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ezSpectra 815Vを用いた顕微分光測定

ここのところ、ezSpectra 815Vの記事がないのは、一通りは遊んで癖はだいたい分かった気になっていて、新しいことをしていないためだ。今後は、知り合いの学校の先生などに見せびらかして遊ぼうと思っているのだけれど、そうなると、ブログで情報が非系統的に上がっているよりは、どこかに、系統的に纏めて出しておいた方が良いような気もしている。
さて、新しいことはしていないけれど、大分前に偏光顕微鏡に取り付けて測定を行っていたので、その結果を出すことにする。
偏光顕微鏡は、有限系の古いもの。直焦点でCマウントが取り付けてあるところにmtテープでezSpectra 815Vを仮固定した。角度は検光子に対して45度程度にしている。なお、拡散板は非装着である。
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拡散板をつけていないのでベースのスペクトルはでこぼこがある。ベースのスペクトルは検光子固定で偏光子を90度回転している。350nmあたりが浮き上がっていないのは、顕微鏡には熱線カットフィルターがついていて、長波長側をカットしているためだと思う。

この状態で、λ/4板を測定した結果。
ezSpectra 815Vを用いた顕微分光測定_c0164709_09293315.gif

続いて鋭敏色板の測定結果。
ezSpectra 815Vを用いた顕微分光測定_c0164709_09293486.gif

両方とも凸凹していて、まともに測定できている気がしない。大昔にこの世代の顕微鏡筒で分光測定を試みた時は、顕微鏡鏡筒で何らかの干渉による凸凹がのって、それがベースと測定で割り切れずに、まともな測定ができなかった記憶がある。
今回は、割り切れないかなぁと思っていたのだけれど、透過測定モードにすると、結構まっとうなスペクトルが出てくる。
ezSpectra 815Vを用いた顕微分光測定_c0164709_09293322.gif

λ/4板の結果は、長波長にむけてなめらかに減少している。500-550nmの間の窪みは、測定上の問題なのだけれども、全体に、まあまあよく取れいているレベルだと思う。、

鋭敏色板は、もっともっともらしいスペクトルになっている。
ezSpectra 815Vを用いた顕微分光測定_c0164709_09293350.gif

鋭敏色の方は両端が100%を超えているけれども、これは、愛嬌というレベル。
by ZAM20F2 | 2017-10-09 09:34 | 科学系 | Comments(3)
Commented by 近くの人 at 2017-10-09 11:25 x
>350nmあたりが浮き上がっていないのは、

350nmあたりが浮き上がっていないのは偏光フィルタによりカットされたからで、700nm以降が浮き上がっていないのは断熱フィルタにより減光されているからという気がします。
Commented by ZAM20F2 at 2017-10-09 20:32
ご指摘のように偏光フィルターは400nm以下はカットしているのですが、815Vは、黄色のシャープカットフィルターをかけてもハロゲンランプで300nm台の迷光が出てしまいます。このような特性を示すので、長波長がカットされたために300nm台の迷光が減ったと判断しました。シリコンダイオードが近赤外の光に対する感度がよいため、そのあたりの光が迷光になると影響が大きいようです。
Commented by 近くの人 at 2017-10-09 21:39 x
ご教示頂きありがとうございます。なるほどそのように解釈するのですね。以前のエントリーのことを確かめずに一般論で書いてしまいました…。
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