ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(II)

分光光度計の光源は一つ前のエントリーに印したように可視領域はハロゲンランプが普通だ。普通の電球は使っているとフィラメントから蒸発した金属が電球の内壁に付着して暗くなったりする。その点ハロゲンランプは光量やスペクトルの経時変化が少なく、分光光度計の光源として安心して使用できる。ハロゲンランプには100V点灯のものと、低電圧のものがあり、低電圧のものの方がフィラメントがコンパクトに巻いてあり、こちらが分光光度計の光源に使われている。ハロゲンの光は短波長側で急激に弱くなり、がんばっても350nm程度までが限界で、市販の分光光度計で紫外まで測定できるものは、そのあたりより短波長側の光源として重水素ランプを用いている。

ハロゲンランプは効率が高くはないので、一般照明用にはハロゲンではなくLEDが使われるようになったけれども、普通の白色LEDは青と黄色の光しか出ていないため、測定可能な波長範囲は広くない。紫励起で高演色のLEDを使えば、400~700nm程度まで対応できそうなものもありそうだけれど、今回は、昔ながらのタングステンフィラメントの電球を用いることにした。

当然のように、ハロゲンランプを用いることを考えて、懐中電灯用のハロゲンランプは入手したのだけれど、ソケットが入手できず、結果的に普通の懐中電灯の豆球で試してみることにした。

使ったのは2.5V0.3Aの探見球(タンケンキュウ)。ソケットの固定には、ナイロンクランプを使っている。これは、ホームセンターでソケットを物色している時に目についたもの。サイズ的にソケットを固定できそうだと買い込んだ。本来の用途はコードの結束固定。手で押さえてezSpectra 815Vの入射口と高さを合わせてみたら、2cmの台で良さそうだったので、1cmの板を2枚重ねている。固定のためにねじ込んだら、上の板が割れたのだけれど、止まっているので、そのまま使っている。作ってみたら、ナイロンクランプを回すと、フィラメントの位置が左右に移動するので、左右微調整に使えてなかなか良い感じだ。
ハロゲンランプでなくてもよいなら、100V点灯の小さめの電球も頭には浮かんだのだけれど、交流点灯だと光強度の揺れがあって、測定時間によっては、スペクトルが狂うので、直流点灯の方が都合がよい。それに、乾電池で動くようにしておけば、屋外でも使用可能になるので、より使える範囲が広くなる。
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探見球単体では光量が足りないので、集光の必要がある。分光器ではレンズ系による色収差を嫌い、反射光学系を使うのが基本だ。キュベットのサイズが1cm程度なので、小ぶりの集光系が必要になる。ミニマグライトの単4電池1本で点灯するタイプは、小ぶりの反射鏡があり魅力的なのだけれど、ちょっと特殊過ぎる印象がある。というか、光源として豆電球を使う小ぶりな懐中電灯を使うことを考えたのだけれど、その辺のホームセンターを探しても、そんなものは売っていない。もはや豆球ではなくLEDを使った品ばかりだった。その結果、懐中電灯の構造も光を反射鏡で整えるのではなく、LEDから前方にのみ出てきた光をレンズで整える形のものが多くなっている。また、反射鏡タイプでも、光源の位置が豆球のものとは異なってしまっている。

あきらめて、懐中電灯から取り出したレンズを使うことにした。使ったレンズは、ミクロワールドサービスさんの2015年11月23日の記事で紹介されているLED懐中電灯から抜き出したもの。

溝のある15mm角の材を向かい合わせに固定して、その溝でレンズを固定している。こちらは、上下の光路調整が可能で、ナイロンクランプの動きとあわせて、上下左右の調整ができるようになった。

豆電球とレンズの組み合わせで光量は十二分。色収差は……評価していないけれども、それなりに広い面積(といっても数ミリ角程度だが)の測定では、大きな影響はでないような印象だ。

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# by ZAM20F2 | 2017-08-19 18:42 | 科学系 | Comments(0)

夏休みの工作:ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(I)

夏休みの宿題の双璧と言えば自由研究と工作だ。自由研究だけでは片手落ちになるので、工作もやることにした。作るものは、ezSpectra 815Vを使った分光光度計。
分光光度計は、溶液などのスペクトルを測定する装置。光路が1cmのガラスの容器(キュベット)に入れた溶液のスペクトルを測定する装置で、普通の市販品は190nmから800nm程度の範囲、検出器を2種類持っているやつは、190nm~2500nm程度の範囲のスペクトル測定が可能だ。市販の装置では2種類の光源を使っていて、紫外領域は重水素ランプ、可視から近赤外はハロゲンランプを使っている。

知り合いの高等学校の課題研究なんかをみていると、分光光度計があったら、もっと、定量的なことができるのにと思うことがあるのだけれども、残念ながら多くの高等学校にあるのは、フィルターをつかって、可視領域の何点かで透過率が測定できる簡易的な装置で、出てくるデータも今ひとつの印象があった。分光光度計は、紫外から可視領域だけのものなら、測定装置としては高くない部類なのだけれども、それでも、高等学校で買い込むには、高価だし、使い回しが効かない装置であるようだ。分光光度計よりは、色々と使えそうなUSB接続、ファイバー入力の分光器を紹介したこともあるけれども、やはりコストの面やら分光光度計的な使い方をするためのセットアップの困難さなどから導入には積極的にはなれないようだ。

ezSpectra 815Vは、価格がUSB接続ファイバー入力分光器の1/10程度で、単体でスペクトル評価ができるので、USB接続ファイバー入力分光器や分光光度計に比べると導入障壁は遙かに低いだろうと思う。さらに、可視領域限定でも、溶液の透過スペクトルを測定できるセットアップが簡単に作れることを示せたなら、導入に、より積極的になるのではないかと考えた。
これが、工作の前提。というわけで、

1,材料は(ezSpectra 815Vとキュベット以外は)普通に安価に買えるものを使う。
2,普通の高校生が活用できる工具のみを使う
3,測定波長域は可視光をカバー(400-700nm)を目標とする。
という3つの制限の中で工作を行うことにした。

とりあえず組み立ててみた試作0号。作る時には、色々と考えて工夫はしているのだけれども、実際に作ってみると抜けているところが色々と出てくる。逆に言えば、最初の試作は、凝った作りにするよりはザックリと作る方がよい。

