SmAからSmCへの転移

この前のエントリーの写真はTBBAのN相からSmA相になりかけなのだけれど、
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こちらは、SmC相。ざらついた印象は、SmAよりはSmCに似ているような印象がある。この写真だけを見せられたら、ひょっとするとN相と判断するかもしれない。ただ、よく写真を眺めると横方向に走る細い線が何本かある。もし、N相なら、転傾であるけれども、こんな感じで真っ直ぐはいることは稀で、もっとうねるので、何かが違うという感じは受けると思う。SmAからの変化をみるべく、温度を変えた写真を何枚かお見せしよう。




まず、この写真
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これは、温度を一旦あげたもので、全面SmA相である。少し温度を下げると
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と左下の方が、組織がざらついてくる。このあたりはSmC相に入っていると思う。DOBAMBCの時にも記したと思うけれど、SmAからSmCは2次または1次転移だけれど、TBBAの場合もDOBAMBCと同様に2次か弱い1次転移でほぼ連続に動いているようだ。SmCになると、配向ベクトルは層法線から傾き、方向に自由度が出る。それが、界面との相互作用で局所的に様々な方向を向き(もちろん、チルト角が許す範囲で)、ざらざらしたテクスチャーを与えているようだ。もう少し温度を下げると
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全体がざらざらする。しかし、最初の写真のような筋は入っていない。もう一段温度を下げて
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ようやく筋が入った。これからすると、見えている筋は、所謂ジグザグ欠陥に相当する物であろうと判断できる。ジグザグ欠陥の詳細については、別途記すつもりだけれど、分子が層に対して傾いていくと、層の厚さが変化するために、層構造に歪みが生じる。その歪みを緩和すべく層が変形することにともなって生じる欠陥線である。
さらに温度を下げると
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と左下のほうから、再びのっぺりした、ただし、均一ではなく、複数の配向方向がある組織が出現した。写真を撮影したときには低温でSmCのC配向ベクトルの弾性定数が強くなったために界面よりC配向ベクトルの均一性が優先したかと思っていたけれど、多分、SmCから下の相に転移をした気がしてきた。さらに温度を下げると、最終的に
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といった状況になった。ジグザグ欠陥線も見えなくなっており、やはりSmCから下の相に変わっている可能性が高い。
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by zam20F2 | 2008-09-03 06:44 | 液晶系 | Comments(0)
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