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ezSpectra 815Vの表示最大値にたいする検出器余裕量と、透過スペクトルの閾値

前のエントリーではハロゲンランプのスペクトルを検出器の生出力に変換した図をしめした。検出ユニットの感度分布は浜松ホトニクスのカタログから拾って作ったものだ。
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この分布図を見ると、490nm付近が感度最大で、ハロゲン光でのスペクトルが最大だった長波長側では4割程度に落ちている。ただし、この感度分布は、回折格子の回折効率の波長依存性も含まれたもので、光検出素子自体の波長感度特性は、この図とは異なることは注意しておく必要がある。

700nmあたりは、最大感度の5割強程度。自動露光時間調整の250msの倍の500msあたりから700nmの飽和が始まったのが納得できるところだ。

感度分布を眺めていると、ezSpectra815Vのスペクトルの縦軸の目盛りは、相対感度が最大の波長での飽和値を元に設定しているであることが予想できる。そこで、どの程度の余裕をもって最大目盛り設定しているか、確かめてみることにした。

フィルターを組み合わせて、500nmあたりに最大強度が来るように調整する。この時点で自動露出をすると、露光時間はほぼ50ms。
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露光時間を56msまでふやすと、500nmあたりの値が1になる。
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露光時間60msではまだスペクトル形状は乱れていないのだけれども、65msにすると500nm付近にへこみが生じる。56msで最大値になっていたことを考えると、15%程度の余裕を見込んだ設定になっているようだ。
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eZSpectra815Vの透過モードでは、参照光の強度が弱い部分は測定範囲対象外となる。どの程度まで強度が落ちると測定範囲から外れるのかを荒く見積もってみた。

前のハロゲンでの吸収スペクトル測定では露光時間250msの時に415nmが境になっており、この波長での発光スペクトルの強度は9.4%程度。浜松ホトニクスのデータから相対感度を拾うと、約0.79。上に記した、フルスケールに対する15%程度の余裕も考えると、この時のこの波長での信号の生強度は6%程度。他の波長では5%程度の値がでてきており、だいたい、5~7%あたりに閾値があるようだ。






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by ZAM20F2 | 2017-06-25 08:45 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの露光オーバーによるスペクトルの歪み発生位置

ezSpectra 815Vのスペクトルデータから検出器の実際の信号強度を求めるのには、波長ごとの感度分布が分かっていればよい。スペクトルデータは、生信号を感度分布で割って補正しているはずなので、スペクトルデータに感度分布をかければ生信号に比例する分布が得られる。
装置ごとの校正データを読み出せるかは試みていないけれど、浜松ホトニクスのカタログに、典型的な感度分布の図がある。さすがに、波長ごとの数値データは出ていないので、図から値のデータを起こす必要がある。
とりあえず、手作業で10nmごとに適当に値を拾った。そのデータを使って、ハロゲン光のスペクトルに掛け合わせて見た。
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図を見ると、スペクトルデータは長波長側が強くなっているが、検出器の出力は、少し短波長よりの700nmあたりが最大になっている。まさに、前のエントリーでスペクトルの形状がおかしくなり始めたあたりだ。


では、元のスペクトルはどうなっているのかと、最大強度を1に規格化して重ねてみた。自動露光調整では、露光時間はほぼ250msだったので、そこから50msずつふやして行っている。実データは、前のエントリーで出したように、完全にオーバーフローしている。でも450msまでは250msとぴったり重なっていて、スペクトルデータとしては問題がない。
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露光時間が500msになると、700nmあたりにずれが生じ、露光時間をさらに長くすると、その幅が広がっていく。広がり方が短波長の方が広いのも、元の強度分布の傾向と一致している。ただし、どこまでオーバーフローさせても大丈夫かは、スペクトル形状とスペクトルのピーク波長に依存するので、一概には決められない。

どこまでオーバーフローしても大丈夫かは、補正していない信号を見られれば一目瞭然だ。透過測定が中心的な使い方になる身としては、いちいち補正して考えるのはめんどくさいので、未補正信号が見られるほうがありがたい次第だ。


