ロウソクの科学のファラデー自身による後書きについて

旦那芸・科学版のエントリーのところで、ロウソクの科学の話を出しながら、きちんと読んだ事があるのか、ちょっと不安に感じていた。確か、なんとか文庫版の本は持っているし、買い込んだのは積ん読が趣味になる前なので読んでいるはずなのだけれど、中身の記憶があんまりないのだ。で、改めて読もうとおもったけれど、本棚から発掘されず、調べたら、プロジェクト玄白で、山形浩生さんが訳したものが見つかった。Web上にはPDF版もあるので、それを落とせばいいのだけれど、持ち歩いて読みたかったので、テキスト版を落としてきてkindleフォーマットへの変換を行った。ただ、sjisのテキスト版は、すくなくとも、後書きの最後のところが他の版と違って欠落した感じで終わっているので、その部分は他の版を参照する必要がある。
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本文も面白いのだけれど後書きがむちゃくちゃ面白い、天国在住のファラデーは、どういう手法かしらないけれ、インターネットを介して訳者と情報交流が出来ていて、新規書き下ろしの後書きが付いているのだ。後書きの中でファラデーは(とあえて書いておくけど)色々と面白い事を言っている。
ファラデー自身が数学が出来ずにあれだけの仕事をしたのだから、数学は無用だなんて言ってはいけないけど、でも、数学を使わなくっても、やり方次第では本質をとらえた物になる見込みぐらいはあるとか、ロウソクのように最先端じゃない古くさいものを題材に選んだから、100年以上たっても古くさくならないので、「これこそ現代科学の最先端!」を紹介するものだったら、その後に見る影も無くなっただろうなど。
また、科学の進み方として変な現象を整理して理論化するのと、理論を作って検証するなんて話もある。後者はいわば、仮説を作って検証というプロセスだけれど、ファラデーは普通の人が科学に興味を持つのは現象を見てからの方向じゃないかと言っている。

そして、19世紀だったらロウソクを使って色々な科学分野の遊びができたけれど、20世紀後半ならブラウン管テレビだよねなんて話が出て来る。コンデンサを破裂させて楽しむのは勿論、何しろブラウン管テレビはゴキブリの孵卵器にもなるので生物学の題材にすらなるのだそうだ。他の版で読まれた方も、この後書きの部分だけでも読む価値はある。

ところで、21世紀になって、ブラウン管テレビは身の回りからすっかり姿を消してしまった。かわりとなったフラットディスプレイ群は、教育的観点からはブラウン管テレビの代替にはならない気がする。ゴキブリの孵卵器になるという点では、デスクトップPCかなという気もするのだけれど、たしかにハードディスクやDVDまで分解すれば、それなりに拡がった科学分野に触れられるけれども、なんか今ひとつ感がある。21世紀のロウソク、何か良い物は存在するだろうか?


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by ZAM20F2 | 2015-06-09 21:58 | 文系 | Comments(0)
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