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大森式地震計

前から、古い地震計も置いてあるのは知っていたのだけれど、しげしげと見ることはなかった。でも、前のエントリーの本に出て、存在をハッキリ認識するようになるとしげしげと眺めてしまう。
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知識の不足から、見落としているものが山ほどあるんだろうなぁとつくづく思った。
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by ZAM20F2 | 2017-09-05 20:12 | 科学系 | Comments(0)

読みかけ

持ち歩くには重たすぎるのだけれど、行き帰りぐらいにしか読む時間がないので荷物が少ない日には持ち歩いている。
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そんなわけで、まだ大正時代までしか読み進んでいないのだけれど、明治の頃にはすでに、地表面の水平・垂直運動の観測から地震の起きる場所を見いだすなんて話が出てきて、手法は簡単かつ高精度になったけれど、やってることも、そして、地震予知はできないという事実も、ここ100年は変わらないんだなぁなどという気がしている。

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by ZAM20F2 | 2017-09-03 13:49 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vで蛍光測定をしてみる

ezSpectra 815Vで分光光度計を組み立てようと思ったのは、高等学校に紹介することを考えてなんだけれど、ふと、高等学校相手の教材屋さんはどんな品をそろえているのかと思い、某商社のWebカタログを眺めてみた。
一昔前に比べると、簡易な分光器が増えていて、ezSpectra 815VのOEM先と思われる品もカタログに上がっているのだけれど、その中で目についたのは、光源もついていて、透過スペクトルの他、光源を横照射にすると蛍光測定ができるものだった。まあ、20万以上するので、ezSpectra 815Vの直接競合とはならないのだけれど、測定例としてローダミンの蛍光スペクトルが載っているのを見ると、作っているやつでも、蛍光測定を試してみたくなる。

蛍光色素は、成分は分からないけれど、オレンジ色の蛍光ペンの補充インクを用いた。キュベットに適当な濃度で入れて吸収スペクトルをとりあえず測定する。
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これを見ると、550nm程度より短波長の光なら励起に問題はなさそうだ。さて、励起光現だけれども、ここは、MWSさんおすすめのレイメイ藤井のRXT203を使うことにする。この品、通常のLEDの他に蛍光観察用のLEDもついているのだ。

蛍光測定では、試料からの発光をなるべく集光して分光器に導く必要がある。透過スペクトル測定では、光源からの光をレンズ1枚で、平行に近い光にして検出器に送っているけれども、蛍光測定では、2枚目のレンズを用意して、最初のレンズで平行にした光を2枚目のレンズで検出器に絞り込むことが、収差を減らす点からも望ましい。

というわけで、こちらもMWSさんおすすめの100均のLED懐中電灯をもう一台分解して、レンズを取り出した。光学系の調整は豆電球で行い。豆電球を外して、そこにキュベットをおいて、側面から蛍光観察用のLEDで照らしている。
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とりあえず測定したのを見ると、励起光もハッキリと見えている。どうやら、蛍光観察用のLEDは紫外LEDではなく紫LEDであったようだ(380nmまでは可視領域だ)。

蛍光測定では、励起光を遮断するために、短波長カットフィルターを入れる。上のスペクトルを見る限りでは、写真用の黄色フィルターがよさそうな感じだ。というわけで、写真用黄色フィルターを間に入れてみた。
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励起光は完全に落ちて、蛍光が綺麗に見えている。500nmに弱い発光があるけれども、これが実際の蛍光か、何らかの原因によるものかは、ちょっと分からない。

それにしても、蛍光色素を使ったとはいえ、すごく簡単なセットアップで蛍光が測定できちゃうとは思わなかった。紫外(365nm)のコンパクトな懐中電灯も入手しやすくなっているので、透過スペクトルに加えて発光スペクトルも測定できるようにしておこうかと思案している。





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by ZAM20F2 | 2017-08-29 21:26 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(Ⅳ)

