孔版原紙

元を正せば「刃物あそび」の「上質のはさみの衰退 三つ葉はさみの運命は?」という記事だった。国内製造の上質な鋏が作られなくなっているという話なんだけれど、こんな記事を読むと、三つ葉はさみがほしくなってしまう。

記事は2007年だから、どこかの売れ残りを確保するしかないわけで、Webをあさっていたら、1件は在庫を抱えているところを見つけた。のだけれど、ついでに、他のメーカーのゴムきり鋏にも目がいってしまい、やってくることになった品。
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文字も読まずに包装紙を開けかけて、紙の手触りに感じるところがあり、しげしげと眺めてみれば目に入ってきたのは謄写版の文字。
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これは、謄写版用の蝋引き原紙ではありませんか。本来の使用用途は謄写版の印刷マスターなのだけれども、蝋でコーティングされた薄手の紙なので、刃物や小さな機械部品の梱包にも、使われていたのを懐かしく思い出した。蝋引き原紙は、ポールペン原紙の出現で随分と衰退し、そして、ワープロの出現により、ほぼ絶滅した品。蝋引き原紙がいつまで供給されていたかは調べていないけれども、この鋏、数十年単位の在庫品だろうとは思う。

久しぶりに蝋引き原紙を見て、小学校の頃に、何故か、母が小型の謄写版セットを買ってくれたことを思い出した。頼んだ覚えはなく、何故買ってきたのかよく分からないのだけれど、あるいは、それで何かを刷るようになれば、少しは字がきれいになると考えたのかなという気もする。残念ながら、字はきれいにならなかったけれど、印刷物と印刷が好きになったのは確かだ。
謄写版は孔版印刷なんだけれど、穴を通してインクを出すという点では、インクジェットプリンタは現在の孔版印刷機(そしてレーザープリンターは平版印刷機)と言える気もしてきた。土星堂活版舎ほど、大げさにではなく、なんとか堂孔版舎でも名乗ってみようかしら。


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by ZAM20F2 | 2017-08-27 17:30 | 物系 | Comments(0)
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