夏休みの工作:ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(I)

夏休みの宿題の双璧と言えば自由研究と工作だ。自由研究だけでは片手落ちになるので、工作もやることにした。作るものは、ezSpectra 815Vを使った分光光度計。
分光光度計は、溶液などのスペクトルを測定する装置。光路が1cmのガラスの容器(キュベット)に入れた溶液のスペクトルを測定する装置で、普通の市販品は190nmから800nm程度の範囲、検出器を2種類持っているやつは、190nm~2500nm程度の範囲のスペクトル測定が可能だ。市販の装置では2種類の光源を使っていて、紫外領域は重水素ランプ、可視から近赤外はハロゲンランプを使っている。

知り合いの高等学校の課題研究なんかをみていると、分光光度計があったら、もっと、定量的なことができるのにと思うことがあるのだけれども、残念ながら多くの高等学校にあるのは、フィルターをつかって、可視領域の何点かで透過率が測定できる簡易的な装置で、出てくるデータも今ひとつの印象があった。分光光度計は、紫外から可視領域だけのものなら、測定装置としては高くない部類なのだけれども、それでも、高等学校で買い込むには、高価だし、使い回しが効かない装置であるようだ。分光光度計よりは、色々と使えそうなUSB接続、ファイバー入力の分光器を紹介したこともあるけれども、やはりコストの面やら分光光度計的な使い方をするためのセットアップの困難さなどから導入には積極的にはなれないようだ。

ezSpectra 815Vは、価格がUSB接続ファイバー入力分光器の1/10程度で、単体でスペクトル評価ができるので、USB接続ファイバー入力分光器や分光光度計に比べると導入障壁は遙かに低いだろうと思う。さらに、可視領域限定でも、溶液の透過スペクトルを測定できるセットアップが簡単に作れることを示せたなら、導入に、より積極的になるのではないかと考えた。
これが、工作の前提。というわけで、

1,材料は(ezSpectra 815Vとキュベット以外は)普通に安価に買えるものを使う。
2,普通の高校生が活用できる工具のみを使う
3,測定波長域は可視光をカバー(400-700nm)を目標とする。
という3つの制限の中で工作を行うことにした。

とりあえず組み立ててみた試作0号。作る時には、色々と考えて工夫はしているのだけれども、実際に作ってみると抜けているところが色々と出てくる。逆に言えば、最初の試作は、凝った作りにするよりはザックリと作る方がよい。

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光源を点灯させると

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な感じだ。



下の板は6mm厚のシナ合板。250×300mmのものをピラニア鋸で250×100mmに切断した。ezSpectra 815Vの固定は10×25mmの角材で行っている。裏側と上(USB接続口のない方)は全面を押さえている。前面は下側に押さえがあり、この板が前面に出ているボルトの頭に接していて下側に抜けるのも防いでいる。あと、C12666MAの下に10mm角の材をレールとして取り付けているものも前面の押さえになっている。レールを作ったのは、その後の部品の設置を楽にするため。これは、光学系の組み立てでよく使う手法をまねたもの。
次回以降、各部品の紹介を行う。

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by ZAM20F2 | 2017-08-18 22:16 | 科学系 | Comments(0)
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