分光測定計を組み立ててみたからには、どの程度まで測定できるかをチェックしておく必要がある。市販の分光光度計は吸光度で3~4程度が上限だ。もっとも、オフセットの調整が悪かったりすると、吸光度が2台でスペクトルがおかしくなったりする装置も見たことはある。
どこまではかれるかは、光を遮断した状態のスペクトルでもいいのだけれど、それだとおもしろみもないので、可視光をほぼ吸収して近赤外を透過するフィルターを測定してみた。可視域では吸光度は4を軽く超えているはずだと思う。
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とりあえず、測定してみると吸光度は2程度で飽和している。あと、所々に窪みがあるけれども、これは、どう見ても蛍光灯の光に対応するものだ。つまり、室内の蛍光灯照明の光が迷光として入っていて、それで、吸光度が見かけ上、飽和している可能性がある。
そこで、上に黒い紙で覆いをかけて測定してみた。
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窪みはなくなり、吸光度は少しは増えている。でもフィルターの本来の吸光度には遙かに及んでいない。特に短波長側が吸光度1を遙かに下回ってしまっている。これは、700nmあたりより長波長側の光が迷光として来ているためだ(何しろ、それより短波長はフィルターを透過できないのだ)。
吸光度1程度までなら、このままでも、短波長側を除いて問題ないけれども、分光光度計として、安心して使うためには、長波長側の迷光となる部分をもっと弱くする必要がありそうだ。
とりあえず、色温度変換フィルターを、もう一枚重ねてみるかなぁ……
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by ZAM20F2 | 2017-08-26 21:12 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(Ⅲ)

キュベットホルダーは10×25mmの角材を用いてる。キュベットは、どこかでもらったプラスチック製のものを使っている。キュベットに関しては、高等学校にも普通に転がっているようなので、入手性については気にする必要はないと思う。Webで調べても、モノタローから入手可能だ。それにしても、あほだったのは、キュベットの光路が10mmというのが頭に染みついていて、それがいつの間にか外寸と思ってしまっていたこと。内寸が10mmだったら、外側は10mmより長いのは当たり前ですよね。キュベットホルダーは10mm角を前提に作ってしまったのだけれど、キュベットが10mmよりわずかに大きい可能性を考えて、一方の押さえは固定していなかったのでとりあえずの固定には問題がなかった。

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レンズは結像位置が検出器より後ろになるようにセットした。光量は、それで問題ないし、また、検出器で集光する形にすると、光路の揺れに弱くなりそうな気がする。キュベットの位置で集光して広げることも考えたけれど、試してみると検出器位置での光のパターンに収差が目立ち望ましくない気がしている。

最初はマスクをつけていなかったけれど、キュベットを外してつけ直した時の再現性がなさ過ぎることが分かり、とりあえずのマスクをつけた。マスクをつけると、再現性は、それなりに良くなる。

この状態でのスペクトルを示す。
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400nmより短波長で減少して、その後増加しているが、増加は迷光によるもの。2.5Vの電球を2.6V程度で点灯しているけれど、豆電球で、そんなに短波長の光が出るはずがない。この状態で、透過測定モードにしてベース測定を行うと、短波長側は410nm程度からとなってしまう。目標に10nm足りていない。状況を改善するには、短波長側の光を相対的に強くしなければならない。このような時は適当なフィルターを使って長波長側の光強度を落とすのが常套手段だ。

フィルターは……、HOYAのWebなんかを調べると、結構よさそうなのがある。それとは別に渋谷光学さんのWebを見ると、ちょうど手頃なのが、アウトレットに出ていないこともない。でも、それらは、普通に買えるもののみを使うという、今回の自主規制に引っかかる気がする。

というわけで、まず、その辺で買えるものでフィルターとなるものがないかを試してみることにした。長波長を吸収して短波賞を透過するもので、頭に浮かんだのは銅フタロシアニン。こんなものを持ち出すと、試薬屋からの購入は光学屋からのフィルター購入と同じくらい一般性がないと言われそうだけれど、使おうと思ったのは、ホームセンターで入手したフタロシアニンブルーの顔料。これをポリビニルアルコールの洗濯糊と混ぜればフィルター代わりのフィルムとなるだろうと読んだのだけれど、やってみたら、顔料が荒すぎて均一な膜にはならなかった。