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by ZAM20F2 | 2017-06-21 20:53 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの透過測定と検出器飽和

ezSpectra 815Vの透過測定モードでは、最初に参照信号を測定して、その後に試料の信号を測定する。これは、シングルビームの分光測定では普通のやり方だ。

ezSpectra815Vの測定範囲は320nmからのはずなんだけれど、参照信号の測定をすると信号強度が弱い領域にアミがかかって、その領域は測定対象外となる。これは自動設定で、現状では、S/Nが悪くてもスペクトルを見たいというわがままは許されない。

ハロゲンランプを光源に使って、黄色フィルターのスペクトル測定を行った。黄色フィルターは、20世紀の白黒写真が普通だった頃に、空に浮かぶ雲をハッキリと撮影するのに使われていた品だ。だいたい500nmより短波長の光を吸収して、長波長側はほぼ透過する。

参照信号の測定時間を自動調整にした状態で、測定範囲は415nmからになる。透過モードでは参照信号を記録できないので、発光測定モードで測定した参照信号を規格化しないで表示している。
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測定結果を見ると、吸収の最大が1.6程度なんだけれど、黄色フィルターだったら余裕で2は超えて3以上にはなってほしいところだ。短波長側の参照光強度をあげれば状況が改善するかなと、長波長側がオーバーフローするまで積算時間を上げて、スペクトル測定を行ってみた。
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短波長側の測定範囲は400nmより短波長になったけれど、スペクトル形状はあまり変わっていない。全うに測定できている。そこで調子にのって、さらに積算時間を上げて測定すると、さらに短波長まで測定できた。
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でも、650~700nm付近がへこんでしまってまともにスペクトルになっていない。これは、この領域で検出器の信号が飽和してしまっているためだ。

自動設定の参照信号を見ると、この領域よりさらに長波長の方が信号強度が高い。このため、飽和は長波長側から起こりそうなものだけれど、表示されているのは生の信号強度ではなく波長ごとの感度補正を行ったデータであり、生データは650~700nmあたりから飽和していておかしくない。生の信号強度を表示するモードがあれば、飽和しているかとか、どの波長が飽和しそうかなどが一目瞭然なので、生の信号強度が見られるモードがあると、透過測定にはありがたいところだ。

今回の参照光の波長分布では650~700nmあたりが最初に飽和するであろうことは、浜松ホトニクスのカタログから、ざっくりとは確認できる。それは、改めて。

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by ZAM20F2 | 2017-06-20 21:26 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra815Vのスペクトル強度校正について

ezSpectra 815V用のソフトウエアは楢ノ木技研さんのWebからダウンロードできる。ソフトウエアには発光測定モードと、透過率測定モードがあり、発光測定モードでは、スペクトルの他、演色性も、照度も計測できる。偏光依存性のエントリーで演色性や色温度は発光測定モードで行っている。

多くの人にとっては、これらの測定が出来るのは当り前の事なんだろうと思うけれども、普通の分光器を使ったことのある身としては、演色性や照度が計測出来てしまうのは驚きだ。これらの値を出すためには、分光器のそれぞれの波長毎の測定感度補正が行われていないといけないからだ。

大昔に分光測定を習ったときに言われたのは、分光測定は相対強度測定が基本だということ。光源にも、分光器にも、光検出素子にも波長依存性がある。このため、測定で得られた信号値は、そのまま光強度にはならない。透過率測定では、試料を入れない状態を参照基準として、それに対して試料を入れるとどれだけ光量が減っているかを測定する。これなら、光源やら分光器の装置係数は参照と測定で相殺して問題にならない。

透過測定ではなく、蛍光の強度分布を求めたい時などは、標準電球という校正された光源の測定を行い、分光システムの感度分布を測定して校正値を得て、それをもとに強度分布を描き直す。それでも、強度分布が相対的に正しいだけで、縦軸の絶対値を求めるようにするには、さらなる注意が必要になる。

演色性や照度計算が出来ているということは、メーカー側で校正を行った時のデータを内部に持って、生データを演算処理していることになる。浜松ホトニクスのカタログには、波長の絶対値は校正データを出しているが、感度分布のデータは出していないと記されているので、感度分布校正データを作っているのは楢ノ木技研さんだ。