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光源を点灯させると

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な感じだ。



下の板は6mm厚のシナ合板。250×300mmのものをピラニア鋸で250×100mmに切断した。ezSpectra 815Vの固定は10×25mmの角材で行っている。裏側と上(USB接続口のない方)は全面を押さえている。前面は下側に押さえがあり、この板が前面に出ているボルトの頭に接していて下側に抜けるのも防いでいる。あと、C12666MAの下に10mm角の材をレールとして取り付けているものも前面の押さえになっている。レールを作ったのは、その後の部品の設置を楽にするため。これは、光学系の組み立てでよく使う手法をまねたもの。
次回以降、各部品の紹介を行う。

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# by ZAM20F2 | 2017-08-18 22:16 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの迷光(Ⅳ)

だいぶ前にezSpectra815Vの迷光を取り上げた時は、斜入射で回折格子の外側に当たった光線由来の迷光を取り上げた記憶があるのだけれど、光が無事に回折格子に当たった場合でも、散乱などで迷光となる成分がある。
それを確かめるべく、単色LEDを光源に迷光の評価を行ってみた。
LEDの光を入れて測定しただけでは、迷光が低くて確認しにくいので、フルスケールの50倍の強度を入れて、迷光レベルを確認している。
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見てみるとお、440nmの短波長側と、620nmや680nmの長波長の迷光が強くなっているように見える。ただ、ここで気をつけなければならないのは、同程度の散乱光が生じていても、検出素子の感度波長依存性により、信号強度として大きく出てしまう波長域と小さめに出てくる波長域が存在するであろうこと。ただし、検出器の感度分布に関しては公開されているデータはない。確かにC12666MAの感度分布についてはデータはあるけれども、これは回折格子の効率も含めた値で、検出素子単体のものではない。とりあえず、検出素子の材料が同じだったら、感度分布も大きくは違わないだろうと考え、浜松ホトニクスのアレイ検出素子のデータを参考にすることにした。一般にシリコン系の検出器は長波長側の感度が高く、短波長になるほど感度は低くなる。そのデータをもとに迷光の相対強度を評価すると、長波長側の光による信号はだいぶ低くなる。
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図を眺めていておもしろいのは490nmから550nmあたりで長波長側に出てくる迷光が見られないこと。効率が490nmで最大になっていることなどから、回折格子のブレーズ波長は500nm付近なんだろうなぁと思っているのだけれど、そのあたりは効率がよく、散乱が少ないということなのかなどと想像している。また、440nmは全体に迷光を引き起こすレベルが高いけれど、短波長ほど散乱が大きくなるというのは、割と一般的な傾向で、そのためかなぁなどとも感じている。ただし、短波長の光は、通常の照明では弱いため、迷光としては実際にはそれほど問題にならない気もする。

長波長側の680nmの光は短波長側に迷光を出しているけれども、特に半分の波長にピークを出現させてはいないので、回折格子の刻み線が1本おきに微妙にずれて、実質2倍周期になっているといった欠陥は存在していないようだ。




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# by ZAM20F2 | 2017-08-17 20:16 | 科学系 | Comments(0)

過剰な気もする

毎年夏の終わり頃に、西の方の島の踊をするイベントがある。駅前の整備のついでに、パイプ櫓を立てる穴も整備されていたらしく、手際よく提灯が並んでいる。
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提灯の脇に立っているのは、路面電車の接近時に人々に注意を促す人。
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工事期間中は見通しが悪くて、時に、工事の警備の人が整理に当たっていた。工事が終わって見通しが良くなったら、なぜか専属の警備の人がついて、路面電車がやってくる度に、人々を停めている。

いや、ここ、大昔から路面電車が通っていて、警備の人なんかいなくても、なんの問題もなく、人々は通っていたはずなんだけれど。なんで、今になって、警備の人を置くことにしたのだろうかと不思議になってしまっている。

確かに、耳栓して前もきちんと見ずに歩く人々が出てきて、路面電車が警笛をならすなんて場面にも行き会ったことはあるけれども、それは、耳栓している方に問題がある気がする。自己責任なんて都合のよい文言が行き渡っているのに、こういうところは過剰に安全確保が行われてしまうのはなぜなのだろう。



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# by ZAM20F2 | 2017-08-16 19:50 | 街角系 | Comments(2)

ないらしい

行き帰りに通りかかるお店、夜だけやっているレストランなんだけれど、デザートも自分のところで作っているみたいで、「洋ナシのタルトありマス(マスは□に斜め線の入った記号文字)」なんてのが書いてあったりする。ある日通りかかるとメロンパンの文字。随分と妙なものも作ってるんだなぁと通り過ぎたのだけれど、次の日に改めて見ると、ちょっと違う。
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思わず、カメラを持ち出しましたとも。


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# by ZAM20F2 | 2017-08-15 20:09 | 街角系 | Comments(0)

ezSectra 915Vの飽和感度を再確認する

ezSpectra 815Vの分光ユニットである浜松ホトニクスのC12666MAの分光特性は浜松ホトニクスのWebにあるのだけれども、楢ノ木技研さんのツイッターに、浜松ホトニクスのWebのデータは実測と合わないという話が出ていたらしい。

だいぶ前に、飽和値の見積もりをやった時は、浜松ホトニクスの図をもとに見積もりを行ったのだけれど、感度分布が違うとなると、見積もりにずれがあることになる。というわけで、再度チェックすることにした。

前回は平らなスペクトルで見積もりを行ったけれど、見積もり精度を上げるためには、単色光に近い方が望ましい。単色光源があるかというと、さらに昔に出した、干渉フィルターセットが手元にある。

楢ノ木技研さんのデータと浜松ホトニクスのデータを比べると、両方とも490nmあたりが最高感度で一致しているけれど、600nm付近の感度は、楢ノ木データの方がかなり高くなっている。そこで、490nmと600nmの2波長で比較することにした。
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まず、それぞれの生データ。同じ露光時間で、同程度の値になるように、ハロゲンの電圧を調整している。これを基準値にして、露光時間を上げていって、どこで飽和が起こるかを見ることにした。

490nmで露光時間を上げていった時のスペクトル変化を示す。
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露光時間が増えると、スペクトルがひずんでいるのが分かる。スペクトルの歪みはじめが、感度飽和なのだけれど、出始めは見にくい。そこで、すべてのスペクトルを最大値を1に規格化して(というか、ezSpctraの規格化を使った)、そして、基準値との差分をとってみた。
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14msでは差はないが、15msで変化が始まっている。
基準とした13msの最大値は0.96。これを基準に、14msの時の最大値を求めると、1.04、15msでは1.11となる。前は15~20%で飽和すると印したけれど、どうやら、最大値の10%増しで飽和してしまうようだ。

