人気ブログランキング |

楽かもしれない

c0164709_07585445.jpg

適当に植えたピーマン、とりあえず実がついている。今のところ虫もついていないし、病気も発生していないと思う。
ひょっとして、元が取れてしまうのではないかと期待が膨らむ。怠惰ものの家庭菜園には悪くないかも知れない。
# by ZAM20F2 | 2019-06-25 08:05 | 植物系 | Comments(0)

ルートは大人は使わないという台詞について

久しぶりに出かけた芝居の一幕に、「大人になったらルートは使わない」という台詞があって、客席ではそれなりに受けていた。この劇団には、「技術」なんて役職のスタッフがいて、電子的な小道具を作ったり、劇団アプリを作ったりしているらしいのだけれども、その仕事にルートは必要ないのかしらとか、そこの大道具の階段の斜めの板の長さはルートがないと求められないだろうなどと思いながら、「ルートを使わない」というのが芝居の台詞となるということ自体にインパクトを受けていた。

芝居の方は、見終わって思い起こしたのはヘッセの小説の何か。主人公が遍歴の結果として等身大の自分に行き着く系のやつ。芝居にはオームを彷彿とさせる集団が出てきたのだけれど、教祖、少しばかり物わかりが良すぎる印象があった。まあ、物わかりが悪かったりすると、最後の方の筋がぐだぐだになるのかも知れないけれども。

私の頭の中の感覚だと物わかりのよい人間は教祖になれない。教祖というのは磁石のようなもので、磁力に引きつけられる元素は100種類の中で3種類しかないとしても、その3種類には力を及ぼす。力は常に同じ方向に働いているべきで、物わかりの良さは力の揺らぎを引き起こすため継続して何かを引きつけるのが困難となる。

今回の講演は劇団の15周年。パンフレットによると大学卒業時に旗揚げされているようなので、主催は40少し手前のはず。サリン事件は四半世紀ほど昔だから、当時は小学校高学年から中学生程度だっただろうと思う。おそらくは関西の人だと思うので、あの事件による衝撃は、私が感じた物と比較して弱かったのかなぁなどとも感じていた。

閑話休題。ルートの話に戻ろう。確かに、日常的にルートを使った計算をする場面はあまり思いつかないのだけれども、人々が日常的に使っている機器はルートどころでない高度な数学が使われている。そういう意味では文明社会において、ルートと無縁の生活を送っている人はいない。

ただ、ルートの計算が万人に必須のものかというと、確かに微妙なところはある。少し前にネット上で、対数の知識は教養かという話題が出ていた。理系の人の中には、教養であると主張する人もいたけれども、一応理系の身でありながら、道具としての対数は教養じゃないよなと思っていた。では、対数がまったく教養でないのかというと、そんなことはなく、人類の数概念の拡張と結びついているなら立派な教養だろうなぁと思える。ルートも同様で、数の概念の拡張と結びついて、初めて教養となる。


物理法則についても、知っていて使うだけなら教養じゃないけれども、その法則による概念の拡張を合わせた知識なら立派な教養だ。実際、高神 覚昇の「般若心経講義」には、「もちつもたれつとは、独ひとり人間同志の問題ではありません。世間の一切の万物、皆もちつもたれつなのです。現代の物理学者は相補性原理といっています。相補性原理とは、もちつもたれつということです。有名なアインシュタインはかつて相対性原理を唱えましたが、もはやそれは古典物理学に属するもので、今日ではすべてのものは、互いにもちつもたれつの関係にある、すなわち相補性原理こそが真実だといわれています。」なんて文言もあり、著者が相対性理論も、相補原理も理解してなさそうなのは分るけれども、それにも関わらず、それらを振回す必要があり、文系の人間の間でも教養と見なされていたことが伺える。

しかし、時代が下って、科学技術がさらに発達すると状況が変化する。理由の一つは、科学技術のネガティブな面が顕になったことだと思うのだけれど、それ以上に、文系の人間が科学技術を教養とは別のものと見なして理解しようとしなくなったことにあるように感じている。


科学技術が教養ではなくなったのには、科学技術に携る側が、自分の専門は語れても、科学を語れなくなったという理由もある。最先端の科学とやらを語ろうとする人々はいるのだけれども、ファラデーがロウソクを使って科学を語ったように、日常的な事柄を使いながら現代科学の基本的な概念が展開されることは、あまりないように思う。その一つの理由は研究者の専門が細分化された結果として、「何とか化学者」とか、「何とか物理学者」は存在しても、一般的な科学者が存在しなくなっているためではないかと思う。高等学校の物理基礎などまででは、量子論も相対論も実質的に出てこない。また統計物理や熱力学に関しても、知識としての伝達はあっても、概念として十分に伝達できているとは思いがたい。それ故に、最先端の科学の話をする前に、それを支えている概念の理解が必要なはずだ。先端の研究を普通の人にわかりやすく説明するなんてことが求められる世の中になって、「科学者」の人々が自分の研究を嬉々としながら話したりもしているみたいだけれども、そんなことが可能なら、高等学校の科目も、大学の教養や専門科目もなくてよいはずだ。それらが存在するということは、先端の「科学」とやらをきちんと理解するためには、多くの基礎知識が必要であることを意味している。

しっかりした基礎の上にない「最先端の科学」は魔術と区別のつかない物になってしまう。

魔術と区別がつかなければ、魔女狩りの対象となる。世の中が平和だと魔女狩は起りにくいのだけれども、社会的な不安は魔女狩の温床となる。それは、科学的な知識が欠乏したエキセントリックな発言からはじまるかもしれないし、あるいは、金銭絡みの悪意というか作為をもった者によって引き起されるかもしれない。いずれせよ、魔女狩がはじまってしまうと、終息させるのは大変な作業になる。


科学を魔術レベルで伝えるのではなく、当たり前の知識と方法を教養として伝えることが出来たなら、今よりは魔女狩りにあう危険性を減らせるだろうと思う。

そのためには、「わかりやすく科学を語る」ような活動は厳に慎んで、科学のわかりにくさに正面から取り組む必要がある。「科学の学校『にじ』」の創刊号で編集者の藤田圭雄は、「科学は近よりにくいものでもないし、わからないものでもない。しかし求めようとしなかったり、わかろうと努力しない人のためには全くの他人である。科学的な真理を、やさしく面白く解説する-ということがよく言われる。しかしそんなことは出来ることではない。ルールを知らないで野球を見ているようなもので、いつまでたっても本当の面白さもたのしさもわいては来ない。まず諸君はルールを覚える努力をすべきである。ルールをしっかりと覚え込めば、それから先のたのしみは無限に広い。」と少年少女に語りかけている。