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代わりに入手したのが、食用色素と透明水彩絵の具。透明水彩は、深い青の他、水色のものも買い込んで見た。水色系のものはシアンになるので、青だけでなく緑の透過も期待できる。あと、ブルーのアクリル板。

これらのスペクトルを試してみたところ、水彩ブルーは悪くはないけれども、短波長側の吸収が強い印象。参考までに透過スペクトルを示す。
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シアンの水彩は、透明水彩のくせに白が混ざっていて散乱が強く使い物にならない。食用色素とアクリル板は、700nnあたりの目にはほぼ見えない赤色領域の光に対してはほぼ透明で目的に適していない。次に示すのは、食用色素の透過スペクトル。
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結局試みた4種類とも、目的には使えないというのが結論となってしまった。

次に試したのは、家に転がっていた写真用の色温度変換フィルター。昔、フィルムカメラでタングステンランプを光源にデイライトのポジフィルムで複写をするつもりだったときに買い込んだ品だと思ったもの。試してみると悪くはない。フィルターを入れた場合のスペクトルは、長波長側が随分と落ちている。フィルターを入れない場合に比べて400nmの光が随分と強くなっている。
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一方、375nm以下の迷光と思われる部分は変わらずに出ており、どうやら、測定範囲以外の長波長側は、あまり減衰していないようだ。
フィルターの透過スペクトルは、
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という具合で長波長側まで押さえられている。

上の、水彩のスペクトルはこのフィルターを使ってベースをとったもの。400nmより短波長まで測定できるようになっている。


色温度変換フィルターだけれど、すべての品がOKという訳ではないようだ。顕微鏡についていた色温度変換フィルターは吸収タイプも誘電体多層タイプも長波長側の落ちが悪く、今ひとつだった。

今回使ったフィルターはケンコーのC12。最近ではマルチコートでProフィルターになっている。スペクトルが手元にあったものと同じかは確認していない。ただ、結構高価になっている……。他のメーカーを調べると、マルミの80Aが、ほぼ同等に使えることが分かった。こちらは、ケンコーに比べると、かなり安価だけれど、どう見ても在庫のみの商品。売り切れになったらおしまいの気がする。





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by ZAM20F2 | 2017-08-20 19:47 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(II)

分光光度計の光源は一つ前のエントリーに印したように可視領域はハロゲンランプが普通だ。普通の電球は使っているとフィラメントから蒸発した金属が電球の内壁に付着して暗くなったりする。その点ハロゲンランプは光量やスペクトルの経時変化が少なく、分光光度計の光源として安心して使用できる。ハロゲンランプには100V点灯のものと、低電圧のものがあり、低電圧のものの方がフィラメントがコンパクトに巻いてあり、こちらが分光光度計の光源に使われている。ハロゲンの光は短波長側で急激に弱くなり、がんばっても350nm程度までが限界で、市販の分光光度計で紫外まで測定できるものは、そのあたりより短波長側の光源として重水素ランプを用いている。

ハロゲンランプは効率が高くはないので、一般照明用にはハロゲンではなくLEDが使われるようになったけれども、普通の白色LEDは青と黄色の光しか出ていないため、測定可能な波長範囲は広くない。紫励起で高演色のLEDを使えば、400~700nm程度まで対応できそうなものもありそうだけれど、今回は、昔ながらのタングステンフィラメントの電球を用いることにした。

当然のように、ハロゲンランプを用いることを考えて、懐中電灯用のハロゲンランプは入手したのだけれど、ソケットが入手できず、結果的に普通の懐中電灯の豆球で試してみることにした。