続いて600nm。こちらも、元のスペクトルと13msを基準にとった差分を示した。
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差分を見ると16msから飽和が始まっている。13msの最大値が0.97。14msで1.05、15msで1.12。16msで1.2となる。飽和値のレベルから、490nmと600nmの感度を比較すると、1.11/1.2=0.93で、600nmの感度は490nm感度の0.93倍程度と推定できる。

前に示した浜松ホトニクスの感度分布では600nmの感度は490nmの0.74倍程度。一方、楢ノ木技研さんのデータだと0.94~0.95倍程度。楢ノ木技研さんのデータより少し低いが、浜松ホトニクスのデータからは大きくずれた結果となった。

というわけで、分かったことをまとめると、
1,ezSpectra 815Vの最大値は最高感度の波長(490nm)に対して10%程度の余裕を見て設定されている。
2,浜松ホトニクスのWebにあるC12666MAの感度データは、現物とかなり違っている可能性が高い。

で、感度分布を自分で確かめたくなったら、単色光源を用意できれば、今回みたいな飽和強度測定で、どうにかなるだろうと思う。



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# by ZAM20F2 | 2017-08-14 13:47 | 科学系 | Comments(0)

自由研究実施中

世間的には里帰りや行楽の時期なんだけれども、帰る先がなく、この混雑期に行楽に行く気力もないので、家で夏休みの自由研究をすることにした。
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久しぶりに、ホットステージをセットアップし、眺めているのは液晶の相転移。
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前にもざっくりと紹介したけれど、ホットステージ本体は数千円の下の方、コントローラも福沢さん1~2枚でどうにかなる。
観察しているのは、大昔から知られた品なんだけれど、でも、眺めていて不思議になる。

話は変わるけれど、接眼鏡筒はステージの手前側にセットされている。研究用の顕微鏡では普通のセットアップなんだけれど、今朝方見たテレビの棒SSH高では、接眼鏡筒が鏡基側にセットされていた気がする。勝手な印象だけれど、中・高の先生の中には昔の顕微鏡の図に引きずられていて、鏡基側から観察するセットアップにしている人が、ある割合でいるような気がする。

さらに話が変わると……今朝方見たテレビでは、相対性理論の提唱者の名を使った科学教室の人が子供に見せる科学実験として、室内で雨を降らせると称して、液体窒素をスタジオで吹き上げさせて、雨と称する液体を(わずかに)降らせていた。でも、私のみるところ、あれは、水じゃなくて、液体窒素。そもそも、数mの高さで、それもすぐに蒸発する微小な水滴をつくって、それが、瞬間に合体して目に見えるサイズで落ちてくるはずがない。蒸発し損ねた液体窒素が落ちてくると考えるのが素直な解釈だ。
前にも書いたけれど、小学生に液体窒素を使った実験を見せる行為は、子供の学習への意欲を削ぎかねない行為だ。それを、やってみせて、しかも現象の解釈が正しくないわけで、この科学教室、かなりだめというのが個人的判断だ。


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# by ZAM20F2 | 2017-08-13 13:18 | 顕微系 | Comments(0)

亀に悪い

頭の格好を変えてくれる学習塾の広告、これまでは、問題を眺めていて、ほんとにこの問題で良いのかなぁと感じる時に取上げてきたんだけれど、今回の問題は悪くない、というか結構気に入っている。
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亀の雌雄が孵化までの温度で決るという話の上で、1問目はデータを元に、何度が雌雄の境界になっているかを問う設問
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2問目は本土と沖縄で、沖縄の方が雄が多い理由を尋ねる問題である。

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データを眺めると、高温側で一旦雌の割合が増加した後に、割合0に戻って、その後で1へとジャンプする。

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1問目に関しては、与えられたデータをどのように読込むかが問われているし、2問目は、沖縄の方が平均気温が高いという知識と、珊瑚が炭酸カルシウムで出来ているという知識、そして、炭酸カルシウムは近赤外まで含めて透明な物質で珊瑚の砂は太陽光を吸収しにくいという知識、さらに本州の砂浜は、経験的に、白砂は少ないという知識を組合わせて答を出す必要がある。

データの読込みや、経験も含めた知識の統合がきちんとした回答には必要で、これは、なかなかの良問だと思う。というわけで、学習塾の回答を見てみると

問1の回答は29.3℃、問2の回答はサンゴ砂は白いので日光を反射しやすく、砂浜の温度が高くなりにくいから。

となっている。この回答……………、私が採点者だったら、かなり点は低い。というか不合格。

元のブラフを見ると、確かに、29.4℃以上では雌比率は1に近いけれども、29.8℃は0.84程度。一方、割合が0で無くなるのは28.1℃の0.1、28.3℃の0.35。その後、28.9℃が0.1で29.0℃で一旦0になるのだけれど、境界が29.3℃というと、28.3℃の0.35は説明つかなくなる。そうなると、29℃付近で一旦低下するのが、測定ミスなのか、意味があるのかも分らないし、28℃後半と29℃前半のデータの欠落も気になる。というわけで、1の回答は、データ欠落があり、不確定要素もあるが、29℃付近で雌雄の決定確率が半々程度になると予想される。というのが、とりあえずの回答になる。でも、さらに考え出すと、砂の温度は日中と夜間で異なるはず。沖縄の方が平均気温が高いであろうことを考えると、夜間(少なくとも明け方)の砂の温度は、沖縄の方が高いと期待できるだろうと思う。こうなると、砂の温度は、平均温度なのが、それとも最高温度なのかが気になってくる。さらに言えば、孵化寸前では、雌雄は決定しているだろうから、卵の成長のある時点での話になるのだけれど、そのタイミングが昼か夜でも変るんじゃないかという気分になってくる。

こうなると、設問の設定が不充分だねというのが結論だ。悪くない問題なんだけれど、詰めがあまい。

問2に関しては、白いので反射しやすくというより、透明なので光吸収が少なくというべきだけれども、それでも上に上げたように夜間温度の問題もあるし、前段として沖縄の方が本州より平均気温が高いと思いたいので、

「本州より緯度が低いため、平均気温は高いと考えられるが、炭酸カルシウムの太陽光吸収量が本州の平均的な砂より小さいために、日中の温度上昇が低いことが寄与していると予想される」というぐらいになりそうな気がする。