ルートは使わないという台詞を書いた作家さんも、科学の否定的な面を強調する文系の研究者も、科学のルールを覚える努力を積極的には行わないだろうなぁという気もする。ただ、「人体に含まれる窒素原子の半分は空気中の窒素を化学工場によりアンモニアへと変換することにより得られたもの」(「大気を変える錬金術」(トーマス・ヘイガー;みすず書房)による)という知識の前では、ルートは出来なくても、足し算か引き算が出来る人間なら、科学に、いくら否定的な面があろうとも、科学の作り出したものなしに、現在の世界の人の生活は成り立たないことを認めざるを得ないと思いたい。現実には、それでも、化学肥料を全面的に否定する人間はいるだろうけれども、理性のある大くの人間が納得してくれるなら、魔女狩りの炎は押さえられるだろう。まず必要なのは、先端の科学とやらではなく、日常にしみこんだ科学の必須性とそれと引き替えに引き起こしている問題の併せての認識だ。そして、確立した知識の上に、当たり前のことを、当たり前にやるのが科学だという認識。「法則は本当だろうか。大科学実験で試してみよう」なんて台詞とは真逆の発想が科学の根本にある。


「政治家が政治のことだけより知らなかったり、文学者が文学以外に無関心だったり、世の中のことを何にも知らない科学者を大学者のように思ってありがたがったり、そういう片輪の人間が出来るところに国の不幸が生まれる。」これも、先ほどの藤田の編集の言葉にある文言だ。

残念ながら生まれてしまっている不幸、せめて、これ以上に不幸を育てないように心がけたい。


# by ZAM20F2 | 2019-06-22 07:38 | 文系 | Comments(0)

Raもう少し

楢の木技研さんのezSpectraでLEDを測定して、演色性評価について思案している。
前のエントリーにもしるしたけれど、Raは同じ温度の参照光源に対する色味変化を示す指数である。参照光源は5000K以下では黒体放射、それ以上ではCIEの指定する標準光源である。このため、5000Kで参照光スペクトルが不連続に変化する。

c0164709_21261212.gif


図に5000Kの黒体放射と標準光源を示す。標準光源は黒体放射に比べて短波長側の落ち込みが多い。これは空気のレーリー散乱のためかなと思う。それ以外のでこぼこしているところは、地球の大気によるものか、放射自体かは調べないと分からない。低温側は、電球を使うことを前提に黒体放射に、5000Kより上は太陽光を使うことを前提に光源を定めているのだろうとは思う。TM-30-15ではある色温度範囲で両者の割合を変えながら混ぜていってスペクトルが連続して変化するようにしている。

昼光色青色LED励起のスペクトルと参照光源のスペクトルを比較すると、青色のピークが突出している。
c0164709_21264377.gif

この不一致が、12番の値が悪いことの原因だと思う。ただし、12番の値が100より小さくても、その色の再現が標準光源と異なることを示しているのであって、ずれの方向は分からない。

上のスペクトルでは、LEDでは400nmあたりの放射がなく、この部分で青が不足するのではないかと考える方もいるかもしれない。でも、次に示すxy表色系の感度分布を考えると、zの感度分布は450nmあたりにピークを持ち、短波長側では急激に減少しており、300nm台の不一致は色調にはほとんど影響しないことがわかる。
c0164709_08041104.gif


繰り返しになるが、9番以降はRaの計算には含まれないので、これら値がいかに悪くてもRaには直接は反映しない。

前のエントリーで示したTM-30-15の色ずれを示すグラフは、どの色がどちらにずれているのかが認識できる形で示されている。青色あたりは曲線が円の外側に出ている。一方で、緑から黄色の領域がへっこんでいる。スペクトルの図で、この領域の強度が参照光源より低くなっているのは、グラフをみて両者の強度調整をおこなったせいなのだけれど、まあ、目で見て妥当な範囲には収まっているのではないかとは思っている。

昼光色LEDでは9番はよい値となっている。次の電球色LEDでは昼光色よりは相対的に赤が強いにもかかわらず9番の値は低下している。これは比較対象となる色温度のスペクトルが昼光色の方は赤が弱くなっているためである。青が非常に強く色温度が凄く高いLEDでは参照光源の方で赤が弱いためにLEDに赤が出ていなくても9番が悪くないといった状況も出現する可能性がある。単純に9番の大小で判断しない方がよい。



c0164709_21274606.gif

電球色のLEDでは長波長側のずれが大きい。確かにR9の値は悪くはなっているけれども、TM-30-15の図を見ると、赤の手前はへっこんでいるけれども、赤はそんなに悪くない印象はある。12番の青が悪いのは昼光色と同様に強いためと分かる。
c0164709_21281838.gif

自然色電球は可視域では割と小さな凸凹でRaが高いのも納得できるところだ。長波長側で参照となる光源との一致が悪いが、このあたりは視感度も悪く色への影響が少ないので、演色性にはさほどは響いていないのだろうと思う。(青の方は視感度は悪いが、色への影響は強い。)
# by ZAM20F2 | 2019-06-20 06:25 | 科学系 | Comments(0)

高演色LEDをRaとTM-30-15で評価する

せっかくTM-30-15の測定ができるようになったので、高演色LEDも測定してみることにした。現在使われている演色性評価は国際照明委員会(CIE)の平均演色評価指数(Ra)である。Raでは評価対象である光源で、8種類の評価用の色彩を照らした時に、評価対象の光源と色温度が同じ参照光源に対して、どの程度変化が生じるかを示す指数になる。Raを測定する機器では、Raの値とともに、1番から15番までの色に対する色味の一致度が表示されるものが多いが、ここで、注意しなければならないのはRaの計算には1~8までの8つしか使われていないということ。LED電球では9番目の赤が足りていないことが多いのだけれども、赤が出ていなくてもRa値には反映していない。
この1点からも、Raだけでは演色性評価として十分ではなさそうなのが明白だと思う。また、Ra値が同じだとしても、色味は赤色方向にも、青色方向にも、それ以外の方向にもずれてしまうので、同じRaの光源を揃えても、照明としては不揃いのものになり得る。
もう少し細かい話をするとRaの計算に用いる参照光源は、色温度5000Kを挟んで不連続に変化する。このため、ほぼ同じスペクトル分布の光源でも色温度が5000Kより少し上か下かでRa値が異なる可能性がある(たとえば、完全な黒体放射光源があると、5000K以下だとRa値は100になるが、以上になると100にならなくなる)。

