ezSpectra 815Vの偏光依存性(II)

少し前のエントリーでezSpectra 815Vの感度分布は偏光方向により異なることを紹介した。その時には液晶ディスプレイの測定例を紹介したのだけれど、それでは元のスペクトルが不明なので、改めて無偏光と思われる光源と偏光子の組みあわせでの評価をおこなった。光源はハロゲンランプだけれども、赤外側が強くなりすぎるので熱線吸収と、色温度変換フィルタを入れて、長波長側を押さえている。そのためか、ハロゲン光の演色性が90という値になってしまっている。

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この測定では偏光子の透過スペクトルが問題となる。偏光子はニュートラルグレー(総ての波長の透過率が同じ)であることが望ましいのだけれど、実際の偏光子には透過率の波長分布がある。今回用いた偏光子のスペクトルは評価していないけれども、そのへんに転がっていえる中では、ニュートラル性の強い偏光子を使っているつもりでいる。

まず、偏光は短辺に平行と長辺に平行、および45度で入れている。スリットは短辺に平行に設置されているので、回折格子の溝は短辺に平行なはずである。すると、短辺に平行な偏光は溝に平行な偏光、長辺に平行な偏光は溝に垂直な偏光になる。

スペクトルは、高さが同じになるように、露光時間を変えている。偏光子なしが83ms、垂直が148ms、平行が331ms、45度が257msで、垂直の方が格子の回折効率が高いようだ。
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平行偏光の方は短波長が強く長波長が弱くなっているのに対して、垂直偏光は長波長が強くなっている。測定された色温度の値も両者で大きく異なっている。
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偏光子を45度にすると、2つの偏光方向の効果が相殺されて、元のスペクトルと類似した形状となる。色温度も、大きくはずれていない。

元のスペクトルからの変化をより明確に見えるように、元のスペクトルで、それぞれのスペクトルを割ってみた。
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何れのデータも400nmより短波長で妙な形になっているけれども、これは、元のスペクトル強度が弱いことや偏光子の問題が重なっている可能性がある。

45度のデータは真っ平らにはなっていない。これは、偏光子の特性由来か、角度が正確に設置出来ていないためだろうと思う。

幾つかの細かい問題はあるけれども、大枠として、入射偏光が45度方向になるように設置すれば、可視領域のスペクトルを大きく見誤ることはないだろう。


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by ZAM20F2 | 2017-07-01 19:12 | 科学系 | Comments(0)
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