使ったのは2.5V0.3Aの探見球(タンケンキュウ)。ソケットの固定には、ナイロンクランプを使っている。これは、ホームセンターでソケットを物色している時に目についたもの。サイズ的にソケットを固定できそうだと買い込んだ。本来の用途はコードの結束固定。手で押さえてezSpectra 815Vの入射口と高さを合わせてみたら、2cmの台で良さそうだったので、1cmの板を2枚重ねている。固定のためにねじ込んだら、上の板が割れたのだけれど、止まっているので、そのまま使っている。作ってみたら、ナイロンクランプを回すと、フィラメントの位置が左右に移動するので、左右微調整に使えてなかなか良い感じだ。
ハロゲンランプでなくてもよいなら、100V点灯の小さめの電球も頭には浮かんだのだけれど、交流点灯だと光強度の揺れがあって、測定時間によっては、スペクトルが狂うので、直流点灯の方が都合がよい。それに、乾電池で動くようにしておけば、屋外でも使用可能になるので、より使える範囲が広くなる。
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探見球単体では光量が足りないので、集光の必要がある。分光器ではレンズ系による色収差を嫌い、反射光学系を使うのが基本だ。キュベットのサイズが1cm程度なので、小ぶりの集光系が必要になる。ミニマグライトの単4電池1本で点灯するタイプは、小ぶりの反射鏡があり魅力的なのだけれど、ちょっと特殊過ぎる印象がある。というか、光源として豆電球を使う小ぶりな懐中電灯を使うことを考えたのだけれど、その辺のホームセンターを探しても、そんなものは売っていない。もはや豆球ではなくLEDを使った品ばかりだった。その結果、懐中電灯の構造も光を反射鏡で整えるのではなく、LEDから前方にのみ出てきた光をレンズで整える形のものが多くなっている。また、反射鏡タイプでも、光源の位置が豆球のものとは異なってしまっている。

あきらめて、懐中電灯から取り出したレンズを使うことにした。使ったレンズは、ミクロワールドサービスさんの2015年11月23日の記事で紹介されているLED懐中電灯から抜き出したもの。

溝のある15mm角の材を向かい合わせに固定して、その溝でレンズを固定している。こちらは、上下の光路調整が可能で、ナイロンクランプの動きとあわせて、上下左右の調整ができるようになった。

豆電球とレンズの組み合わせで光量は十二分。色収差は……評価していないけれども、それなりに広い面積(といっても数ミリ角程度だが)の測定では、大きな影響はでないような印象だ。

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by ZAM20F2 | 2017-08-19 18:42 | 科学系 | Comments(0)

夏休みの工作:ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(I)

夏休みの宿題の双璧と言えば自由研究と工作だ。自由研究だけでは片手落ちになるので、工作もやることにした。作るものは、ezSpectra 815Vを使った分光光度計。
分光光度計は、溶液などのスペクトルを測定する装置。光路が1cmのガラスの容器(キュベット)に入れた溶液のスペクトルを測定する装置で、普通の市販品は190nmから800nm程度の範囲、検出器を2種類持っているやつは、190nm~2500nm程度の範囲のスペクトル測定が可能だ。市販の装置では2種類の光源を使っていて、紫外領域は重水素ランプ、可視から近赤外はハロゲンランプを使っている。

知り合いの高等学校の課題研究なんかをみていると、分光光度計があったら、もっと、定量的なことができるのにと思うことがあるのだけれども、残念ながら多くの高等学校にあるのは、フィルターをつかって、可視領域の何点かで透過率が測定できる簡易的な装置で、出てくるデータも今ひとつの印象があった。分光光度計は、紫外から可視領域だけのものなら、測定装置としては高くない部類なのだけれども、それでも、高等学校で買い込むには、高価だし、使い回しが効かない装置であるようだ。分光光度計よりは、色々と使えそうなUSB接続、ファイバー入力の分光器を紹介したこともあるけれども、やはりコストの面やら分光光度計的な使い方をするためのセットアップの困難さなどから導入には積極的にはなれないようだ。

ezSpectra 815Vは、価格がUSB接続ファイバー入力分光器の1/10程度で、単体でスペクトル評価ができるので、USB接続ファイバー入力分光器や分光光度計に比べると導入障壁は遙かに低いだろうと思う。さらに、可視領域限定でも、溶液の透過スペクトルを測定できるセットアップが簡単に作れることを示せたなら、導入に、より積極的になるのではないかと考えた。
これが、工作の前提。というわけで、

1,材料は(ezSpectra 815Vとキュベット以外は)普通に安価に買えるものを使う。
2,普通の高校生が活用できる工具のみを使う
3,測定波長域は可視光をカバー(400-700nm)を目標とする。
という3つの制限の中で工作を行うことにした。