TM-30-15では参照とする色彩は8種類から99種類に増やしている。また、その中には原色に近い色も含まれている。このため、赤が不足しているLEDでは、その部分が引っかかる。また、参照光源は色温度とともに、ある範囲でなだらかに変化していくようになっていて、不連続の問題は生じない。

TM-30-15にはRfとRgの二つの指数がある。RfはRaと同様に最大値が100となる指数で色の再現性を示す。これが100に近いほど参照光源と同じ色味になる。Rgは彩度を示す指数でこれは、(100-Rf)程度の範囲で100を挟んで変動する。この値が100以下の場合は、参照光源に比べて彩度がおちる。そして、100以上の場合はより鮮明な色彩となる。
ただし、この2つでは類似度と彩度は示せても、緑が青方向に転げるといった色味変化は示せない。そこで、TM-30-15では色味の変化を示すベクトル図が用意されている。標準光源での色味からどちらにずれているかを図として示したもので、これにより、部分的な彩度の範囲も含めて全体の感じを半定量的に理解できる。

測定したのはUniPoで扱っているYUJILEDS。
まず、青色励起の昼光色タイプ。
c0164709_10371823.gif

Ra値は95は出ている。
c0164709_10374156.gif

TM-30-15だとRfは86。図を見ると青が強くて緑あたりが弱くなっている。図はかなり凸凹している。青が強く出ているのはRaの12番の値が悪いことに対応している。しかし、上に触れたようにRaは8番までの平均なので、青色が強すぎて12番が悪いことは反映していない。

続いて青色励起の電球色。
c0164709_10384262.gif

こちらはRa96。
c0164709_10385943.gif

Rfは87。色温度に対して黄色あたりが弱そうな感じだ。

LEDは青色励起より紫励起の方が、より演色性が良くなる。続いては紫励起タイプ。
まずは昼光色タイプ。
c0164709_10393195.gif

Raは98。
c0164709_10394806.gif

こちら、Rfも98となっている。当然、Rgもほぼ100だ。図を見てもほぼ丸くなっている。

電球色タイプの方は
c0164709_10403262.gif

Raは95.
c0164709_10404989.gif

青色励起程度の値となっているのだけれど、Rfは92と青色励起より秋あらkに良くなっている。色味変化もなだらかだ。

ついでにCCSの自然色LED電球も測定してみた。スペクトルからすると、これも紫励起。
c0164709_10411844.gif

Raは97。
c0164709_10413881.gif

そしてRfは94。こちらも、色味のずれはなだらかで青色励起より素直になっている。

青色励起と紫励起を比較すると、Raの値で見るよりは、TM-30-15の方が紫励起の素直さが伝わってくる。Raの表示では青や赤の値が悪いのが、強すぎるのか弱すぎるのかがわからないけれども、TM-30-15のグラフなら、そこもはっきりする。さらに色味変化方向み見られる点が優れている。



# by ZAM20F2 | 2019-06-16 10:44 | 物系 | Comments(0)

雨上がり

水の中には、足が出かけた人や、足も出ていない人々がいるのだけれど、少し前の雨の時に、手足の出ている人は上陸を果たしたようで、水辺には見当たらなくなっている。
c0164709_08174478.jpg

水の外、巣をはる人
c0164709_08175487.jpg

陸の上を探すと、木陰になりそうなあたりに上陸後の人
c0164709_08181259.jpg

こちらでも座っている。
c0164709_08181575.jpg

また、雨が来るみたいだけれど、雨のあと、ネジバナが出始めている。
c0164709_08180389.jpg

こちらは準備中
c0164709_08180647.jpg

咲き始めたのもある。
# by ZAM20F2 | 2019-06-14 08:22 | 動物系 | Comments(0)

IES TM-30-15

楢ノ木技研さんのezSpectraのソフトがバージョンアップしてIES TM-30-15が表示されるようになった。ベータ版だけれども、早速ダウンロードして試してみた。

とりあえず蛍光灯を測ってみる。
c0164709_07433070.gif

これは、普通のRaの表示。IES TM-30-15にすると、
c0164709_07432424.gif

と、色味に対する光の偏りが見安くなる。この図では直交座標系だけれども、極座標表示の芸もある。
c0164709_07433436.gif

続いて、LED
c0164709_07455256.gif

c0164709_07455284.gif

Raは蛍光灯とほぼ同じなんだけれども、色再現も色飽和も低く出ている。

そして、豆電球
c0164709_07455982.gif

c0164709_07455937.gif

さすがに丸々としている。

# by ZAM20F2 | 2019-06-11 07:46 | 物系 | Comments(0)

豚コレラ、そしてIQの変化について

数日前にも、豚コレラが新に発生したというニュースが流れていた。人間に感染しないせいか、鳥インフルほど報道されていない気がするのだけれど、それでも多くの豚が殺処分になっているわけで、早い終息を祈っている。

少し前に天文古玩さんのところで、この話題に関係するエントリーがあった。殺処分にも立会われたようで、それは、厳しい現場であったようだけれども、そのときの話として、豚は群れから引離される時には、悲鳴を上げて逃惑うけれども、群れから離された個体が殺処分を上げ悲鳴を上げている時には、平常と変らない様子で過しているという。

そのエントリーでは、それに関連して家畜化による知能の低下の話を紹介しているのだけれども、そして、それが、豚だけの話ではないことを感じられたとの文言もある。そのエントリーを読みながら二つのことが頭に浮んできた。


一つ目は、人間の自己家畜化という話。本川さんの「ゾウの時間ネズミの時間」の中にあったのか、それとも、本川さんの講演を拝聴した時に得た知識なのかは定かではないのだけれど、動物の寿命も体の大きさと相関があるけれども、家畜化した生物は、その相関よりも長寿命化しているのだそうだ。そして、人間も相関より長寿命化しており、その一つの説明として自己家畜化という概念があるらしい。

