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OLYMPUS AIR A01 オープンプラットフォームカメラを顕微鏡につけてみる

少し前に、発売延期に関するエントリーを書いた品が手元に届いた。すでにWeb上にも使用感などが掲載されはじめているけれども、それらで紹介されている用途は個人的な使用目的とずいぶんと異なっているので、ここでも紹介する価値がある気がする。

このブログにしては珍しく品名を書き込んだのは、検索に引っかかった方がよいかと思案したため、通常だったら、4/3システムを実質的にやめてしまったメーカーから発売された、振動要素のない顕微鏡に取り付け可能な撮像素子なんて書き方しかしていないと思う。接続、その他の話はほかのサイトをみていただくとして、ここでは顕微鏡への装着とマクロ撮影に限って話を進める。(Bluetoothが接続するのに、その後のWi-Fiが駄目な場合は、端末側が他のWi-Fiに接続してしまっていないか確認せよ)

本体は、ボディーキャップレンズにも対応しているので、cマウントアダプターのように、電気接点のないものをつけても問題なく作動する。オリンパスでもニコンでも現行機種は等倍でCマウントのポートが取り付けられるので、そこにC-μ4/3をはさめば問題なく取り付けられると思う。
残念ながら手元にあるのはOptiphotoで直接Cマウントの等倍アダプターがないので、Cマウントカメラ用の等倍プロジェクションレンズとCマウント鏡筒(前に写真で出したものだ)で取り付けてみた。
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Cマウントの等倍プロジェクションレンズは視野数が16なので、4/3では長辺の長さにも足りない。実際に試してみると、18mm程度はあるようで、長辺の中央はカバーするが対角線にはまったく不十分な状態になる。
OLYMPUS AIR A01 オープンプラットフォームカメラを顕微鏡につけてみる_c0164709_11561111.jpg

A01にはデジタルズームがついているので、それを使えば、見た目はけられのない画像が得られる。ただし、撮影範囲は狭くなる。
OLYMPUS AIR A01 オープンプラットフォームカメラを顕微鏡につけてみる_c0164709_11561162.jpg

使っている三眼鏡筒が根元部分が取り外せるので、はずして上にA01を(Cマウントアダプタはつけて)載せてみた。
OLYMPUS AIR A01 オープンプラットフォームカメラを顕微鏡につけてみる_c0164709_11555170.jpg


この状態でピントはほぼあっていて、そして、等倍でもけられのない画像が得られる。
OLYMPUS AIR A01 オープンプラットフォームカメラを顕微鏡につけてみる_c0164709_11561172.jpg

この鏡筒の焦点面位置をきちんと確認しないといけないけれど、本体が鏡筒とほぼ同じ径なので、適当なテープを巻けば十分固定できるので、焦点面さえあわせられるなら、簡便でよい組みあわせになるだろうと思う。

顕微鏡カメラとして考えた本体の使い勝手は、
1,電子シャッターなのでシャッター音はないはずだが、初期状態では内蔵スピーカーからシャッター音がする設定になっている。無音にする設定はできる。ただし、無音にするとシャッターを切ったタイミングが分からないので、最小音設定にする方がよい気がする。
2,カメラはUSB給電で、撮影時もUSB接続をしておけばバッテリー切れの心配がないと思っていた。しかし、確かめてみると撮影と充電は排他的という謎使用になっている。またUSBを通してコンピュータから画像ファイルの取り出しができるけれども、それも撮影と排他的だ。撮影時は給電も、コンピュータからのファイル参照もできない。逆に、コンピュータに繋いだ状態からは、Wi-Fi接続が出来ない。これは、ハード的な問題でソフトではどうにもならないだろうと思う。次の機種では、どうにかしてほしいところだ。なお、廃棄時にはバッテリーを取り出して捨てろという指示があり、そのやり方を見ると、交換部品としてバッテリーの供給があれば、十分に対応できそうな気がする(ただし、予備バッテリーという使い方とするのには面倒だろうと思う)
3、メモリーはμSD形状だが、取り出すためには後蓋を開けなければならず、通常のデジカメより面倒である。USBで接続して引き出すことになりそうだが、そうならUSB3に対応していてほしかったところである。
4,オプティカルローパスフィルターが入っているかは未確認。超音波フィルターは入っていないときっぱり記してあった。これは、少しばかり予定外のところである。
5,端末からの操作で、マニュアル露光が可能である。この点と完全電子シャッターなのがソニーの類似先行商品に対するアドバンテージである。撮影時に適正露光量に対する状況は示されるみたいだけれども、残念ながらヒストグラム表示はない。これは、ソフト的に対応できるのかを(自分でやるには先が長い話になるけれど)検討したいところだ。
6,画面の任意の場所を部分拡大できない。これは正確なピント合わせには必要な機能で、ヒストグラムと併せて可能なのか検討したいところだ。現在のソフトでは、2倍および3倍のデジタルズームが可能だ。等倍よりもピントあわせはしやすいけれど、もう少し倍率を上げたい気がする。
7,最長露出時間は4秒で、通常の撮影には問題ないと思うが、ライトセーバーを使った撮影ではより長い露光時間が可能な方が有り難い。顕微鏡撮影では問題ないが、天文屋さんにとっては、露光時間が足りていないと思う。また、フラッシュの同期機構はない。照明にフラッシュを使っている人にとっては使い物にならない品だろうと思う。
by ZAM20F2 | 2015-03-28 12:00 | 顕微系 | Comments(0)
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