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指紋状組織、ラセン周期の変化

doubletさんから「この紋様、ねじれですね。やはりねじれのキラリティは一様に同一なのでしょうか?」という質問がやってきた。コレステリック液晶はネマチック液晶と同じで、分子の重心位置には周期性がなく、流動性のある液体である。ネマチック液晶では分子の長軸(普通の液晶は細長い分子の集合体だ)の方向がだいたい揃っている。だいたい揃っていると言った意味は、地面から生えている雑草群のように平均して上下方向に茎が伸びているけれど、一本一本を見てみると、横に伸びているのもいるよねといった感じになっている状況だ。
コレステリック液晶は、名称がネマチック液晶と全然違っていて別の物であるような印象があるけれど、ネマチック液晶に不斉な分子が混ざったもの。すると、分子長軸の方向が捻れるようになる。雑草の例でいうなら、ある方向に地面が捻れたような状態だ。
ねじれの強さはねじれの元になっている分子の種類とその濃度に依存する。コレステロール誘導体のように、100%不斉分子なら、その種類によって、ねじれの強さが決まる。ここのところ写真を出しているFingerprint組織(指紋状組織)では、5CBという普通のネマチック液晶に、ある不斉分子を混ぜていて、その濃度によって、ねじれの強さが決まる。%程度のオーダーで混ぜている。相分離をせずに混ざっていると思うので、キラリティーは一様だと思う。一方、Ch-M/MBBAの一連の写真は、相分離を起こしているので、部分的にキラリティーが異なっているだろうと思う。
液晶は流動性があるので、普通は2枚のガラス板に挟む。この時ガラス板と液晶の界面で分子長軸が界面に平行だと、Oily StreakとかGrandjean組織が出現する。分子長軸を界面に垂直にすると、ラセン周期よりセルの厚さが薄い場合は界面の規制力で分子は均一に界面に垂直になり、クロスニコル下で暗視野になる。ラセン周期がセル厚より短い場合には、界面に平行な方向にラセン軸ができる。ラセン周期が対物レンズの分解能より短いと、ラセン構造由来の縞は見えずに、扇状組織が見える。しかし、分解能が勝ると縞構造が見えるようになる。
今回出しているFingerprint組織の写真は、もともとは装置のテストのために、周期構造を可視領域の短波長側から、近赤外まで変えた一連のテスト試料の残りを使ったもの。同倍率で撮影した一連の試料を並べてみると、ピッチが変わっていくのがよく分かる。下の写真はいずれも対物20倍、トランスファー2.5倍。上から下にいくほどピッチが伸びている。
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by zam20f2 | 2011-07-31 09:18 | 液晶系 | Comments(0)

Fingerprint texture

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対物40倍。黒い領域が見えなくなるあたりを、より高倍率で撮影したもの。
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by zam20f2 | 2011-07-29 06:41 | 液晶系 | Comments(0)

Fingerprint texture

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これも対物20倍。昨日と同じ試料で、少し厚くなったところを撮影している。下の、より厚い領域では黒い部分がほぼなくなっている。
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by zam20f2 | 2011-07-27 21:00 | 液晶系 | Comments(0)

Fingerprint texture

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これもFingerprint texture 日本語だと指紋状組織。対物は20倍で、昨日のよりは低倍率である。同じセル内だと思うけれど、場所は異なっている。
これは楔型セルで上の方がセル厚が薄い。セル厚がラセンピッチよりも薄くなってくると、界面で分子を垂直に立たせる力のほうが強くなり、螺旋をまかなくなる。一番上の黒い領域は螺旋がほどけて分子が垂直に配向している領域。セルが厚くなると螺旋を巻くようになるが、らせんで分子が基板に垂直なあたりは、暗いままとなる。ただし、その幅はせまくなっていき、セルが十分に厚いと黒いところは見えなくなる。この写真でも上よりは下の方が黒い領域の幅が減っているのが見える
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by zam20f2 | 2011-07-26 21:27 | 液晶系 | Comments(0)

Fingerprint texture

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対物レンズは40倍。随分と倍率をあげている。縞のなかの構造が見えて、その点ではおもしろいのだけれど、紋様という意味では低倍率の方がよいかもしれない。
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by zam20f2 | 2011-07-25 22:09 | 液晶系 | Comments(1)

2光束干渉レンズ

ここのところ有限系の2光束干渉レンズが、ネットオークションによく出てくる。どこかで大量に使っていたところが、機材更新でもかけたのではないかと思ってしまう。20倍は先日に入手したのだけれど、40倍が出ているとなると、つい…
撮影対象は半球状のゴム足、透明なやつ。普通の20倍で撮影すると
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これを先日の20倍DIレンズで撮影したのが
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そして今回の40倍
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なかなか、干渉縞が見えている。でも、等高線マップを描くには、きちんとステージの上下動と連動して撮影して処理をしないといけなそう。そうなるとビデオ入力の方がよさそうだ。
ところで、家で落射ユニットを取り付けるのが面倒だったので、某所の無限系の小型組み込みにつけてためしたら、干渉縞が観察できなかった。調整が悪かったのか、有限系のレンズを無限系につけてしまったために、球面収差が出て干渉縞が出なかったのかは、きちんと確認していない。それにしても、レンズが壊れているかと少し焦りましたとも。
※その後、もう少しチェックしたけれど、やはり鏡筒長不適合による球面収差が原因っぽい気がする。輪帯照明をすれば確認できるのだけれど、そこまで気力がない
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by zam20f2 | 2011-07-24 13:20 | 顕微系 | Comments(0)

MBBA/Ch-My

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この系、3月頃撮影した写真の在庫がまだあったりする。顕微鏡をおいてある部屋にはクーラーをつけてないので、閉店中だ。
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by zam20f2 | 2011-07-21 05:49 | 液晶系 | Comments(0)

Oily streaks and Grandjean steps

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対物20倍、トランスファー2.5倍
背景の色が緑っぽいので、ちょっとメロンのような印象がある。
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by zam20f2 | 2011-07-20 07:56 | 液晶系 | Comments(0)

Nematic Twist disclination

Nematic Twist disclination
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対物4倍、トランスファー2.5倍
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by zam20f2 | 2011-07-18 16:44 | 液晶系 | Comments(0)

スパチュラを削る (自宅でできる液晶観察:35)

液晶材料をセルに入れる時、室温で固体の物質の場合はセルをホットステージに載せて、等方相になる温度にしておき、そこにスパチュラで液晶を置く。すると、液晶は溶けて、毛細管現象でセルに吸い込まれていく。
この時、のせる液晶試料の量はかなり少ない。何しろ、セルの厚さは場合によると数ミクロンなのでセルサイズが1cm平方の場合は、mg程度以下で十分なのである。人によっては、針の先などで液晶の粉を拾うみたいだけれど、個人的にはスパチュラを使っている。のだけれど、普通のスパチュラは幅が広すぎて、使い勝手がよくない。
そこで、ヤスリで削って、細身にする。
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これは、もとのスパチュラと削ったスパチュラ
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尻尾のところを見ると、随分と努力した跡がみえると思う。
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頭の方も削っているけれど、角度がわるくてちょっと見にくいかもしれない。
削るのは普通の鉄鋼ヤスリを使って適当なサイズまで狭めて、後は、耐水ペーパーで傷を消していく。最近は、体だものなので、途中からミニルーターを使って、磨きをかけている。
結構、幅を狭くしてしまってよい。また、少し薄めにした方が使いやすいように思う。
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by zam20f2 | 2011-07-17 19:03 | 科学系 | Comments(0)