もう一つは、「田中宇の国際ニュース解説」さんの5月28日のエントリー。田中さんは、フリーのジャーナリストで、海外の様々なメディア記事をもとにした時事解説をしている。ただし、視点は独自で、米国の政治は、軍産複合体を中心とした、米国の覇権を保って、世界の紛争解決に介入することを通して軍事産業に永続的な利益を確保する勢力と、覇権を放棄することにより、世界の秩序は多元的な国の協調で維持するようにして、軍産に流れている金を国内経済に回して普通の国としてやっていこうという勢力の競合で行われているとしている。このように書くと、民主党が覇権放棄で、共和党が覇権維持となりそうだが、視点が独自すぎるのは、トランプは隠れ多元主義者で、局地戦を超える戦争を行いそうな派手なパフォーマンスで、軍産をびびらせながら、揺り戻しで多元方向に舵を切っていると分析していること(軍産も本気の戦争になると不味いので精々、局地的な戦争までしか踏込むつもりはない)。こうなると、陰謀史観的な感じもあり、話3/4程度に聞いておいた方がよさそうなところもあるのだけれども、田中宇さん、私の知る限りで、トランプの当選を予測していた、ほぼ唯一の人。ここのところの北朝鮮とのやり取りでは、朝鮮戦争が会談で終結するという勇み足な分析もあったけれど、他とは違いすぎる視点は面白い。

その田中さんの最近の記事の一つが、先進国でIQ調査の平均値が低下しているというもの。有料記事なので、差障りのなさそうな範囲で紹介すると、

「ノルウェーの徴兵時の知能試験では、20世紀を通じ、IQの平均値が10年ごとに3ずつ上がっていた。-中略-このIQの上昇は、1994年ごろを境に、低下傾向に転じている。昨年来の報道によるとノルウェーの徴兵時知能試験でのIQ平均値は94年以降、10年ごとに7ずつ下がっている。今世紀に入ってのIQ低下は、欧州を中心とする多くの先進諸国で起こり、今も続いている。」

とのことで、田中さんは、近年の動向を支配階層の都合のよい方へのバイアスによるという視点で説明している。

IQテストが人の思考力の何を反映したものであるかは、議論が分れるところだし、このブログでも、ときおいIQの高そうな人々の愚かしい行為に言及はしているのだけれども、それでも、大昔に国際キリスト大学の先生から聞いた記憶のある「入試ではIQテストみたいな問題もあり、実は、この成績と入学後の成績に高い相関がある」といった文言を思い出すと、何らかの思考力、あるいは、思考しようとする指向性に関わる事柄であるように思える。

人間が自己家畜化を始めたのは、何万年も前の話だろうとは思うのだけれども、どうやら、それは、その時代で完結した話ではなく、社会の変化に伴って、その方向性も変化していく事柄であるのかもしれない。

近年、高等学校の普通科を改組するような話を聞く。大学改革とやらが、どうも、大学の疲弊をもたらしている様子であることを思うと、それが、下まで進行して先にろくな事柄を思い起せない。この手のことを進めたがる人は、教育現場の閉鎖性と社会経験のなさを口にしがちだけれども、日本の会社の現状を見ていると、それ以上に閉鎖的に感じられるし、英知も知見も感じられない。まあ、だからこそ、自分のことは棚に上げてというか、立派なものだと思っていて、余計な口出しが出来るのだろうけれども。


# by ZAM20F2 | 2019-06-09 21:15 | 文系 | Comments(0)

選別力あり

c0164709_07423782.jpg


新聞に載っていたもう一つの問題は国語で、これは、塾オリジナルの問題のようだ。
内容は、日本語はそれなりにしゃべれるけれども、日本文化を知らない(謎の前提だ!)坊やが家にやってくるので、日本文化が分る遊びをするつもりだけれども、何をするのかとその理由を述べよという問。
c0164709_07423750.jpg


この問題、実にえげつない選別力がある。

答を見れば、本人というより、その家庭がどんな家庭であるかが見えてしまう。もちろん、付け焼刃的に「百人一首」なんて答えを出して、理由として「和歌という日本の伝統的文化に加えて、和服の装束も絵で楽しめる」などという、この手の塾が指導していそうな答えも出てくるかもしれないけれども、そんな小賢しい技をたたき込まれていない子どもは、素直に、日常体験を元に遊びを書いてしまうだろうと思う。それは、家庭での日常が反映されたものであり、その家庭が学校として望ましい家庭であるのかの判断材料を与えることになる。これは、国語の問題ではなく、家庭環境調査だ。

まあ、私立の学校には校風があるだろうから、それにあった家庭の子どもを入れるのは、その学校にとっての正しい選択なのかもしれないけれども、この広告の中に、「塾経由で私学へ、そして未来へ」なんて書いてあるのを見ると、未来が明るい物ではないようにしか思えなくなるのが辛い。

# by ZAM20F2 | 2019-06-07 07:42 | 文系 | Comments(0)

この答、理科ではない

今月の学習塾の車内問題、写真を撮ろうかと思っていたら、何故か新聞に広告としても掲載されていた。
問題は、海亀がレジ袋をクラゲと間違えて食べてしまうのを防ぐ方法を尋ねるもの。ただし、レジ袋としては機能することが求められている。
c0164709_07534438.jpg


問題を眺めながら、学習塾の解答は、海亀が消化できる材質の利用程度かなとおもっていたけれども、解答例としてあがっていたのは、
消化可能+水にはとけないけれども、海水に溶ける。
毒のある生物に似た色にして食べないようにする。
という2点。いずれも、私が採点者だったら、低い点をつける内容だ。

どこが気に入らないかというと、きっちりした科学的な知見に基づいていない解答だからだ。まず最初のものに関しては、水に溶けずに海水に溶ける素材があるかという点が引っかかる。私の知識の範囲では、思いつく素材がない。こんな回答でよいなら、「レジ袋としてはちゃんと使えるけれども、使い終ったら消滅する素材を使う」でも立派な回答となる。科学的な根拠がない回答は、道徳授業の回答にはなっても、理科の回答にはならない。それに、そんな素材があったとして、スーパーでネット入のアサリでも買込んで袋に入れたら、大惨事になりそうだ。魚のパックの液体が漏れても危ないかもしれない。実用性にも疑問があるのだ。
2番目の回答は、一見もっともらしいのだけれども、海亀の生態をきちんとしった上でないと、可能であるか判断できないはずだ。海亀が補食しない色の生物がいることが前提なのだけれども、学習塾がそれを知った上で出しているとは思えない。そういう意味では、これも空想科学の回答であって、理科の回答ではない。それに、着色しても、砕片となってしまったら、やっぱり食べそうだ(クラゲの破片と間違えて)。