ところで、実際に海亀の雌雄が何度で決るのかをWebで調べていたら、温暖化の影響で雌比率が上昇すると、絶滅するのではないかと危惧する人々のWebにも行きあった。

いや、でも、少なくとも海亀の人たちは、ほんの7000年前の縄文海進も経験して、まだ、この島国のあたりにいてくれるわけで、温度が上がったら、その分、産卵域を北方にのばすのではないかという気がするんだけれど。絶滅を気にするのは、亀の能力を低く見た人類のおごりのような気もする……


などと書いていて思い出したのは、中学生の頃に、「今度氷河期が来たら、生残る生物はどのようなものか」という問題に対して、授業中には、ほ乳類は鳥類のような恒温動物で、は虫類は両生類は生残れないだろうと教わっていたにもかかわらず、発作的にひらめいて「これまで何度も氷河期を乗越えて現在の生物がいるので、次回も、大体全部生残る」と書いて×をつけられたこと。未だに腑に落ちていない。



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# by ZAM20F2 | 2017-08-12 07:50 | 文系 | Comments(0)

挙動不審……

電車の液晶ディスプレイの様子がおかしい。
白表示だと、余り目立たないし
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黒表示でもあまり目立たないのだけれど
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中間調だと、文様が出現してしまう。
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これは……、どう見てもパネルの劣化。思わず、劣化見本の写真を得るべく、一心に画面を撮影した訳だけれども、端から見ると、かなり挙動不審のやつだっただろうと思う。



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# by ZAM20F2 | 2017-08-08 21:28 | 液晶系 | Comments(0)

そんなに簡単ではない

ミクロワールドサービスさんの、本日の画像で、レイメイ藤井のRXT203を使った顕微鏡写真が掲載されている。まねをしたくなったのだけれど、同じようなものを撮影したのでは、腕の鎖が歴然としてしまうので、掲載されていないようなもの…と考えて、液晶ディスプレイを拡大することにした。

ミクロワールドさんのサイトには、簡単にできそうに書いてあるのだけれど……やってみると、とにかく、ぶれてしまってまともな画像が得られない。RXT203の上にカメラを安定しておくのも結構大変でピント合わせがしにくいし、それ以上にシャッターを押す動作によりぶれまくる。ずいぶんとなれてきたはずの1枚でも使いものにならないような画像だ。
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シャッターを押すブレは、セルフタイマーにすれば防げる。カメラを手で固定していると安定しないので、mtテープでレンズをくくりつけることにした。この方法、悪くはないのだけれど、手間取っているとオートオフでレンズが引っ込んで面妖なことになる。
貼り付けて撮影したのが下の2枚。一方は、緑、もう一方は赤の方が鮮明で他の色はぼけている。これは……見事な色収差の実例だ。
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# by ZAM20F2 | 2017-08-06 08:58 | 顕微系 | Comments(0)

上方注意

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落ちてはこないとは思うのだけれど、気になってしまう……
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# by ZAM20F2 | 2017-08-04 08:07 | Comments(0)

輸送中

ピカピカのタンクローリーは液糖を運んでいることがおおいのだけれど、これは何か様子が違う。
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よっていくと、見えるのは
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おなじみの銘柄。中身はと見てみると
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とのこと。これ、何本分になるんだろう。

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# by ZAM20F2 | 2017-08-02 08:10 | 街角系 | Comments(0)

シャボン膜 二光束干渉レンズ

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シャボン膜を見ていたレボルバーにたまたま2光束干渉対物がついていた。ついているからには、試してみるしかない。
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ピントを少し変えてみる
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派手な段差は分かるけれども、色が変わっているあたりは、ほとんど段差が見えていない。感度が足りていないのか、それとも、段差があるのが裏面になっているのか、どちらだろうか。

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# by ZAM20F2 | 2017-07-31 07:17 | 液晶系 | Comments(0)

ezSpectra 815V でYujiLEDの紫励起LEDのスペクトルを測定する

ezSpectra 815Vに拡散板を挟むテストを行ったのは、スペクトルを測定したい光源があったからだ。

家の顕微鏡の光源には、写真家の新藤さんおすすめのYujiLEDの高演色性高輝度パワーLED(YJ-BC-135L-COB 9W)を用いている。この品、公称Raは95で確かに液晶の写真撮影でも変な色味にはならないように思うのだけれど、青色LEDを使っているために、400nmあたりの光は放射しておらず、分光測定の光源としては物足りない。

日本のサイトには、パワーLEDは青色励起タイプしかないのだけれど、英語のWebを見たら紫励起タイプも存在していた。UniPoさんに尋ねたら、紫励起タイプを日本国内でも販売してくれるとのこと。価格は英語Webで5ヶ135ドル、日本だと単価3200円で1個単位で売ってくれるとのこと。とりあえず、色温度2700K、3200K、5600Kを1個ずつ取寄せてみた。

青色LEDの時は、スペクトルデータのシートがついてきたのだけれど、こちらにはスペクトルデータシートがない。また英語Webにも未掲載だ。というわけで、紫励起タイプのスペクトル測定が必要になった。


リード線をつけていざ測定しようと思ったら……熱伝グリスが見当らない…………、やむを得ず、光学用グリスの粘性の高いので貼付けて、定格450mAなので、300mAで光らせてみることにした。

まず5600K
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続いて3200K

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と2700K
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いずれも、Ra98程度の値が出ている。実は、この分光器、ハロゲンランプをはかってもRa100にはならない。
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まあ、見ての通り凸凹が残ってるので、楢ノ木技研さんが校正に用いたのとは同じ入射強度分布じゃないとか、迷光のせいで、短波長側に何かがのっているとかあるためと思うのだけれど、ハロゲンの値をみれば、上のLEDはなかなか優秀である。


ついでに、今まで使っていた青色LED励起のものも測定してみた。
5500Kのものは、Raが90しか出ていない。
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これは、メーカー公称からすると低すぎる値だ。この品は青色が強く出過ぎている気がする。


3200Kの方は青色が押えられていて、Raも95が出ている。
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ただ、両者とも、短波長の青から紫のところが欠如している。

ところで、300mAで光らせてみることにした。と記したのだけれど、実際には70mA程度で光らせている。使っている電源は、ネットオークション経由でやってきた定電圧電流電源。出力は0~18V。メーター上は18.55V出ているのだけれど、紫LED励起タイプの方が、青LED励起より必要な電圧が高く、十分な電圧を供給できていなかった……