校正用のシステムはかなり高価だ。ezSpectra 815Vを数十台売っても元が取れるとは思えない。開発費や校正のための設備投資をどうやってまかなっているのか不思議だったのだけれど、どうやら、Web販売の他にOEMでの提供をおこなっているようだ。(というか、OEMの方の数が多くて、その予備をWeb販売しているぐらいじゃないと元が取れる気がしない。)
ソフトウエアはOEM先も使っているようで、測定ソフトウエアが親切なのは、OEM先の想定用途が分光素人さんのだからかもしれない。でも……、普通の分光器も使っている身からすると、透過測定モードは、もっと不親切にしてほしい。透過測定モードは、センサーから出てきた生の信号ではなく、強度補正をした後のデータを使って計算をしていると推定出来るのだけれど、そのため、センサーの飽和値が読みにくく、測定全域でS/Nをあげるための光源波長分布を定めにくいのだ。といっても、何を問題にしているのか分りにくいと思うので、次回は測定データを元に、この話題をもう少し展開しようと思っている。
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by ZAM20F2 | 2017-06-19 20:33 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの偏光依存性

一般に回折格子分光器の特性は入射偏光により異なっている。楢ノ木技研のezSpectra 815Vの分光ユニットは回折格子分光器なので、ezSpectra 815Vの出力特性には入射偏光依存性があると予想される。そこで、入射偏光による特性の違いを眺めてみることにした。手近にある偏光光源としては液晶ディスプレイが使える。液晶ディスプレイでもスマートフォンやタブレットでは出射が直線偏光でないものもあるが、テレビやコンピュータディスプレイはまず直線偏光である。

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測定例は、ノートPCの白色にした画面を測定したもの。分光器を90度回している。この測定で一つだけ注意が必要なのは、TNタイプのディスプレイだと偏光が45度方向なので、分光器を0度と90度で測定すると、ほぼ同じスペクトルが得られてしまうこと。測定の前に、その辺に転がっている偏光素子で偏光の向きを確認しておく必要がある。偏光子がないなら……ディスプレイに白色画面を広げてハイディンガーのブラシを見ればよい。

ezSpectra 815Vのスペクトル測定では、ピーク値を1に規格化してくれる親切モードもある。しかし、それだと2つの測定結果の相対感度比が分らなくなる。ここでは、規格化なしのモードで表示している。図をみると、青色付近は感度は同程度だが、長波長側はだいぶ異なっている。

長波長側の感度が低い偏光では色温度が高く測定されているはずである。そこで、演色性評価モードで2つの方向で色温度を測ってみると、赤のスペクトルが強い方で5900K、弱い方で8200Kだった。他のディスプレイでも試してみたけれど、それぞれ5300Kと8300K、4800Kと6700Kという結果になった。いずれも、誤差とは言えない大きな違いとなっている。この分光器で液晶ディスプレイの色温度を評価する時には注意が必要だ。

色再現域の評価に関しては、はR、G、Bの一つの色だけ点灯してそのスペクトルから色座標のxy値を求める。この時は、xy値の計算に関わるスペクトル範囲は狭いので偏光方向による誤差は小さく問題にならないだろうと思う。

色温度にしろ、色再現域にしろ、誤差を減らしたいなら、分光器の一辺を偏光に対して45度方向に傾けて測定すると良いだろう。この角度で最初のディスプレイの色温度は6700Kと出てきた。このやり方は分光がらみの実験技術の本にも書いてある話だ。こうすれば、両方の偏光特性の影響が平均される。ezSpectra 815Vの校正は無偏光で行われているだろうから、入射直線偏光を2方向に同じだけ振り分けてやれば無偏光の時と同じ結果を与えるはずだ。

偏光による測定誤差を防ぐもう一つは、入射口の前に偏光解消光学系をつけること。たとえば、光ファイバーで入力するUSB接続分光器は光ファイバーで偏光が乱れるために、ファイバーに偏光を入れても大丈夫であることが多い。ただ、一般に偏光をきちんと解消するのは楽ではない。

ところで、スペクトル測定データを注意深く眺めると、短波長の端と長波長の端の浮上がりレベルが、偏光方向で異なっている。一方の偏光ではほぼ見られないことと合わせて、これらの浮上がりは、実際にこの波長の光によるものではなく、「迷光」(他の波長の光の影響)によるものと考えられる。測定結果は迷光にも偏光依存性があることを示している。実は、非偏光で迷光について、少し測定していたのだけれど、この結果を見て、偏光で測定しなおさないといけないかなぁと思案している。

