海流の話

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卒塔婆が流れている図から始まるこの本は「海流の話」という本だ。少し前に、戦前に小学生だった(卒業は国民学校かもしれない)人から電話で、子供の頃に岩波から小国民のための科学の本があって面白かったという話を伺った。
話によると、海流の話は鬼界ヶ島に流刑となった康頼らが卒塔婆をながしたのが厳島に流れ着いたという平家物語の話から始まっているのだそうで、それが非常に印象深かったとのことだった。話を伺いながら、平家物語から始まるということは、それが子供にも常識として通じる話だったのだなぁなどとちょっと違うところで感心したのだけれど、昔の子ども向け科学読み物に興味をもっている身としては、見つけ出さないといけない本となってしまった。
伺った話では「小国民のための科学」といったタイトルのシリーズで5冊ほど岩波から出ていたとのことなのだけれど、毎度おなじみの日本の古本屋で探しても見当たらない。中谷宇吉郎の雷の話もあったと伺っていたので、そのあたりから検索していくと「小国民のために」というシリーズででているのが見つかった。というわけで、海流にのってではなく、郵便プロセスにのって本がやってきた。
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「小国民のために」は単行本で先ず5冊出版され、その後5冊程度出版されたようだ。戦時下の出版物のため、本によっては戦争への意気を鼓舞するような内容もある。このためか戦後には重版されていないような本もある。その一方で、戦後もだいぶ立ってから「小国民のために」という副題のついた本が再版されていたのに少しばかりの驚きも感じている。
ところで、この本、ネット上の情報からでは(少なくとも、この記事を書いている時点で)気がついていなかったと思う。そういう意味では、こんな時代にもローカルな情報というものには大きな意味があるように思う。
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by ZAM20F2 | 2015-01-03 22:03 | 科学系 | Comments(0)
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