ezSpectra 815Vの透過測定と検出器飽和

ezSpectra 815Vの透過測定モードでは、最初に参照信号を測定して、その後に試料の信号を測定する。これは、シングルビームの分光測定では普通のやり方だ。

ezSpectra815Vの測定範囲は320nmからのはずなんだけれど、参照信号の測定をすると信号強度が弱い領域にアミがかかって、その領域は測定対象外となる。これは自動設定で、現状では、S/Nが悪くてもスペクトルを見たいというわがままは許されない。

ハロゲンランプを光源に使って、黄色フィルターのスペクトル測定を行った。黄色フィルターは、20世紀の白黒写真が普通だった頃に、空に浮かぶ雲をハッキリと撮影するのに使われていた品だ。だいたい500nmより短波長の光を吸収して、長波長側はほぼ透過する。

参照信号の測定時間を自動調整にした状態で、測定範囲は415nmからになる。透過モードでは参照信号を記録できないので、発光測定モードで測定した参照信号を規格化しないで表示している。
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測定結果を見ると、吸収の最大が1.6程度なんだけれど、黄色フィルターだったら余裕で2は超えて3以上にはなってほしいところだ。短波長側の参照光強度をあげれば状況が改善するかなと、長波長側がオーバーフローするまで積算時間を上げて、スペクトル測定を行ってみた。
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短波長側の測定範囲は400nmより短波長になったけれど、スペクトル形状はあまり変わっていない。全うに測定できている。そこで調子にのって、さらに積算時間を上げて測定すると、さらに短波長まで測定できた。
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でも、650~700nm付近がへこんでしまってまともにスペクトルになっていない。これは、この領域で検出器の信号が飽和してしまっているためだ。

自動設定の参照信号を見ると、この領域よりさらに長波長の方が信号強度が高い。このため、飽和は長波長側から起こりそうなものだけれど、表示されているのは生の信号強度ではなく波長ごとの感度補正を行ったデータであり、生データは650~700nmあたりから飽和していておかしくない。生の信号強度を表示するモードがあれば、飽和しているかとか、どの波長が飽和しそうかなどが一目瞭然なので、生の信号強度が見られるモードがあると、透過測定にはありがたいところだ。

今回の参照光の波長分布では650~700nmあたりが最初に飽和するであろうことは、浜松ホトニクスのカタログから、ざっくりとは確認できる。それは、改めて。

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by ZAM20F2 | 2017-06-20 21:26 | 科学系 | Comments(0)
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