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by ZAM20F2 | 2017-06-16 20:59 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの分光ユニット

ezSpectra 815Vの写真を最初に見たときには、どうやって分光しているのか想像できなかった。
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銀色の箱の穴が受光部分だけれど箱のサイズは1×1×2cm程度。MEMS技術を使ったという文言から思い浮ぶのはMEMS駆動のlamellar回折格子を使ったFT分光器なんだけれども、それならセンサーは1個のはず。256素子のアレーセンサーは回折格子を使ったポリクロメータを意味しているはず。

分光器の機構とは別に疑問だったのは、銀の箱の作者が楢ノ木技研さんかどうか。もちろん、ベンチャー企業がコンパクトな分光器を作ってはいけないということはないんだけれども、楢の木技研さんの住所を地図で調べると山の中の一軒家。一軒家の様子が見られないかとストリートビューを試して見るも、だいぶ手前の林道で終わっているような所。山の中の秘密研究所というとわくわくするものがあるけれども、密かにクリーンルームを持っていて、MEMS技術を使った品物を開発しているとは思えない。もちろん、ファブレスで外注の可能性はあるけれども。ちなみに、所在地の周りの林は、現在の航空写真では葉っぱが茂っていて樹木の特定ができないけれど、前の秋や冬撮影の写真からすると落葉樹中心の模様。技研の名前とあわせて、ミズナラ林と想像している。ただ、何故か頭の中では「樅ノ木技研」となっていた、さらに技研さんのツイッターを眺めているうちに「やまねこ技研」に変換されるようになり、頭の中では「やまねこ技研の分光器の仕組みは……」なんて具合になっている。

これらの疑問は、浜松ホトニクス(こちらは、フォトニクスと頭に入っていたよ。そういえば、だいぶ前、浜松さんの商品のパッケージに、Photon is our business. とか書いてあるのを見て蘇格蘭人が「こいつら光子を一個一個売ってるのか」と笑い転げていた。)のWebでマイクロ分光器C12666MAを見つけて解消した。見た目も分光範囲などのスペックも同じで、この分光ユニットか、その特注品を使っていると考えるのが素直なところだ。

浜松テレビ(これは旧社名だ)のカタログには光路図がある。穴の奥にはスリットがあり、そして、ベースの上に凹面のブレーズ回折格子が作り付けてあり、そこで分光した光がスリットの横にあるラインセンサーに結像する仕組みだ。穴の部分にはガラス窓が付いているので、埃が内部に入り込む心配はない。実物が届くまでは埃がスリット部分に集ったり、内部に入るとまずいので、測定しない時はテープで窓をふさがなければと思ったいたけれど、それは杞憂に終った。

でも、光路図を見て、えっと……、どこが動くのでしょうか?動作部分が見当たらないんですけれども……と不審がっている。まさか、凹面回折格子の曲率を変えてるとも思えないし、ブレーズ角がMEMS技術で可変とも思えない……。

どうも、MEMS技術というのは機械的駆動という意味ではなく、深掘りのエッチングでスリットを作っているというあたりの話のような気がする。
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個人的には、MEMS技術を用いてと書かれると動きがないだけに違和感があるところだ。

それでも、可視領域の分光ユニットがほぼ2立方cmで実現できていて、5万円もしない価格で販売されているのは、256素子で、分解能が10nm以下だとしても驚異なことで技術の進歩の有難みを感じている。
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by ZAM20F2 | 2017-06-14 21:20 | 科学系 | Comments(0)

予告編:楢ノ木技研USBスペクトロメーター ezSpectra 815Vで遊んで見る

分光測定というと、机の上を占拠する自記分光光度計を使うか、分光器やら光源やらを組み合わせるのが普通だったのだけれども、ファイバー入力でUSB接続可能なポリクロメータが出現して大きく様変わりした。大きさ的には、一家に一台あっても邪魔にならない位なんだけれども、値段的には一家に一台とはならないような価格なので、さすがにふらふらと買い込めず、このブログでも回折格子フィルムとデジタルカメラの組み合わせでの分光器を作ってみたりしていた。
数日前、何かの弾みでディスプレイのスペクトル計測の頁に行き着き、そこで使われている分光器のメーカーである楢ノ木技研さんのWebをのぞいてみたら、入門クラスの一眼デジタルカメラ程度で買える分光器を売っている。
さすがに、ファイバー入力の分光器が2000から4000チャンネルあるのに対して、256チャンネルで、分解能もそれなりだけれども、一家に一台の分光器としては十分な性能を持っている。最初に見たサイトには、すぐに売り切れになるようなことが書いてあったのだけれど、そんな様子もなく、普通に売っていたので、気軽に一台発注してみた。その後、品切れになっているので、危ないところではあった。

