僕らの理科実験(I)

子供の科学文庫の一冊としてやってきた本は「僕らの理科実験」である。先日掲載した「こどもの地震学」のようにはおどろおどろしくないものであった。
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「こどもの地震学」が対象読者として中学生から高校生を想定している気がするのに対して、こちらの本はより低学年、小学校上級程度を対象にしている気がする。「僕ら」が「ぼくら」になって対象年齢が上がったのはちょっと逆の気もしてしまうけれど、これが、比較した2冊の本に限られた話か、シリーズを通してかは現時点ではよく分からない。


さて、子供の実験に関する本は、これまでもいくつか紹介してきた。それらは大きく二つのパターンに分けられるもので、一つは、いろいろな実験を寄せ集めたもの。たとえば、「化学実験と化学遊戯」
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では、絵の具を使った
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と言ったような単発の実験ネタが並んでいる。その背景にある現象までは踏み込めないあたりは、現在の子供向け科学教室と似てるかなという気もしてしまうのだけれど、何をやるかが分からない者にとっては有り難い方向性だ。

一方、日本児童文庫の「たのしい科学の実験」

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では、浮力などについて大きなまとまりがあり、その中で個別の実験を行うようになっている。
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中には密度表のように独立にも役立つものもはいっている。

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また、「実験と応用」
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でも、関連する知識を説明して、その上での実験を提示する形になっている。この本に出て来るガソリンがらみの話では、
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ガソリンスタンドの様子を交えながら(和服のスタンド嬢がいたというのは、なかなかインパクトがある)
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、エンジンでのガソリンの燃焼などを経て、ガソリンを燃やす実験へと繋がっている。
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その上でガソリンを使った実験の話が出てくる。
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それにしても水面上で燃えるガソリンに指を突っ込んでロウソクのようにする実験、今だったら絶対に本には出来ないだろうと思う。
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こちらのタイプの本は、書かれている実験の種類は少ないけれども、その背景知識も含めて得られるというスタイルである。

これらの本に対して、「僕らの理科実験」は、「実験の際の心構へ」という、研究の内容ではなく、実験上の注意事項から始まっている。特に頁を割いているのが事故に関する事柄である。
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まあ、実験と応用のガソリンの実験も、一歩間違えば大惨事であるし、子供は爆発物なんかが好きだから、色々な事故も起こっていたであろうことを考えると、当然のことではあるかもしれない(そういえば、「楽しい科学」のロケットの回でも、最後に大学の先生が出てきて、子供がロケット遊びで怪我をする話をして、勝手に実験しないで、学校の勉強をして将来につなげてね、という話をしていた)。

では、次の章から具体的な実験に移るのかと思うと、メスシリンダーの読み方から、目盛りの付け方(目盛りの付け方にはフッ酸まで出てきてしまうのだけれど)などの話が展開し、その後もバーナーの構造やガラス細工など、実に、実験技術に関する話に終始している。どちらかというと、「化学実験の基礎技術と、実験器具の作製法」というタイトルがふさわしそうな内容になっている。

なかなか意表をついた方向性で、実験内容については、学校の先生と相談して決めてねというあたりで、さらっと片付けられてしまっているのだ。

確かに、今みたいにホームセンターで実験器具を売っているわけはなく(そういえば、子供の頃はホームセンターもハンズも無かったけれど、試験管やらアルコールランプは何処で買っていたのか不思議に思えてきた。科学教材社はもっと電気よりの品が中心だったはずで、デパートには子供実験品を一部はうっていた記憶もあるけれども、確か子供実験用の薬品を売っている店まで自転車で買いに行った記憶があるがどこだったのだろう??)、作るところから必要だったのは分からないでもない。

山北藤一郎さんの本を見て、モーターやら模型を作っていた人々は都市部にはいたようだけれど、この本を読んで自分の実験机を作っちゃった子供がどのくらいいたのか、そして、どの後にどのように大きくなったのか、知りたいところだ。


えっ、理科実験の中身の写真がないって。……はい、いろいろあるので、そのあたりは次ぎに。


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by ZAM20F2 | 2016-02-07 21:16 | 科学系 | Comments(0)
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