とりあえず組み立ててみた試作0号。作る時には、色々と考えて工夫はしているのだけれども、実際に作ってみると抜けているところが色々と出てくる。逆に言えば、最初の試作は、凝った作りにするよりはザックリと作る方がよい。

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光源を点灯させると

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な感じだ。



下の板は6mm厚のシナ合板。250×300mmのものをピラニア鋸で250×100mmに切断した。ezSpectra 815Vの固定は10×25mmの角材で行っている。裏側と上(USB接続口のない方)は全面を押さえている。前面は下側に押さえがあり、この板が前面に出ているボルトの頭に接していて下側に抜けるのも防いでいる。あと、C12666MAの下に10mm角の材をレールとして取り付けているものも前面の押さえになっている。レールを作ったのは、その後の部品の設置を楽にするため。これは、光学系の組み立てでよく使う手法をまねたもの。
次回以降、各部品の紹介を行う。

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by ZAM20F2 | 2017-08-18 22:16 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vの迷光(Ⅳ)

だいぶ前にezSpectra815Vの迷光を取り上げた時は、斜入射で回折格子の外側に当たった光線由来の迷光を取り上げた記憶があるのだけれど、光が無事に回折格子に当たった場合でも、散乱などで迷光となる成分がある。
それを確かめるべく、単色LEDを光源に迷光の評価を行ってみた。
LEDの光を入れて測定しただけでは、迷光が低くて確認しにくいので、フルスケールの50倍の強度を入れて、迷光レベルを確認している。
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見てみるとお、440nmの短波長側と、620nmや680nmの長波長の迷光が強くなっているように見える。ただ、ここで気をつけなければならないのは、同程度の散乱光が生じていても、検出素子の感度波長依存性により、信号強度として大きく出てしまう波長域と小さめに出てくる波長域が存在するであろうこと。ただし、検出器の感度分布に関しては公開されているデータはない。確かにC12666MAの感度分布についてはデータはあるけれども、これは回折格子の効率も含めた値で、検出素子単体のものではない。とりあえず、検出素子の材料が同じだったら、感度分布も大きくは違わないだろうと考え、浜松ホトニクスのアレイ検出素子のデータを参考にすることにした。一般にシリコン系の検出器は長波長側の感度が高く、短波長になるほど感度は低くなる。そのデータをもとに迷光の相対強度を評価すると、長波長側の光による信号はだいぶ低くなる。
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図を眺めていておもしろいのは490nmから550nmあたりで長波長側に出てくる迷光が見られないこと。効率が490nmで最大になっていることなどから、回折格子のブレーズ波長は500nm付近なんだろうなぁと思っているのだけれど、そのあたりは効率がよく、散乱が少ないということなのかなどと想像している。また、440nmは全体に迷光を引き起こすレベルが高いけれど、短波長ほど散乱が大きくなるというのは、割と一般的な傾向で、そのためかなぁなどとも感じている。ただし、短波長の光は、通常の照明では弱いため、迷光としては実際にはそれほど問題にならない気もする。

長波長側の680nmの光は短波長側に迷光を出しているけれども、特に半分の波長にピークを出現させてはいないので、回折格子の刻み線が1本おきに微妙にずれて、実質2倍周期になっているといった欠陥は存在していないようだ。




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by ZAM20F2 | 2017-08-17 20:16 | 科学系 | Comments(0)

ezSectra 915Vの飽和感度を再確認する

ezSpectra 815Vの分光ユニットである浜松ホトニクスのC12666MAの分光特性は浜松ホトニクスのWebにあるのだけれども、楢ノ木技研さんのツイッターに、浜松ホトニクスのWebのデータは実測と合わないという話が出ていたらしい。

だいぶ前に、飽和値の見積もりをやった時は、浜松ホトニクスの図をもとに見積もりを行ったのだけれど、感度分布が違うとなると、見積もりにずれがあることになる。というわけで、再度チェックすることにした。

前回は平らなスペクトルで見積もりを行ったけれど、見積もり精度を上げるためには、単色光に近い方が望ましい。単色光源があるかというと、さらに昔に出した、干渉フィルターセットが手元にある。

