日本の稲(2) 少国民のために

承前
北海道の稲前線の北上に続いて、その人為的な改良につながる話が出てくる。その前提となるのは、稲の故郷と日本への伝来の話で、そこでまず出てくるのはパヴィロフの遺伝子中心説。
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優性遺伝子のバリエーションが多いところが原産地であるという話だ。
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突然変異により優性遺伝が劣勢になることはあっても、劣勢が優性になることは遙かに頻度が少ないらしく、優性遺伝が多いほど(違う気候に適用するように変異していないので)原産地であるという考えらしいのだけれど、個人的には、品種の種類が多いところが原産地と思いこんでいたのだけれど、もっと厳密な話であったのかと認識を改めた。

日本への稲の到来については、稲の中には日照の長さに敏感なものと鈍感なものがあるという話などから、日本の稲は南方系ではないかという説が示されている。
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このあたり、知らなかった知識ばかりだ。
そして、いよいよ品種改良の話。
最初の品種改良として純系淘汰という話が出てくる。それと併せて稲が自家受粉の植物であることが書かれていた。これもまっとうには認識していなかった点だ。そもそも、自家受粉と他家受粉の植物があること自体、どこかで聞いたことはあるけれども、それが具体的に植物の育成にどのように絡んでいくという認識は明白にはなかった。それ以前になぜ、自家受粉(これは、周りに同種の植物がいない環境では必須の手法である気がする)と他家受粉の植物が分かれていったのかは、新たな疑問として頭に引っかかっている。

純系淘汰は、元となるものの中に内在している遺伝子の組み合わせから優れた組み合わせのものをより抜いていく手法である。
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このため、この方法による改良が進むと、それ以上の改善は見込めない状態へと飽和していく。
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ちなみに、自家受粉の植物はこの手法で問題を起こさないが、他家受粉の植物は純系にし過ぎると障碍を起こすらしい。その一歩手前ぐらいで止めておいて、もう一つの同じようにした相手と他家受粉をさせると、たちのよい合いの子ができるという。その合いの子は混合した遺伝子を持っているので、その子孫では様々な組み合わせができてしまう。よい性質を安定して示すのは一代限りなのだ。これはF1としてトウモロコシなどで使われる手法として知っていたことなのだけれど、背景にこんな話があるなんて認識しておらず、このあたりも持ち合わせていた知識の不十分さを感じさせたところだ。
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話はずれるけれど、最近のトウモロコシ、甘くて美味しいけれど、醤油をつけて焼くのには昔のべっちゃりした方が香ばしくて美味しくなった気がする。

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by ZAM20F2 | 2015-02-21 21:48 | 科学系 | Comments(0)
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