流れる固体(その2)

本の目次をめくってみるとはじめにとおわりにに挟まれた第1章から第9章まで順を追って、当たり前な固体や液体から、当たり前ではないようなものへと話が進んでいく。それぞれに副題が付いているので、何となくだけれども、内容は想像出来るようになっている。

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はじめに -ものの流れと変形-
1,曲げた棒はなぜもどるか -弾性の話-
2,ゴムはなぜあんなに伸びるのか -ゴムの弾性は気体の圧力に似ている-
3,かきまわした水はなぜとまるか -粘性の話-
4,おかしな流れのいろいろ -振ると「とける」液体、「成型」できる液体、ひび割れする液体-
5,流れる固体 -氷河は流れる、「岩」も流れる-
6,弾性のある液体の話 -はねもどる液体、糸をひく液体、はい上がる液体-
7バネとピストンの仕掛け -模型で考えるのは便利なことだ-
8絹糸はどうしてできるか -蚕は糸を吐くのではなくて、引きだすのだ。クモの糸も同じ-
9,粘液は何のためにあるのか  -卵の白身は黄身のゆりかご-
おわりに -レオロジーとは何か-
あとがき -おとなの読者へ-

はじめにの部分では著者がレオロジーの研究を始めたきっかけが語られているのだけれど、そこに出てくる学生時代の実験装置は興味深いものだ。錘と円盤で引き上げ速度を調整出来るようにしている。
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今だと、電子仕掛けのめんどくさい構造になりそうだけれども、下手な電気仕掛けよりは、よっぽどスムーズな動きで速度の調整も容易だろうと思う。多分、こうした工夫が日本の工業製品の改善にも寄与していたのだろうと思う。

本文にはいると、バネの話から始まり、
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少しばかり怪しげな、弾性の微視的な起源をへて、
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実験も含めたゴム弾性の話へと続いていく。
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この実験など、家庭でも十分に出来るもので、写真で見せるのはなかなかよいことだろうと思う。
ゴム弾性については研究の歴史も紹介しながら
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な図や
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な図を使って説明していく。
知ったかぶり系解説だと「エントロピー弾性」なんて言葉を出してそれで終わりにしてしまうわけだけれど、そんな言葉を知ったからといって、本質が分かるわけではなく、この本の丁寧さは、きちんとした説明に必要なものだと思う。
ここまでで弾性の話を一区切りして
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粘性の話へと続いていく。

それにしても、この本、本文中の写真と図も優れている。
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by ZAM20F2 | 2015-07-17 21:11 | 文系 | Comments(7)
Commented by おもしろ!ふしぎ?実験隊 at 2015-08-14 21:47 x
お久しぶりです!1970年代に、この「のびたゴムに熱湯をかける実験」を紹介しているのですね。それが知れて、感激です。もしかして?見ていただいているのかわかりませんが、私のブログでも、動画を紹介しています。
実験教室でも、子供たちに見せているのですが、最近プラスチックの実験をしていて、以前ゴムの実験に参加した子が、のびたプラスチックに熱を加えると縮む(プラバンの原理)を紹介したら、「ゴムと一緒だ!」と言ってくれて、感激してしまいました。エントロピーなんて難しいことを言わなくても、イメージでわかる子供もいるんだなと、思った出来事でした。
ご紹介の本、読んでみたいです。
Commented by ZAM20F2 at 2015-08-15 17:03
> おもしろ!ふしぎ?実験隊さん
ゴムにお湯をかけて縮む実験の他、ゴムをしばらく伸ばしたままにして(伸ばした状態で室温になるまで待つ)急に戻した時の温度変化を戻したゴムを唇にあてて感じるというのも、ゴムのよくある実験ですよね。
この本は、そんなに人気がないのか古本屋でも高くはありませんが、出てくることは少ないように思います。筑波大の図書館にはあるみたいですが、見つからないようでしたら、お貸しできますので、非公開コメントでご連絡下さい。
Commented by おもしろ!ふしぎ?実験隊 at 2015-08-15 20:25 x
早速情報、ありがとうございます。筑波大には、来週いくので、探してみます。うまくいかない場合は、またコメントしますので、お願い致します。
この実験は、普通のゴムより、ペンシルバルーンが良いです。500mLのペットボトルに水をいれて吊るしてのばすといいですよ。夏より、冬の方がやり良いです。あんまり寒くても、良くないですが。水飴だったり、ガラスだったり!(^-^)
Commented by おもしろ!ふしぎ?実験隊 at 2015-08-29 14:48 x
先日は、情報ありがとうございました。筑波大で、コピーできそうです。まずは、図書館で、じっくり眺めてみます。
Commented by おもしろ!ふしぎ?実験隊 at 2015-09-22 09:01 x
いまさらですが、間違っていたところがあったので、コメントさせていただきます。
私の最初のコメントの、「プラバンの原理と、のびたゴムにお湯をかけて縮むことが同じだ」と書いたのは、間違っていますね。これがあって、その後、「まちがっているのだけれど」というアップがあったのかな?とも思いました。コメント欄で煩わせて、申し訳ないのですが、一応お伝えしておきました。
Commented by ZAM20F2 at 2015-09-22 10:44
> おもしろ!ふしぎ?実験隊さん
間違っているのだけれどのエントリーは文字通りテレビを見てのものですので、ご安心(?)ください。「プラバンと伸びたゴム」は全然気がついていませんでした。言われて見れば、プラバンはガラス転移の話ですし、ゴムにお湯は、ゴム状態でガラス転移は関係ありませんから、確かに別の話ですね。
間違っているのだけれどの後半部分は、(すでに昔に書いてると思いますが)大昔に小学生に液体窒素でゴムを固める実験をやってみせようかと考えてたら、そこの小学校の先生から「その実験は科学館で見せてもらったことがある。その場で子どもは目をきらきらと輝かせて、やってる方としては、子どもを科学好きにしてるつもりなんだろうけれど、学校に戻ってくると、習っている理科が科学館の実験のように面白くないので、集中せずに結果として理科が身につかなくなる。もっと、学校でその年齢で習っていることに興味を持つような事をやってくれ」と正面からだめ出しをされた経験からのものです。この先生自身は元は社会の先生ですが、理科の実験も好きで、授業を拝見すると自分でも工夫して実験しながら授業をされていて、その先生からの意見なので非常に重く受け取っています。
Commented by おもしろ!ふしぎ?実験隊 at 2015-09-23 12:57 x
お返事ありがとうございます。小学校によくいくのですが、授業と出前実験の違いを感じることがあります。以前は、授業の様なきっちりしたことをできないもどかしさ・未熟さを感じることがあったのですが、最近は先生方の毎日の授業の大切さ大変さも分かった上で、出前実験ならではの大事さもあると思ってきました。どちらにしても、学校の先生であっても、出前の先生であっても、やっている人の誠実さが現れるのだと思います。
今回の「間違っているのだけど」を読ませていただいて、私の解釈は違っていたのかもしれないけど、わたしがそうとらえたのには、わたしなりの未熟さをまだ自分が感じたわけなので、これからも、勉強させていただきながら、精進したいと思いました。
以前、中学から来られた社会の先生が、6年生の担任をされていて、「理科の授業は実験をしたら子供達の興味を引けるんだけど、社会は難しいんですよね」と言われたことがありました。色々現場は大変なんでしょうね。
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