楢ノ木技研さんのデータと浜松ホトニクスのデータを比べると、両方とも490nmあたりが最高感度で一致しているけれど、600nm付近の感度は、楢ノ木データの方がかなり高くなっている。そこで、490nmと600nmの2波長で比較することにした。
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まず、それぞれの生データ。同じ露光時間で、同程度の値になるように、ハロゲンの電圧を調整している。これを基準値にして、露光時間を上げていって、どこで飽和が起こるかを見ることにした。

490nmで露光時間を上げていった時のスペクトル変化を示す。
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露光時間が増えると、スペクトルがひずんでいるのが分かる。スペクトルの歪みはじめが、感度飽和なのだけれど、出始めは見にくい。そこで、すべてのスペクトルを最大値を1に規格化して(というか、ezSpctraの規格化を使った)、そして、基準値との差分をとってみた。
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14msでは差はないが、15msで変化が始まっている。
基準とした13msの最大値は0.96。これを基準に、14msの時の最大値を求めると、1.04、15msでは1.11となる。前は15~20%で飽和すると印したけれど、どうやら、最大値の10%増しで飽和してしまうようだ。

続いて600nm。こちらも、元のスペクトルと13msを基準にとった差分を示した。
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差分を見ると16msから飽和が始まっている。13msの最大値が0.97。14msで1.05、15msで1.12。16msで1.2となる。飽和値のレベルから、490nmと600nmの感度を比較すると、1.11/1.2=0.93で、600nmの感度は490nm感度の0.93倍程度と推定できる。

前に示した浜松ホトニクスの感度分布では600nmの感度は490nmの0.74倍程度。一方、楢ノ木技研さんのデータだと0.94~0.95倍程度。楢ノ木技研さんのデータより少し低いが、浜松ホトニクスのデータからは大きくずれた結果となった。

というわけで、分かったことをまとめると、
1,ezSpectra 815Vの最大値は最高感度の波長(490nm)に対して10%程度の余裕を見て設定されている。
2,浜松ホトニクスのWebにあるC12666MAの感度データは、現物とかなり違っている可能性が高い。

で、感度分布を自分で確かめたくなったら、単色光源を用意できれば、今回みたいな飽和強度測定で、どうにかなるだろうと思う。



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by ZAM20F2 | 2017-08-14 13:47 | 科学系 | Comments(0)

自由研究実施中

世間的には里帰りや行楽の時期なんだけれども、帰る先がなく、この混雑期に行楽に行く気力もないので、家で夏休みの自由研究をすることにした。
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久しぶりに、ホットステージをセットアップし、眺めているのは液晶の相転移。
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前にもざっくりと紹介したけれど、ホットステージ本体は数千円の下の方、コントローラも福沢さん1~2枚でどうにかなる。
観察しているのは、大昔から知られた品なんだけれど、でも、眺めていて不思議になる。

話は変わるけれど、接眼鏡筒はステージの手前側にセットされている。研究用の顕微鏡では普通のセットアップなんだけれど、今朝方見たテレビの棒SSH高では、接眼鏡筒が鏡基側にセットされていた気がする。勝手な印象だけれど、中・高の先生の中には昔の顕微鏡の図に引きずられていて、鏡基側から観察するセットアップにしている人が、ある割合でいるような気がする。

さらに話が変わると……今朝方見たテレビでは、相対性理論の提唱者の名を使った科学教室の人が子供に見せる科学実験として、室内で雨を降らせると称して、液体窒素をスタジオで吹き上げさせて、雨と称する液体を(わずかに)降らせていた。でも、私のみるところ、あれは、水じゃなくて、液体窒素。そもそも、数mの高さで、それもすぐに蒸発する微小な水滴をつくって、それが、瞬間に合体して目に見えるサイズで落ちてくるはずがない。蒸発し損ねた液体窒素が落ちてくると考えるのが素直な解釈だ。
前にも書いたけれど、小学生に液体窒素を使った実験を見せる行為は、子供の学習への意欲を削ぎかねない行為だ。それを、やってみせて、しかも現象の解釈が正しくないわけで、この科学教室、かなりだめというのが個人的判断だ。


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by ZAM20F2 | 2017-08-13 13:18 | 顕微系 | Comments(0)