では、理科的に考えても、大丈夫な回答があるのかと言われると……
コスト的とか他の点ではダメな回答なら無いこともない。
一つは、袋の底部分に比重のかなり高い材料を用いること。条件は、それなりの速度で海中でも沈降すること。底部分としたのは、それなら、袋に空気が入って水中を浮遊する危険性が減らせると考えるため。陸の近郊だと、海底を漂うものをそれでも食べられてしまうかもしれないけれども、大洋を漂うことはないので、海亀に対する安全性は高まるだろうと思う。その分、海底で良からぬ作用をするだろうけれども(でも、それは問題では問題にされていない)。比重を上げるのには、安く済ませるなら、鉛あたりでも練り込んどけばいいけれども、それじゃあ毒性がというのなら、金でも練り込めばよい。もっとも、そうすれば、海に流れることなく、人々が競い合って拾い集めるので、そもそも、ゴミとしての排出が減るというメリットもあるだろう。理科的解答をあきらめて、社会科的解答まで許容するなら、レジ袋の価格を1000円ぐらいにして、レジ袋には1000円と記入して、これを回収場所に持って行けば950円程度のキャッシュバックがあるようにしても良いかもしれない(差額は諸経費のつもり)。話としては、捨てられたレジ袋が海に漂うのを防ぐことなので、回収率を上げるのも一つの方策だ。


もう一つ思いついた答は、クラゲを使ってレジ袋を作ること。これは、材料科学的な観点の解答になる。エチゼンクラゲのような巨大なクラゲを伸せば、それなりのレジ袋になるかもしれない。で、これなら、使い終って、そのまま海に流れて、海水に溶けなくて漂っているところを亀に食べられても大丈夫! エチゼンクラゲ対策にもなるので一石二鳥だ。まあ、この問題を出した学校と、学習塾からは、「ふざけている」といって最低点をつけられそうだけれども。

# by ZAM20F2 | 2019-06-05 07:56 | 文系 | Comments(0)

やってきた

今年度に定期購読している雑誌がやってきた。
c0164709_11300207.jpg

月刊誌だけれども、偶数月の初めに、偶数月と奇数月の2ヶ月分を送ってくる。偶数月の初めに偶数月の号が手に入るから、文句はないのだけれども、その次の奇数月のも手に入るということは、偶数月の号は一月ほど前には発行され、本屋では入手可能になっていることを意味している。実際、今月号の評判はそこかしこに上がっている。でも、この雑誌、定期購読の読者が多いらしく、このタイミングで、今月号が本来の読者の手元に届いたのだろうと思う。

定期購読にしたのは、6月号の「珪藻美術館」を確実に入手するためもあったのだけれども、それ以外にも、なんとなく、面白げなタイトルが並んでいたこともある。
c0164709_11300205.jpg


4月は「家をかざる」。
c0164709_11294365.jpg

世界のいろんな家の写真集。土地によっては、家に文様をつける風習があるようで、そのような地方の家々の写真。世界不思議発見的なふしぎだ。

5月は「日本海のふしぎ」。
c0164709_11294276.jpg

こちらは、漫画的なイラストの本。日本海は周囲の海とは浅い海峡で繋がっているけれども、平均滴には1700mの深さを持っていて、ミニ海洋的な要素があるとか、業界の人には常識かもしれないけれども、言われてみて、気がついたり知ったりした話も多かった。

7月の「ブラックホールってなんだろう」は、なかなかの野心作だと思うのだけれど、熟れきっていないところもある。
c0164709_11294290.jpg

ま、想定読者である小学生に向かって、潮汐力やら角運動量保存が絡む事柄の話をしなければならないわけで、読んでみて代案があるのかと言われたら、頭を抱えるしかないのは確かだ。でも、「その正体を解き明かすのは、あなたかもしれません」という終わり方は、少しばかりではなく、ありきたり感がある。

ちいさな・ちいさな・ガラスの世界」という副題のついた6月号は「珪藻美術館」。
c0164709_11294297.jpg

同じ表題の本が数年前にも出版されて、絶版になっている。今回の珪藻美術館も同じ著者だけれども、写真のかぶりはない。

さて、今回の「珪藻美術館」数頁の綺麗な写真の後で「私は、ガラスを集め、ならべて、一つの作品をつくるという仕事をしています。」という文で始まる。そして、珪藻の説明を交えながら、「1.珪藻を採取しよう」「2.ガラスをきれいにし、種類ごとに分ける」「3.ならべる」と珪藻アートを作るプロセスの説明が続く。綺麗な写真が楽しめるだけでなく、ガラスの殻をかぶった植物が存在するという知識も得られる。

本は、珪藻屋さんの仕事を軸に構成されていて、そして、楽しめる多くの写真があるのだけれども、本来の読者の人にとって、少し遠い世界の話になってしまうのではないかと少しばかり感じている。

本に載っているような珪藻を目にする機会は多くの人にはほとんどないだろうと思う。そうなると、身の回りにあるものでも、遠い世界になってしまうのだけれども、七輪はともかくとして、珪藻土の壁材など、この本の読者層の家庭には珪藻を使った品物がありそうな気がする。そんな話が紛れ込んでいたら、想定読者もその関係者も、壁を見たり、風呂上がりの水を吸うマットを見る目が、もう少し変わるようになったのではないかという気がした。

掲載されている写真については、1ヶ月前に書評を出しているような人々の間では絶賛されているのだけれども、逆に、レベルが高すぎて、手元に顕微鏡があって、ちょっと覗いてみようとした人にとって、自分の目に映ったものが、本の写真に比べると混沌としすぎていて、どうして良いのか分からずに断念してしまう場合も出るように思う。不思議新聞の方にでもよいので、初めて顕微鏡を覗く人の助けになるような図鑑や本の紹介があったら、もう少し幸せになれる人もいるかも知れない。