幸いこの電源には負側の出力もあるので、熱伝ペーストを入手したら、もっと電流を流すつもりだけれど、スペクトルの形状は(励起光が強くなるかもしれないけれど)、大きく変らないだろうと思う。
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# by ZAM20F2 | 2017-07-28 07:07 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vに拡散板をつけてみる

ezSpectra 815Vでハロゲンの光を直接測定すると、スペクトルが凸凹になる。
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前のエントリーで示したように、凸凹の位置は入射角度に依存しており、NA0.22の光をきちんと入れれば、この凸凹はなくなることが期待される。

ただ、NA0.22の光学系を組むのは結構面倒だ。通常の分光器では、レンズによる色収差を嫌うので、光学系は鏡で組んである。反射光学系でNA0.22をくみ上げるのは容易ではない。まあ、実用上は、それなりの性能のカメラレンズを持ってくれば、大丈夫と思うのだけれども、それでもレンズと815Vの位置はきちんと合わせなければならない。815Vをふらふらと持出して分光遊びをするのには、あまり妥当ではない組合わせだ。

楢ノ木技研さんのWebには拡散板で凸凹が改善するという記述がある。そして、分光器のスペクトル範囲を考えて、石英ガラスの拡散板が紹介されているのだけれども、光学屋さんに石英拡散板を発注するのは敷居が高い。というわけで、短波長側の吸収は考えずに、プラスチック拡散板をつけてみることにした。用いたのは、MWSさんで紹介された光栄堂さんのEB-04。蛍光が出るらしいんだけれども、まあ、タングステンランを光源としているなら、紫外は弱いから影響は少ないだろうと思う。

拡散板を入れると、スペクトルはだいぶなめらかになった。
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まだ凸凹が、特に長波長側に残っている。楢ノ木技研さんで使っている光学系と同一にならない限りは微小な凸凹は残るはずで、完全に消滅させるのは困難だろうと思うけれど、まあ、この程度だったら、普通の測定で大きな過ちはしないで済むだろうと思う。


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# by ZAM20F2 | 2017-07-26 08:02 | 科学系 | Comments(0)

お月さん

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シャボン膜の黒膜は時間とともに広がって、大部分を覆うようになった。
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その中に、残った輝く点、拡大すると
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内部構造がある。この内部構造、時間とともに緩和して
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最後は、まん丸お月さんという風情だ
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# by ZAM20F2 | 2017-07-23 17:45 | 液晶系 | Comments(0)

雹が降ったらしい。残念ながら降るところは見られなかったし、暗くなってから帰ってきたので、状況はほとんど確認できなかった。
一夜明けて見てみると
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紫陽花や
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朴の木の葉っぱはぼろぼろになっている。そして、
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睡蓮や蓮もずたずたになっている。そして
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郵便受けの上にも痕跡が。
そのあたりで屋根のないところに停めてある車をみても、痕跡がないみたい。郵便受けと自動車の板の厚さの間に閾値があったようだ。
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# by ZAM20F2 | 2017-07-19 07:48 | Comments(0)

穴ではない

前の写真で黒く穴が開いたようなところ、
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黒く見えるのは穴ではなく、薄い部分。膜の両側が空気で膜より屈折率が低いため、膜厚が薄くなると反射率は0に漸近していく。
状態は時間とともに変化していく。


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# by ZAM20F2 | 2017-07-16 09:12 | 液晶系 | Comments(0)

ライオトロピックスメクチックフリースタンディングフィルム

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日常用語で言うと、「シャボン膜」だったりする。
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# by ZAM20F2 | 2017-07-12 21:22 | 液晶系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの迷光(III) 縦方向の角度依存

前回のエントリーは光が横方向に外れる向きに回転したけれども、今回は、回折格子の異なる場所を照射しながら外れていく方で回転している。
まず、0度、これは基本的には前回と同じ。
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続いて5度。分光器をUSB端子を上に置いて入射側からみて向かって右側が奥に動くような方向の回転になっている。
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前回の横方向への回転と違うのは、600nmあたりにあったくぼみの位置が短波長側にずれていることだ。逆方向に5度回したものでは、長波長側にずれている。
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この窪みは回折格子分光器によく見られる話なのだけれども、普通の平面型の回折格子では、平行光線が入射した場合には、場所によらず同じ波長に対して構造が出るはずだ。窪みの位置が光の当り場所で変ってしまうのは、凹面型回折格子のためなんだろうと思う。この窪みみたいな構造は、入射光のNAが小さいと出現するので、NAを大きくすれば目立たなくなると楢ノ木技研さんのWebには書いてあるけれども、照射場所により場所が移るので平均されるという話のようだ。

10度回転すると、窪みの位置の動きは大きくなるけれども、全体のスペクトル形状はあんまり大きくは変化していない。
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15度回転で、信号強度はさすがに弱くなり、そして方向によって随分と違う値となった。ここは、NA0.22より外側になているわけで、こちらの入射でも、15度までは拾わないようにした方が安全そうな気がする。0度と比較すると、短波長端が増加に転じているのは迷光だ。
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20度になると信号レベルは小さくなる。

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迷光は30度でほぼ出なくなるけれども、
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37度付近で復活する。
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ただし、横方向への変化とは異なり、長波長側に強い波長分布だ。反対側に回転した場合は、20度で赤領域に迷光が出て30度で消滅したあと、約37度で長波長側の方がレベルが高い迷光が出現する。

40度にすると迷光は消え、これ以上の角度にすると、どちらに回した場合も迷光は出なくなる。
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NA0.22より外側の光による迷光については、本来の光学系以外の場所での散乱が原因なので、基本的に波長無依存だろうと思う。今回はハロゲンを使ったけれど、レーザー光を使って行っても同じ傾向を示すと思う。なお、二つ前のエントリーで示したように、分光器の測定範囲外の波長の光でも、検出器に感度があるなら迷光となる。シリコンを使っていることを考えると、1ミクロン程度までは感度が伸びていても驚かない。
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# by ZAM20F2 | 2017-07-09 16:34 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの迷光(II) 横方向の角度依存

前のエントリーでLEDは大体40度の入射角に設定してあると記したけれど、この角度には意味がある。
分光器の指定NAより外側の光を入れたら、どの程度迷光がでるのかと迷光の角度依存性を確かめてみたら、40度弱のところが妙に迷光レベルが高いのだ。

