Optiphoto Polが家にやってきたからもうすぐ5年になる。偏光顕微鏡はあんまりネットオークションに出てこないため、状態が良いのが出て来ると、結構値段が上がってしまう。
このOptiphotoが出た時は、たまたま2台出ていて、状態の良い方が2日後の終了設定になっていた。この品は写真で見た目に埃を被りまくっていたし、対物レンズも偏光顕微鏡用のではなく金属用のが2本程度ついているだけという品だった。
自分の用途からすれば、対物レンズは長作動のにつけ替えるわけで、対物レンズがついていないことはマイナス点ではない。埃がどの程度影響しているのか分からないけれど、とにかく入札したら、競うことなく家にやってくることになった。
来た当初に光学系の掃除をしたけれど、その後は特にメンテナンスをせずに使っていたのだけれど、先日、数多くの顕微鏡に触っている方が、粗動ハンドルを回すなり「グリスが切れているよ」とのご指摘。そのまま使い続けると、歯車が欠ける事態になりかねないという。Optiphotoはとっくの昔にニコンでのメンテナンスができない機種となっているし、仮にメンテナンスが出来たとしても、かなりの金額になってしまうので趣味の用途としては現実的でない。知り合いに、実体を使っている人がいるのだけれど、光学系にごみが入ったので修理の見積もりを依頼したら、フルメンテナンスで、新品が十分買えるのではないかという見積もりがやってきて憤慨している人がいた。ニコンのメンテナンスは使用者の要望に優しく応えるという発想はあんまりない様子なのだ。
グリス切れを指摘して下さった方は、「簡単にメンテできますよ」というのだけれど、それは数をこなした人の話で、中身の分からないものの蓋を開けるのは、勇気のいることだ。Webを捜すと
DIY感覚で顕微鏡分解掃除生物顕微鏡[OPTIPHOTO]という記事はあるけれども、これはベースの中を掃除する話で今回の目的の参考にはあまりならない。それでも、ギアが欠けてしまうと、どうしようもないので、とにかくメンテナンスをやってみることにした。
メンテナンスをやるにあたって、まず用意したのはグリス。なにしろ、グリスが切れているので、新しいグリスを塗らなければならないのだけれど、妙なものを使ってしまうと、当座はよくても、すぐに事態を悪化させる危険性が高い。そこで、光学機器用のグリスを用意した。最近では、カメラ修理道楽もポピュラーになって、光学用グリスも売っているのだけれど、カメラ用品店で小分けにされているものを買うよりも、どう見ても供給源となっていると思われる会社から直接買い込む方が割安である。と言うわけで3種類ほど購入してみた。
お店はWebはあるのだけれど、注文用のメールアドレスはなく、電話で注文となった。
対応もよく、請求書とともに素早く送ってくれた。まあ、送り先が自宅ではなく、勤め先にしておいたためもあるかもしれない。もちろん、請求書は勤め先事務には回さずに、とっとと自分の口座からの振り込んだ。
グリス以外に必要なものは、古いグリスを拭うのに必要なキムワイプ類と、適当な有機溶媒。今回はオリンパスのEEクリーナを使っている。
それから、きちんとしたドライバと六角レンチ。あとは、ゆっくりと作業できる場所と時間。というわけで、実際の作業は次回に。