そして、珪藻を並べるのに仙人のような生活を行っているという内容。これは、ほとんどすべての読者にとって、試してみようという気持ちを抱かせなくなるようなものであるように思える。もちろん、あのレベルでの作品を作るのには、本に書かれている以上の試行錯誤と、ものすごい努力が必要だと思うのだけれども、でも、もっとゴミだらけで、うまく並んでいないようなものでも、自分で作ったものなら、楽しんで見ていられる気がする。そのためには、とりあえずの敷居は高くなく見える方がよいだろうと思う。そうして、層が広がれば、その中から、よりレベルの高い珪藻アートを作り出す人も出てくるだろうし、また、本にのっている写真の凄さを実感をもって理解できる人々も増えていくのではないかと思う。

この本、ハードカバー版にならないかなぁと思っているのだけれど、そのときには、最後にでも、参考になる本が掲載されたら良いなと思っている。

なお、著者のWebには、没になった写真も含めて、本に関するいろんな話が載っている。まあ、このWebに来る人はとっくにご存じだと思うけれども、まだ見ていない人は、是非ご一読あれ。

# by ZAM20F2 | 2019-06-02 11:35 | 科学系 | Comments(0)

二灯発光

c0164709_08062875.jpg

落下中のミルク滴、ぶれているようにも見えるけれども、2台のストロボで点灯したもの。違うメーカーのストロボだったので、フォトリレーを2つにして、別々につけている。
写真から発光に時間差があることが分かるけれど、Arduino側の問題なのか、ストロボの内部回路の問題かは、確認していない。
c0164709_08062873.jpg

こちらのミルククラウンも飛び散った飛沫が2重になっている。
フォトリレーを2つにしたので、、2台の発光の間の時間をコントロールできる。試しに、少し時間を開けて発光してみた。
c0164709_08091505.jpg

もう一枚。
c0164709_08091826.jpg

こちらは、どう見ても発光が3回起こっている。
これは……フォトリレーをONにしている時間が長すぎて、一方のストロボが連続発光したのかもしれない。
# by ZAM20F2 | 2019-05-30 08:10 | 科学系 | Comments(0)

出ていた

c0164709_08050180.jpg

紫陽花が咲いて、そういえば、手足は出ているのかなぁとひさしぶりに見てみると
c0164709_08050237.jpg

もはや小さいながら親と同じ姿。えっと、水中に固まっているのもいるのだけれどと眼を凝らすと
c0164709_08050179.jpg

こちらも、手足が出ていましたとも。いつもは、このクラスは縁に集まるのだけれども、今年は藻が繁殖していて、そのあたりに固まっていたりもする。
# by ZAM20F2 | 2019-05-28 08:10 | 動物系 | Comments(0)

絵の具水(II)

c0164709_07091126.jpg

c0164709_07091185.jpg

c0164709_07091137.jpg

絵の具水で水深を変えたもの。浅い方が立ち上がりが高くなっている。
最後のものは、少し反則をしている。
ミルククラウンの写真は側面がなめらかであるのに対して、この写真では波打っているように見えている。表面張力の違いによるのかなぁなどと感じている。

# by ZAM20F2 | 2019-05-27 07:13 | 科学系 | Comments(0)

絵の具水

ミルククラウンというからには牛乳を使うのが本来なのだけれど、撮影に使った牛乳は飲まずに廃棄するしかなく、それは勿体ないことなので、代わりに、絵の具を溶かして不透明な水を使うことにした。絵の具は、少し前に、Ezspectra815V用のスペクトル分布調整用に使えないかと買い込んだものがある。
絵の具を溶かすと、当たり前だけれども、水面下の様子は見えなくなる。しょうがないからカメラ位置を上げて、少し上からの撮影。
c0164709_07563852.jpg

c0164709_07563897.jpg

c0164709_07563812.jpg


# by ZAM20F2 | 2019-05-20 07:57 | 科学系 | Comments(0)

水深依存

水槽を作ったのは、筋の入らない画像を撮影するためと、水深を変えて、水深の影響を水面下も含めて見てみたいと思っていたためだ。世間の話によると、ミルククラウンは液層の厚さが2mm程度がもっとも格好良くなるらしいのだけれども、何でそうなるのかの説明は見つけられていない。
手元には75×50mmのスライドガラスもあるので、これを使えば水深は楽に調整できるだろうと考えた次第だ。
これは、水深26mmでのもの。
c0164709_07031349.jpg

水中に高さ20mmの木片を入れて、その上に厚さ1mmの75×50mmのスライドガラスを乗せた。
c0164709_07031217.jpg


当たり前だけれども落下時にできる窪みはスライドガラスを突き破ることはできず、先ほどのような曲面とはならずに、下は平面となっている。本来、下に押し込まれるはずだった液体は横方向に押し出されているはずで、確かに、先ほどと比較すると、クラウンの下側が盛り上がっている。

スライドガラスを2枚重ねて水深をもう少し浅くしてみた。
c0164709_07031223.jpg

こちら、より横方向に押し出された水による盛り上がりが増えている。とりあえず、この効果により、クラウンがより格好良く見えるようになるみたいだ。

# by ZAM20F2 | 2019-05-17 07:04 | 科学系 | Comments(0)

水槽を作る

色素液滴を滴下させたエントリーの最初の方の写真で右下側に容器の模様が写っていた。使っていたのはプラスチックのケースだけれども、その真中付近に縦に3本の筋が入っている。液滴の滴下場所によるけれども、この筋を外すのは結構めんどくさい。また、水浸が1cm弱なのだけれども、もう少し深い方が良くないかという気もあった。
c0164709_07055875.jpg

c0164709_07060038.jpg




そこで、写真撮影用の水槽を作ることにした。もっとも、水槽といっても使うのはスライドガラス4枚と10cm角のアクリル板1枚。アクリル板の上にスライドガラスを貼り付けただけのものだ。
c0164709_07060410.jpg

でも、これで、水槽側面の筋はなくなるし、水深も2倍以上となった。
# by ZAM20F2 | 2019-05-15 07:06 | 科学系 | Comments(0)

一連

一応、そこそこの再現性で画像が得られるようになったので、滴下後からの波紋の変化の様子を並べてみることにした。一応、それらしく見えると思う。
c0164709_06524814.jpg

c0164709_06525327.jpg

c0164709_06530726.jpg

c0164709_06531794.jpg

c0164709_06532308.jpg

c0164709_06532776.jpg

c0164709_06533015.jpg

c0164709_06533366.jpg

c0164709_06533654.jpg

c0164709_06534294.jpg

c0164709_06534587.jpg

c0164709_06534802.jpg


# by ZAM20F2 | 2019-05-13 06:55 | 科学系 | Comments(0)

少し変

液滴関連写真、タイミングは一応取っているけれども、滴下ミスなどもあり、とにかく撮影をしてから色々と選んでいる。その中には、普通は表には出さないようなものだけれど、面白いものもある。
c0164709_06170734.jpg

