タングステンランプは無用の長物か(II)

だいぶ昔の「タングステンランプは無用の長物か」というエントリーでは、回折格子を通して見た光源のスペクトルと、宝石の色味の変化を示したのだけれど、430nmから10nm刻みのフィルターセットが手に入ったので、フィルターセットで同じ事をやってみようかと思い立った。
最初の2つはタングステンフィラメントの電球。
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上はダイクロイックミラーのついたハロゲンランプで、下は写真用の白色の150Wランプ。
右下が430nmで左に行くと、440nm、450nmと変化していく。2段目は左端が490nmで、右端が550nm。
3段目は右端が560nmで左端が610nm。上段は左端の620nmから始まって最後が680nmだ。
分光測定の光源に使う時はハロゲンランプは、350nmくらいまで頑張れば使えるのだけれど、この写真では430nmはかなり暗い。もっとも、タングステン系ランプで放射があるはずの、660~680nmも随分と暗いので、光源だけでなく、カメラ側の感度の問題なのかもしれない。続いて、LEDランプ。
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一番上は、高演色性のLEDランプ。真ん中は、タマムシの撮影に用いた湾曲ライトセーバ。下はLED懐中電灯だ。
下2つから話をすると、真ん中のライトセーバは、440nmが明るい一方で、480nmと490nmがやたら暗い。白色LEDのスペクトルは短波長側と長波長に山があり、途中に落ち込んでいる部分があるのだけれど、それがここに対応している。もし、この色を特異的に反射する虫がいたら(モルフォなんかどうだろう)、このLEDを撮影光源に使うとかなり悲惨なことになるだろう。
下の懐中電灯は、450nmが一番明るい。同じ白色LEdといっても、ものにより差があるわけだ。そして、こちらの方が490nm付近の落ち込みも少ないようだ。
下2つに比べると、一番上の高演色LEDは440から450nmが目立って明るくなることなく、490nmあたりも、500nmが少し暗いかなぐらいで大きな落ち込みはない。また、赤い方も650nmまではきちんと出ている。とはいえ、タングステン系のランプに比べると凸凹はある見たいで、下から3列目の右から2こめ、570nmから580nmが少し強度が弱くなっている気がする。
最後は蛍光灯2種類。
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上は前回のタマムシ撮影に用いた写真屋の蛍光灯。下は普通の照明用白色蛍光灯である。
両者に共通して目立つのは540nmの緑と、610nmの赤の明るさ。逆に赤い方は630nm以降はほとんど光がないし、また、560nm辺りも、妙に光強度が弱い。それから、写真用の方は430nmが割と出ているように見える。
スペクトルの図や前回みたいな回折格子を通した像でもいいのだけれど、こうしてフィルターを通してみると、より感覚的に、タングステンランプの光の素直さが認識できる気がした。

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by ZAM20F2 | 2015-11-01 13:14 | 科学系 | Comments(0)
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