ezSpectra 815Vは基板の上に実装されているだけなので、取り扱いに注意が必要。そこで、一緒にezSpectra 815V用簡易ケースも注文している。ケースにくるまない写真は楢ノ木技研さんのWebにもあるので、ここでは、ケースに収めた様子。
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銀色のところの真中が受光窓。横からだと
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と、なかなかにコンパクト。簡易ケースは側面はあいているので、毎度おなじみのmtテープを貼って側面は塞いでいる。
接続はμUSBのAタイプ。

やってきて数日遊んだ範囲で、ディスプレイ画面や、LED電球のスペクトルや演色性を評価するにはこのままで十二分の性能。でも、顕微鏡に取り付けて顕微分光をしたり、あるいは、簡易な透過スペクトル測定装置なんかにするのには、癖を理解して最適化する必要がある。たとえば、「ディスプレイのスペクトル計測」記事の白熱電球と太陽のスペクトルは紫外に迷光がのっているし、長波長側に機器由来の振動構造が生じており、その低減が分光測定には重要だ。


このユニット、発売から1年以上たっているのだけれど、Web上の情報が多くはない。価格と性能を考えると、高校なんかの課題研究の道具としてもすごく使える気がする。ので、不定期連載で、取り上げていくつもりでいる。

※このシリーズ、プロジェクトTタグをつけることにしました。
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by ZAM20F2 | 2017-06-11 17:22 | 科学系 | Comments(0)

虹:18日夕方

虹の話は難しい。このブログでも過去に何度か取り上げているけれども、実際の虹は反射屈折だけでは説明出来るものではなく、七色と言われるものもスペクトル純色ではない。そしてまた、背景の空は暗黒ではないので、その光も虹と重なるから、色座標としては、随分と白に近いものになっていると思う。18日の夕方に虹が出ていたので、久し振りに虹の写真を撮った。
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流石にこれでは、画面上で色調を確認しづらいし、また実際に見た虹はもう少しはっきりした印象があった(もっとも、これが本当にはっきりしていたのかは微妙だ。というのは、池の中の魚などを見る時に、目ではまったく意識されていなかった池に反射する外界の風景が写真だと水面下を見るのが困難なレベルで映り込んでいることがあるからだ。人の視角系は何らかの処理により見たくないものの影響を押さえ込み、見たいものを増強する機能がある気がする。)。そこで、少しばかり彩度とコントラストを上げることにした。

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目では副虹も南西側に見えていたので、その部分を撮影した物。
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極わずかには見えるけれど、目視ではもっとはっきりしていた印象なので、こちらも、彩度とコントラストを上げてみた。
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今回の虹、こうしてみると、赤から黄色の部分が幅広く、緑と紫は割と見え、青は薄い気がする。西條敏美さんの本に従うなら、水滴が割と大きめの虹のようだ。余り虹はほとんど見えていない気がするけれど、それも、水滴が割と大きめと一致するだろう。このような虹については、中谷宇吉郎が


 天然に実際に見られる虹には、この種類のものが案外多いのである。餘り虹の赤色部が第一虹の緑色部に重ると、その部分が黄色に見える。ところが第一虹の緑の外側には、本来の黄色部があるので、第一虹の黄色部分がひどく幅が廣くなって見えることになる。これは水滴の比較的大きい時になる。それで夏の夕立がさっと晴れ上った後に立つ美しい虹の揚合などには、よくこの種の虹が見られる。水滴の大きい時の方が、虹がはっきりと美しく輝くことが多い。夕立のあとの美事な虹を思い出してごらんなさい。赤と黄色とがひどく目立って美しく、緑や青の部分が少いものを見た經驗があるでしょう。