こちらは、こけしができたところに上から液滴が落ちてきて衝突したあとと思われるもの。この手の写真は、伊知地さんがキノコのような綺麗なものを出しているけれども、こちらは、1回目の液滴の落下位置と2回目の落下位置がずれているために一方に変な形になっているのだろうと思う。まあでも、中々変な瞬間だ。
c0164709_06170769.jpg

こちらは、液滴落下してからしばらくなのだけれども、液面全体が妙に膨らんでいる。液面の内部がすべて液体だとすると、質量保存則が破られた瞬間を撮影したことになってしまいそうだ。というわけで、おそらくは泡なんだろうと思うのだけれども、こんなのができたのはこの1枚だけ。どうするとできるのかは全く分からない。

# by ZAM20F2 | 2019-05-11 06:17 | 科学系 | Comments(0)

透過照明

ミルククラウン、上からの照明で撮影するのが普通だけれど、下から照明したら、火山みたいな感じの物ができるんじゃないかと考えて少しばかり試してみた。下側は磨りガラス的な白のアクリル板。ただし、液滴の落下付近を除いて黒のマスキングテープで光を抑えている。
c0164709_21443626.jpg

c0164709_21443618.jpg

c0164709_21443503.jpg

c0164709_21443596.jpg


色味が黄色っぽいのは、レーリー散乱で青が通っていないためかなと思っている。下からの照明、もう少し調整すると、結構面白い絵になるかも知れない。
※全体にハローがあるのはレンズの表面に飛散した牛乳のためだろうと思う。

# by ZAM20F2 | 2019-05-09 06:43 | 科学系 | Comments(2)

中も見られる

牛乳ではなく水を使うと画像が地味になりがちなのだけれども、透明だと液面下の様子を横から観察できることに気がついた。ただ、水と空気は屈折率が異なるため、水面上と水面下ではピント位置が異なってしまう。
c0164709_06155592.jpg

これは、水槽の縁から少し離れたところに水滴を落とした物。
c0164709_06155553.jpg

こちらは、より縁に近いところで落とした物。写真の右側についている縦線は容器のもの。後の写真は、手前の水面が不自然に盛り上がっているように見える。着水位置が縁に近すぎるのだろうと思う。

レンズを変えて、もう少し大きく写してみた。
c0164709_06155527.jpg

下はピントがあっていない感があるけれども悪くはない。こんな画像が撮れるとなると、思わず落下液滴を着色したくなる。ミルククラウンで、色素で着色したミルクを使うのは伊知地さんの写真があるけれども、あれだと表面の状態しか見えていない。液が透明なら、もう少し奥まで見えるのかなと考えた次第。手元には着色シャボン玉に使った残りがある。というわけで、食紅で着色した水滴を落としてみた。
c0164709_06155515.jpg

微妙な画像ではあるけれども、落下した液滴が均一には広がっていないように見える。もう一枚、着色水滴の落下。
c0164709_06155583.jpg

2枚の間で下層の水は完全に取り替えている。
取り替えないと下層全体が赤くなってしまって、なんだか分からない写真になってしまう。
c0164709_06155579.jpg


# by ZAM20F2 | 2019-05-07 06:18 | 科学系 | Comments(0)

ツツジ満開

c0164709_15120317.jpg

# by ZAM20F2 | 2019-05-06 15:12 | 植物系 | Comments(0)

地味っぽい

c0164709_09461208.jpg

ミルククラウンならぬ水クラウンの写真。
液体の物性の違いから冠の形態も違うけれど、それ以上に、見た目が地味っぽい。というか、透明なものの撮影は難しいわけで、このあたりが、ミルククラウンとなる理由かも知れない。
# by ZAM20F2 | 2019-05-05 09:48 | 科学系 | Comments(0)

ストロボメモ

ストロボを焚く回路には東芝のTLP241Aを使っている。秋月さんで1個130円の品だ。
この品を選んだのは、最大許容電流値が多きかったため。立ち上がり時間が他の品より少し長めなんだけれど、タイミングの揺れさえなければOKかなと考えた次第。
とりあえず、この品とOlympusのTパワーコントローラ(フィルムカメラのシステム)を組み合わせて使っていた。異なるストロボも試そうとOlympusのT32に変えてみたら発光しない……。T32がおかしいのかと思ったけれど、カメラにつけると発光するし、また、結線を直接接触させると発光する。T32は2台あるので、もう一台も試したけれど、こちらも発光せず。TパワーコントローラとT32は同じ回路だと思っていたのだけれども、何かが違っているらしい。
TLP241AはON時の抵抗が1Ω以下でかなり低い方だと思うのだけれど、何が気に入らないのか分からない。他のストロボではどうかと試してみたけれど、他の2機種では文句を言わずに発光している。

ところで、異なるストロボを使ってみようとしたのは、発光時間の違いがあるだろうと思ったため。
c0164709_08515917.jpg

上の写真は、Tパワーコントローラで撮影したものだけれど、落下中の水滴が止まっていない。これでも、発光時間を短くするため、フルパワー発光ではなく1/4発光にしている。着水寸前では、1mm秒で約3mm移動しているはず。水滴の大きさは撮影倍率からザックリ見積もると5~6mm程度。ブレの量からすると、水滴は1mm弱は動いているので、ストロボの発光時間は300マイクロ秒程度かなと思う。
というわけで、もう一つのストロボ。こちらは、フルパワーの1/16発光。強度が弱いので、拡散板等は入れずの撮影。
c0164709_08515943.jpg

こちらは、中々綺麗に止まっている。発光時間は、かなり短そうだ。ついでにもう一枚。
c0164709_08515925.jpg

ほぼ同じ位置で止まっている。この他数枚もほぼ同じ場所で止まっているので、揺らぎはm秒程度以下。水滴が同じ場所に落ちる場合には、再現性はそれなりにありそうな気がする。

水滴の落下の安定性に関しては、スポイトの先が問題なのかと考えて、先の平らな注射針のようなものも試したのだけれど、水滴が横向きの速度をもって落ちていたりするのを見て、採用は見合わせた。前回との違いは、スポイトの先を疎水性にしようとしていたのを親水性にしようとしたこと。あと、スポイトの滴下を丁寧に行うようにしたこと。

