炭酸カルシウムと二酸化ケイ素

MWSさんの微化石プレパラート
c0164709_09213567.jpg

ちり一つない状態でやってくるので、暗視野で見ても
c0164709_09220455.jpg

ご覧の通り。ついでに、偏光クロスニコルだと
c0164709_09222071.jpg

暗視野とは随分と異なった画像になる。
偏光で明るくなるのは炭酸カルシウム系のもの。暗視野で輪郭のみで暗くなるのは、光の波長より大きいレベルで構造が均一になっていて、形状も平面的で散乱が少ないものだと思う。有孔虫も内部輪郭以外は散乱が少ない印象がある。クロスニコル下で複屈折があるので、これらは基本的には結晶性だろうと思う。非晶でも原子の配列に方向性があれば、複屈折は生じるだろうけれども、普通に考えると、そんなことはありそうにない。一方、二酸化珪素の骨格は複屈折がない。二酸化珪素でも結晶だと複屈折があるから、これらは基本的に非晶性なのだろうと思う。

結晶と非結晶の違いが、これらの物質の特性によるのか(非晶の炭酸カルシウムなんてあんまり聞いた気がしないが、二酸化珪素は結晶にも非晶にもなる)、生物がこれらを固定するプロセスによるのかは知らないけれども、特に二酸化珪素の方は、高融点の物質であるだけに、室温程度の環境で(ゾルゲル法なんてのはあるけれど、それでも生物が生きていけない程度の高温での焼成が必要だと思う)形成するのは不思議なところだ。
ところで、炭酸カルシウム系のもの、貝形虫だと偏光顕微鏡のステージを回転しても均一に暗くなる状態を作り出せない。
c0164709_09482300.jpg

c0164709_09482692.jpg

c0164709_09475373.jpg

一方、マナマコの方は、ある角度で、骨片全体が消光する。
c0164709_09482814.jpg

c0164709_09484372.jpg

c0164709_09484827.jpg

クルマナマコはステージを回転しても見た目は変わらないのだけれど、コノスコープ観察をすると、光軸がガラス面に垂直(顕微鏡の光軸に平行)であることが分かる。
これらの観察結果からマナマコでは光軸が面内にある単結晶で、クルマナマコは光軸が垂直方向にある単結晶と言いたくなるのだけれども、これらの骨片の形は、普通の結晶成長の話から言うとあり得ないものだ。結晶の平衡形状は、それぞれの結晶面の表面エネルギーの違いにより定まっているとされていたと思う。そこからすると、結晶面を無視している、あんな曲線形状はありえない。それ以上に、穴を開けて表面積を増やすなんてことはあり得ない。もちろん、多結晶集合体だったら、全体がどんな形状になっていても、構成する微結晶が物理化学的に問題のない形状だったら文句はないのだけれども、光学的に均一な構造体があんな形状になられると、途方にくれてしまう。


[PR]
by ZAM20F2 | 2017-01-08 09:58 | 科学系 | Comments(0)
<< はずれ クモユニ >>