使った光源は顕微鏡用のハロゲンランプ。分光器との距離は60cmとしたので、ハロゲンのフィラメントサイズを5mmとするとNA0.004程度の光束となっている。

分光器の積算時間は120msで一定として、分光器を横倒しにして回転している。回折格子は分光ユニットの長辺方向に伸びているので、この回転だと回折格子の横方向に光が外れていくことになる。

まず垂直入射。全体に波打っていて、特に600nmあたりに目立ったへこみがある。
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続いて入射角度10度。上側(USB端子の反対側)から光があたる状態になっている。信号強度は大幅には小さくならない。また、スペクトルの形状も大きくは変っていない。600nmのへこみは少し短波長側に移っているけど、そんなにはでに形状は変っていない。角度を反対側に10度傾けても、ほぼ同じ傾向が得られる。
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入射角を15度にすると、分光器の入射NAの外側の光になっているはずだけれども、そこそこの信号が出ている。
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反対側に15度傾けても、同じ程度の信号が出ているので、これは、0点調整が悪いためではなく、回折格子にあたった光が検出器に到達していると判断出来る。試みに、0度の入射光で10度と15度を規格化してみると、両者で様子が少し違う。
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元の振動構造による凸凹は割切れていないのだけれども、10度は割とフラットなにの対して、15度は長波長側が信号が弱くなっている。これは、長波長光の回折角が大きく、回折格子から検出器までの光路が長いので、検出器に届くまでの横のずれ量が大きくなって検出器に到達する光量が減っているためと解釈できる。

おそらくはNA0.22までは、入射光はすべての波長で検出器に届くのだけれど、それを越えると、長波長側から光が検出器に届かなくなっていくのだろうと思う。ということは、横方向でNA0.22以上の入射があると、本来のスペクトルより短波長側が強く測定されてしまうということになる。定量評価はしていないけれども、前のエントリーに出したフードのようなもので、NA0.22以上の光は入らないようにするのは、迷光レベルを押える以上の意味がありそうだ。


入射角度を20度にすると、信号はほぼ出なくなる。
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30度で、少し短波長側が目立つかなという気分になる。
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そして、38度でかなり目立つ迷光が出る。入射角が0度で短波長端の信号強度は0.05程度なのに、38度では0.1と2倍にもなっている。全方向から光が入るような測定条件では、短波長側の結果はぼろぼろだと思った方がよさそうだ。

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この迷光、分光されていない光が検出器に到達しているので、個々の検出器が実際に感じている強度分布を見積るには、分光感度で補正をかけてやる必要がある。補正すると400nmあたりがピークで、長波長側には実質単調減少のカーブとなる。短波長側の受光素子がスリットに近い側であることを考えると、400nmより短波長の落ち込みの原因は分からないけれども、長波長側の実質単調減少の挙動は納得いく結果だ。

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この迷光は40度で減少する。。
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そして、50度ではほぼ消滅する。
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これ以上の角度での入射では問題になるような迷光はない。


反対側に回転しても、同様に、垂直から38度付近で目立つ迷光が生じている。この点は対称性はよい。


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# by ZAM20F2 | 2017-07-07 07:37 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの迷光(I)

分光測定で、きちんと分光されずに検出器に届いてしまう光を迷光と言う。迷光には大きく2種類あって、一つは入射設定が悪くて、内部の光学素子の外側に当たってしまい反射を経て検出器に到達してしまう迷光。もう一つは、きちんと入射されて光学素子に当たっているのだけれど、光学素子の欠陥や汚れなどにより散乱などを起こして検出器に到達してしまう光である。

ezSpectra 815Vにも、この両方の迷光が存在している。

まずは一番目の入射設定が悪い場合を検討しよう。815Vの入射NAは0.22。NAは分光器より顕微鏡対物レンズで出てきそうな言葉だけれども、光軸に対して、どれだけの角度で光束が入るべきかの指定。0.22だと光軸に対して角度θ=asin(0.22)=12.7゜以内の角度で入った光が光学系に到達し、それ以上の角度で入射した光は光学系の外に当たる。なお、NA0.22というのはF2.2程度で、これは分光器としては非常に明るい。

さて、入射設定の悪さによる迷光の実例をお見せしよう。
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蛍光灯のスペクトルを測定しているつもりなので、本来は蛍光が見られるところ以外は光強度は0であってほしい。このスペクトルをどのように測定したかを次にお示しする。
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天井の蛍光灯からの光を受けているのだけれど、斜めの方に妙なものが写っている。これは840nmのLEDで、40度ぐらいで入射するように置いてある。NA0.22より外側の光線(それも、分光器の測定波長範囲外)だ。こうすると、本来は信号強度が0であるべき波長に有限の信号が出ている。これは極端な例なのだけれども、十分に明るい室内で蛍光灯を測定すると、光がないはずの紫外部分が浮くのが容易に見られる。本来の入射角範囲以外からの光は迷光にしかならないので、この手の光は分光器に入らないようにした方がよい。

そこで、黒い発砲ポリエチレン板などを切り刻んで簡易的なフードを作ってみた。使う時は両面テープで正面に貼り付ける。
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効果は一目瞭然。でフードをつけると浮き上がりは消える。
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蛍光灯からの信号も1割程度落ちているのだけれど、これは、上下方向のNAが少し制限されているか、置き方が悪いかのいずれかのためだと思う。どちらにせよ、大勢に影響はない。このスペクトルもLEDは点灯したままで、当たり前の話だけれども、フードに遮られて入射されなくなっているために、迷光が消えている。
ディスプレイ画面などの測定をするときも、本来の入射角以外からの光は悪さをするので、このようなフードをつけて使うようにした方が良いだろうと思う。








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# by ZAM20F2 | 2017-07-05 07:24 | 科学系 | Comments(0)

ネジバナ

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このあたり、昔はネジバナは咲いていなかったと思うのだけれど、ある年、1株か2株生えたと思ったら、土地にあったのか、年々勢力を拡大している。
前にはツインタワーの写真を出した記憶があるけれど、今年はトリプルタワーができていた。
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どこからやってきたのかは不明。ひょっとすると、群馬天文台そばの空き地からかもしれないと思っている。ネジバナのある草原で遊んだ覚えがあり、ひょっとするとそのときに種がついてきたのかもしれない。
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# by ZAM20F2 | 2017-07-04 07:43 | 植物系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの偏光依存性(II)