と書いている。ただ、18日の虹はそれ程色は濃くなかったので、水滴は大きいけれど、密度が低かったのかしらなどと思っている。

ところで虹が出たのが日没に近かったので、日没によって虹が根元のほうから消えていくのが見られるかなと期待していたのだけれど、印象としては、日没によってではなく、水滴がなくなって虹が消えてしまった。
あと、虹は偏光しているはずなので、それをいつかは確かめようと思っていたのだけれど、虹を見るのに夢中で偏光板を出すのを完全に忘れていた。まあ、その分、随分とみていたから良いのだけれど。

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by ZAM20F2 | 2015-07-20 18:05 | 科学系 | Comments(0)

回折格子分光器の入り口と出口

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写真は10cmの回折格子分光器を上から見たところ。これは、大昔にある企業で使われていたものだ。
左の外側にあるノブが波長調整用のもので、ノブを回すと左上に回折格子の角度が変化する。
上下に入射、出射口がある。白く見えている物体はスリット幅を調整するマイクロメータの回転部分だ。さて、少し前に出したように、このような分光器に使われている回折格子はプラス1次とマイナス1次の回折効率が非対象なので、上と下の入り口から光を入れた場合にことなった挙動をする。入り口と出口を間違えると性能が発揮されないのだ。この分光器は蓋に入り口と出口のシールが貼ってあるのだけれども、蓋を180度回しても問題なく取り付けられてしますという設計のため、蓋を外してどちらがどちらかわからなくなると、少し途方にくれることになる。
途方にくれるのを止めるにはどうすればよいかというと、回折格子の法線方向から懐中電灯で照らしてどちら側の回折が強くなるかを見ればよい。その結果、画面下側が入射口で外側は出射口となった。逆だと、回折格子で生じた散乱が出口スリットに到達するようで、迷光の出方がかなり大きくなるのも確認された。
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by ZAM20F2 | 2015-01-17 21:43 | 科学系 | Comments(0)

ブレーズド回折格子による非対象回折

少し前のクラゲの構造発色についてのメモで歯が傾いた回折格子の話をした。その時には実写でなくポンチ絵を示したのみだけれども、その後に実写版を作ったので上げることにする。
ボール紙で作るおもちゃの分光器に使う透過型回折格子ではプラス側とマイナス側で回折強度は同じだけれども、本式の分光器に使われている回折格子は特定の波長の1次の光の回折強度が高くなるようになっている。
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この写真は随分前にネットオークションに出ていた物。単眼の偏光顕微鏡と一緒に出ていたのだけれど、ニコンの25cm分光器の取り外し品だろうと思う。
一番上は隠れているところも入れるとGROOVES/mm 600
だろうと思う。1mm辺りの刻み線数で600本は可視用で割と普通の数だ。
1行空いて下が
BLAZE WAVELENGTH 5000Aがどの波長の光に最適化されているか。だいたいブレーズ波長の2/3から2倍程度の範囲で使うようにと教えられた記憶がある。そして、下の矢印はブレーズの方向を示している。
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この回折格子を画面のめいっぱい右において、その前に白色のアクリル板をおいている。最初は白い紙を置いてみたのだけれど,光をかなり斜めに入射することになり、表面の凹凸が目立つ画像になってしまうため、アクリル板を使う事にした。
これに、緑の単色光を垂直に入射する。
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画面にほぼ水平に走っているのが入射ラインと出射ラインが重なったもの。画面の左側は暗く真ん中から右側で明るくなっているけれども、これは真ん中あたりで入射光が下のアクリル板にも当たるようになったため。この右側が入射光強度を示す明るさになっている。
そして回折格子に当たった光がいくつかの回折角で戻っているけれおdも、下側の1次光が他に比べて遙かに強くなっている。正面に戻る光を見ると左半分は暗くなっており、これは入射光方向への戻り光強度が1次回折光より弱い事を示している。上側の光は1次も2次も弱い。また、下側も1次のみ強く、2次、3次は上に比べても弱くなっている。
実験に使った光は緑LED光。OM135mmマクロを使って疑似平行光にしている。焦点距離が長い方が平行性が良くなるとは思うのだけれども、三脚座がついているのがこれしかないのだ。
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by ZAM20F2 | 2015-01-12 21:04 | 科学系 | Comments(0)