を見るとこの冊子は東芝系電気店が配布していた品の様子。
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この冊子を配布していた電気店はネット検索で上がってこないのだけれど、住所からすると金沢から少し七尾線に乗った所にある街の電気屋だったようである。この冊子は30円という価格がついている。当時の少年サンデーとほぼ同程度の値段のわけで、冊子自体安くはなかった印象がある。

さて、裏表紙の16型白黒テレビは定価6.2万としるしてあるけれど、その横には現金定価5.9万となっている。
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高い方の定価が月賦払いを前提とした物か、盆暮れ集金を前提としたものかは不明。いずれにせよ1962年の初任給は大卒で2万弱程度らしいので、高価な品物だったわけだ。

冊子を開いてみると、ちょっとした文化冊子。もちろん、家庭電化製品を売り込むのが目的だから、ステレオのある洒落た風景の写真も入っている。
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この電気店があった地方でこんな家に済んでいる人がどの程度いたのだろうか。このステレオも現金定価で5万円以上。
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そしてLPレコードも1枚2000円程度。非常に贅沢なものだった。


1962年は昭和30年代後半。30年代前半には、ご成婚により極東の島国のテレビ普及率が上昇し、それにともない都会の生活が地方でもテレビの窓をとおして見られるようになった。とはいえ、テレビに映らない部分では古来の習慣が数多く生き残っていたのではないかと思う。もちろん、明治期のように、新聞の相談欄に「子供が宣教師の学校に通っているが、最近、良い子にしていると贈り物をもらえると言っている。私には三太九郎という知り合いは折らず、そんな見も知らぬ人から歳暮をもらう由来はないのだが」などという相談事がのることはないけれども、クリスマスカードについて、わざわざとハガキではなく封書でと書いてある。
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カードがどのようなものかの風習は浸透していなかったのだろうと思う。もっとも、最近のネットの書き込みをみると、女子高生が、『ヨーロッパではクリスマスイブに教会にいくらしい、宗教が入ってくるなんてなんかおかしい』と言っていたりするらしいので、極東の島国の欧米の風習に関する知識はこの100年以上あまり進歩していないのかもしれない。


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by ZAM20F2 | 2015-01-01 12:32 | 文系 | Comments(0)
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