少し前のエントリーでezSpectra 815Vの感度分布は偏光方向により異なることを紹介した。その時には液晶ディスプレイの測定例を紹介したのだけれど、それでは元のスペクトルが不明なので、改めて無偏光と思われる光源と偏光子の組みあわせでの評価をおこなった。光源はハロゲンランプだけれども、赤外側が強くなりすぎるので熱線吸収と、色温度変換フィルタを入れて、長波長側を押さえている。そのためか、ハロゲン光の演色性が90という値になってしまっている。

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この測定では偏光子の透過スペクトルが問題となる。偏光子はニュートラルグレー(総ての波長の透過率が同じ)であることが望ましいのだけれど、実際の偏光子には透過率の波長分布がある。今回用いた偏光子のスペクトルは評価していないけれども、そのへんに転がっていえる中では、ニュートラル性の強い偏光子を使っているつもりでいる。

まず、偏光は短辺に平行と長辺に平行、および45度で入れている。スリットは短辺に平行に設置されているので、回折格子の溝は短辺に平行なはずである。すると、短辺に平行な偏光は溝に平行な偏光、長辺に平行な偏光は溝に垂直な偏光になる。

スペクトルは、高さが同じになるように、露光時間を変えている。偏光子なしが83ms、垂直が148ms、平行が331ms、45度が257msで、垂直の方が格子の回折効率が高いようだ。
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平行偏光の方は短波長が強く長波長が弱くなっているのに対して、垂直偏光は長波長が強くなっている。測定された色温度の値も両者で大きく異なっている。
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偏光子を45度にすると、2つの偏光方向の効果が相殺されて、元のスペクトルと類似した形状となる。色温度も、大きくはずれていない。

元のスペクトルからの変化をより明確に見えるように、元のスペクトルで、それぞれのスペクトルを割ってみた。
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何れのデータも400nmより短波長で妙な形になっているけれども、これは、元のスペクトル強度が弱いことや偏光子の問題が重なっている可能性がある。

45度のデータは真っ平らにはなっていない。これは、偏光子の特性由来か、角度が正確に設置出来ていないためだろうと思う。

幾つかの細かい問題はあるけれども、大枠として、入射偏光が45度方向になるように設置すれば、可視領域のスペクトルを大きく見誤ることはないだろう。


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# by ZAM20F2 | 2017-07-01 19:12 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの分解能

ezSpectra 815Vの波長分解能は半値幅10nm程度とされている。線スペクトルを観察すれば、本来はシャープな線であるものが10nmの半値幅のピークとして観察されるはずである。

そこで、その辺に転がっていた殺菌灯のスペクトルを測定してみた。
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まっとうな分光器で測定したスペクトルがどうなるかというと、スペクトル色々が参考になる。

比較してみると、本来線であるものがどよんと広がって、なだらかな山になっているし、600nmの少し短波長にある2本の線は分解出来ずに一つの山となっている。

ezSpectra815Vは256素子で大凡500nmの領域をカバーしており、データは約2nmおきとなっている。このデータ間隔を考えると、分解能10nmというのはいい線であるように思う。分解能がもっと高いと、線スペクトルを測定したときに、1素子しか信号を拾わず、ノイズか信号かの区別が付かないなんて状況も出現しかねない。

ところで、半値幅には全半値幅と半半値幅があり、両者では実質的な値が倍ことなっている。どちらなのかとスペクトルを横に広げてみると、どうやら、全半値幅であるようだ。



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# by ZAM20F2 | 2017-06-29 07:21 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの表示最大値にたいする検出器余裕量と、透過スペクトルの閾値

前のエントリーではハロゲンランプのスペクトルを検出器の生出力に変換した図をしめした。検出ユニットの感度分布は浜松ホトニクスのカタログから拾って作ったものだ。
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この分布図を見ると、490nm付近が感度最大で、ハロゲン光でのスペクトルが最大だった長波長側では4割程度に落ちている。ただし、この感度分布は、回折格子の回折効率の波長依存性も含まれたもので、光検出素子自体の波長感度特性は、この図とは異なることは注意しておく必要がある。

700nmあたりは、最大感度の5割強程度。自動露光時間調整の250msの倍の500msあたりから700nmの飽和が始まったのが納得できるところだ。

感度分布を眺めていると、ezSpectra815Vのスペクトルの縦軸の目盛りは、相対感度が最大の波長での飽和値を元に設定しているであることが予想できる。そこで、どの程度の余裕をもって最大目盛り設定しているか、確かめてみることにした。

フィルターを組み合わせて、500nmあたりに最大強度が来るように調整する。この時点で自動露出をすると、露光時間はほぼ50ms。
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露光時間を56msまでふやすと、500nmあたりの値が1になる。
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露光時間60msではまだスペクトル形状は乱れていないのだけれども、65msにすると500nm付近にへこみが生じる。56msで最大値になっていたことを考えると、15%程度の余裕を見込んだ設定になっているようだ。
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eZSpectra815Vの透過モードでは、参照光の強度が弱い部分は測定範囲対象外となる。どの程度まで強度が落ちると測定範囲から外れるのかを荒く見積もってみた。

前のハロゲンでの吸収スペクトル測定では露光時間250msの時に415nmが境になっており、この波長での発光スペクトルの強度は9.4%程度。浜松ホトニクスのデータから相対感度を拾うと、約0.79。上に記した、フルスケールに対する15%程度の余裕も考えると、この時のこの波長での信号の生強度は6%程度。他の波長では5%程度の値がでてきており、だいたい、5~7%あたりに閾値があるようだ。






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# by ZAM20F2 | 2017-06-25 08:45 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの露光オーバーによるスペクトルの歪み発生位置

ezSpectra 815Vのスペクトルデータから検出器の実際の信号強度を求めるのには、波長ごとの感度分布が分かっていればよい。スペクトルデータは、生信号を感度分布で割って補正しているはずなので、スペクトルデータに感度分布をかければ生信号に比例する分布が得られる。
装置ごとの校正データを読み出せるかは試みていないけれど、浜松ホトニクスのカタログに、典型的な感度分布の図がある。さすがに、波長ごとの数値データは出ていないので、図から値のデータを起こす必要がある。
とりあえず、手作業で10nmごとに適当に値を拾った。そのデータを使って、ハロゲン光のスペクトルに掛け合わせて見た。
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図を見ると、スペクトルデータは長波長側が強くなっているが、検出器の出力は、少し短波長よりの700nmあたりが最大になっている。まさに、前のエントリーでスペクトルの形状がおかしくなり始めたあたりだ。


では、元のスペクトルはどうなっているのかと、最大強度を1に規格化して重ねてみた。自動露光調整では、露光時間はほぼ250msだったので、そこから50msずつふやして行っている。実データは、前のエントリーで出したように、完全にオーバーフローしている。でも450msまでは250msとぴったり重なっていて、スペクトルデータとしては問題がない。
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露光時間が500msになると、700nmあたりにずれが生じ、露光時間をさらに長くすると、その幅が広がっていく。広がり方が短波長の方が広いのも、元の強度分布の傾向と一致している。ただし、どこまでオーバーフローさせても大丈夫かは、スペクトル形状とスペクトルのピーク波長に依存するので、一概には決められない。

どこまでオーバーフローしても大丈夫かは、補正していない信号を見られれば一目瞭然だ。透過測定が中心的な使い方になる身としては、いちいち補正して考えるのはめんどくさいので、未補正信号が見られるほうがありがたい次第だ。


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# by ZAM20F2 | 2017-06-21 20:53 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの透過測定と検出器飽和

ezSpectra 815Vの透過測定モードでは、最初に参照信号を測定して、その後に試料の信号を測定する。これは、シングルビームの分光測定では普通のやり方だ。

ezSpectra815Vの測定範囲は320nmからのはずなんだけれど、参照信号の測定をすると信号強度が弱い領域にアミがかかって、その領域は測定対象外となる。これは自動設定で、現状では、S/Nが悪くてもスペクトルを見たいというわがままは許されない。

ハロゲンランプを光源に使って、黄色フィルターのスペクトル測定を行った。黄色フィルターは、20世紀の白黒写真が普通だった頃に、空に浮かぶ雲をハッキリと撮影するのに使われていた品だ。だいたい500nmより短波長の光を吸収して、長波長側はほぼ透過する。

参照信号の測定時間を自動調整にした状態で、測定範囲は415nmからになる。透過モードでは参照信号を記録できないので、発光測定モードで測定した参照信号を規格化しないで表示している。
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測定結果を見ると、吸収の最大が1.6程度なんだけれど、黄色フィルターだったら余裕で2は超えて3以上にはなってほしいところだ。短波長側の参照光強度をあげれば状況が改善するかなと、長波長側がオーバーフローするまで積算時間を上げて、スペクトル測定を行ってみた。
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短波長側の測定範囲は400nmより短波長になったけれど、スペクトル形状はあまり変わっていない。全うに測定できている。そこで調子にのって、さらに積算時間を上げて測定すると、さらに短波長まで測定できた。
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でも、650~700nm付近がへこんでしまってまともにスペクトルになっていない。これは、この領域で検出器の信号が飽和してしまっているためだ。

自動設定の参照信号を見ると、この領域よりさらに長波長の方が信号強度が高い。このため、飽和は長波長側から起こりそうなものだけれど、表示されているのは生の信号強度ではなく波長ごとの感度補正を行ったデータであり、生データは650~700nmあたりから飽和していておかしくない。生の信号強度を表示するモードがあれば、飽和しているかとか、どの波長が飽和しそうかなどが一目瞭然なので、生の信号強度が見られるモードがあると、透過測定にはありがたいところだ。

今回の参照光の波長分布では650~700nmあたりが最初に飽和するであろうことは、浜松ホトニクスのカタログから、ざっくりとは確認できる。それは、改めて。

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# by ZAM20F2 | 2017-06-20 21:26 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra815Vのスペクトル強度校正について

ezSpectra 815V用のソフトウエアは楢ノ木技研さんのWebからダウンロードできる。ソフトウエアには発光測定モードと、透過率測定モードがあり、発光測定モードでは、スペクトルの他、演色性も、照度も計測できる。偏光依存性のエントリーで演色性や色温度は発光測定モードで行っている。

多くの人にとっては、これらの測定が出来るのは当り前の事なんだろうと思うけれども、普通の分光器を使ったことのある身としては、演色性や照度が計測出来てしまうのは驚きだ。これらの値を出すためには、分光器のそれぞれの波長毎の測定感度補正が行われていないといけないからだ。

大昔に分光測定を習ったときに言われたのは、分光測定は相対強度測定が基本だということ。光源にも、分光器にも、光検出素子にも波長依存性がある。このため、測定で得られた信号値は、そのまま光強度にはならない。透過率測定では、試料を入れない状態を参照基準として、それに対して試料を入れるとどれだけ光量が減っているかを測定する。これなら、光源やら分光器の装置係数は参照と測定で相殺して問題にならない。

透過測定ではなく、蛍光の強度分布を求めたい時などは、標準電球という校正された光源の測定を行い、分光システムの感度分布を測定して校正値を得て、それをもとに強度分布を描き直す。それでも、強度分布が相対的に正しいだけで、縦軸の絶対値を求めるようにするには、さらなる注意が必要になる。

演色性や照度計算が出来ているということは、メーカー側で校正を行った時のデータを内部に持って、生データを演算処理していることになる。浜松ホトニクスのカタログには、波長の絶対値は校正データを出しているが、感度分布のデータは出していないと記されているので、感度分布校正データを作っているのは楢ノ木技研さんだ。

校正用のシステムはかなり高価だ。ezSpectra 815Vを数十台売っても元が取れるとは思えない。開発費や校正のための設備投資をどうやってまかなっているのか不思議だったのだけれど、どうやら、Web販売の他にOEMでの提供をおこなっているようだ。(というか、OEMの方の数が多くて、その予備をWeb販売しているぐらいじゃないと元が取れる気がしない。)
ソフトウエアはOEM先も使っているようで、測定ソフトウエアが親切なのは、OEM先の想定用途が分光素人さんのだからかもしれない。でも……、普通の分光器も使っている身からすると、透過測定モードは、もっと不親切にしてほしい。透過測定モードは、センサーから出てきた生の信号ではなく、強度補正をした後のデータを使って計算をしていると推定出来るのだけれど、そのため、センサーの飽和値が読みにくく、測定全域でS/Nをあげるための光源波長分布を定めにくいのだ。といっても、何を問題にしているのか分りにくいと思うので、次回は測定データを元に、この話題をもう少し展開しようと思っている。
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# by ZAM20F2 | 2017-06-19 20:33 | 科学系 | Comments(0)