タイミングの問題に関しては、未だ解決していない。スポイトの下から水面までが約39cm。スポイトの下から、ディテクターまでが約2.8cm。水滴の大きさが6mmとすると、落下する時の水滴の下端からディテクターまでが約2.2cm。落下にかかる時間は70m秒弱で、水面到着は210m秒後のはずだけれど、必要なdelayは225m秒程度。フォトリレーの遅れなどを考えると、delayは210m秒未満であって欲しいところだ。
# by ZAM20F2 | 2019-05-03 09:20 | 科学系 | Comments(2)

検討中(II)


詰めなければならない事柄は色々あるものの、とりあえず、ミルククラウンのような物は撮れている。
c0164709_11203895.jpg

ただ、個人的にはミルククラウンより、その後に出てくる「こけし」の方が気に入っている。
c0164709_11204119.jpg

c0164709_11204456.jpg

c0164709_11204663.jpg


「こけし」液層がある程度の深さがないと出現しないっぽい。ミルククラウンは、液層が2mm程度の厚みの方が綺麗との情報もあるけれども、その厚さでは、こけしはあんまり成長しないかも知れない。

綺麗なミルククラウンは中々得られていないけれども、一応は、初期の目的にはたどり着いた感がある。システムがらみの詰めはそれとして、問題は、この先何をするかだ。

Webをあされば、ミルククラウンの写真はあふれている。また、高校の課題研究の定番ネタであるようで、様々な試みがなされている。

ただ……課題研究がらみのWeb情報を眺めながら少し気になっているのは、撮影システムは、動画撮影の切り出しか、人がタイミングを計ってシャッターを切っているのが多く、液滴の落下をモニターして、タイミングを合わせてフラッシュを焚くものは少ないこと。全く撮影できないよりは、どんな方法であれ、撮影できた方が先に進めるのは確かなんだけれど、世の中に簡単にシステム構築をできるものが存在しているのに、それが広まらずに素朴な手法が使われ続けているという状況は何かが間違っている。Arduinoの存在は中学生の研究を通して知った訳で、決して高校生にとって高度過ぎるということはない。このあたりに、高等学校の課題研究の課題の一つが転がっているような気がする。

閑話休題。高校の課題研究の心配をしていても何にもならない訳で、問題は、自分でこの先何をするかだ。そもそも、ミルククラウン撮りたいなというのは、単純に昔にやりたかったけれど、できていなかったことが、できそうであるのに気がついてやり始めたのだから、まあ、それなりの写真を撮って終わりにするのが素直なところなのだけれども、Webを漁ってみた範囲で、そもそも牛乳の何が良いのかというあたりが今ひとつはっきりしない。粘性と表面張力がパラメータになるらしいのだけれど、それなら、水にPVAでも混ぜて粘性を上げて、適当な界面活性剤で表面張力をコントロールしたものでも良さそうだ。というわけで、水じゃだめですか?方向に行きそうな気がする。


# by ZAM20F2 | 2019-05-02 11:21 | 科学系 | Comments(0)

検討中

発光システムの方はOKとして、実際に液体を滴下するのにはスポイトを使うことにした。押さえがないと、落下位置が定まらないので、少しばかり思案して写真のようなものを用意した。
c0164709_18484202.jpg


最初は、厚さ5mmのアルミ板に穴を開けてと考えていたのだけれど、カメラ屋さんでより適当そうなプレートを見つけたので、そちらを採用。あとは、そこそこの穴があいたL字型プレートを用意した。

準備したスポイトは先端部の外形が4mmφ程度。根元の膨らみの直下が10mm弱。そこで、プラスチックの5mmと10mmのワッシャで2カ所で位置を固定することにした。

最初は、前のエントリーで出した、12mmワッシャーにセンサを取り付けた部品を使っていたのだけれど、センサをつけた位置が悪く、液滴が内側に接触したりしたため、改めてL字型金具にセンサを取り付けた部品を作って、そちらを使っている。

とりあえずのテスト撮影。やってみて、色々と問題が出ている。

スポイト下端から液面までの距離は約40cm。落下時間は約285ms。
スポイト下端からセンサまでの距離は約3~4cm。落下時間は85ms程度。
というわけで、センサが感じてから200msでストロボを焚けばよいのだけれど、実際に液滴が着水するのは230ms程度後。どこかで30ms程度狂ってしまっている。これが、タイミング150msとか言われると、回路か何かの遅延という印象だけれども、delayを長くする必要があるということは……、センサーに予知能力があるという話になりかねない。何かがおかしい。(上の長さの値が違っているのが一番ありそうな話だ。まじめにはからなくては……)
そして、繰り返しで同じタイミングにならないのでジッター(タイミング揺らぎ)があり、その
原因を抑える必要を感じている。

ジッターの原因は幾つか考えられる。一つは、ループを抜ける判断のタイミングの違い。これについては、Arduinoにはハードウェア割り込みのポートもあり、そこを使えばジッターは減らせそうな気がする。ただ、ハードウェア割り込みで呼び出したサブルーチンではdelayコマンドは使えないっぽい。そうなると、遅延を作るのに、forループを回すという古典的な芸が必要となるので、どうしたものかと思案している。
二つ目の可能性は、液滴自体の問題。タイミングだけでなく、液滴の着水位置も異なっていたりする。どうも、均一な液滴となっていない可能性が高い。もっとも液滴が均一でないことと、タイミングが合わないことの間には、もう一段の論理が必要となるので、ジッターの原因かは定かではない。

いずれにせよ、細かいところ、積めていく必要がある。

# by ZAM20F2 | 2019-05-01 18:49 | 科学系 | Comments(0)

ちゃくちゃく

センサーの遮断でLEDの点灯はできたけれど、ストロボを焚けるかは別問題。というわけでストロボの点灯確認。
c0164709_20534970.jpg

物は、フィルムカメラ用のマクロストロボ。ストロボによっては、接点に結構な電圧がかかる物があるらしいけれども、とりあえず、この組み合わせでフォトリレーがだめになることもなかった。
続いて行ったことは、電源を本体から供給する配線への変更。手違いで本体に損傷を与えることを恐れて、外部電源を使って本体との結線は最少に抑えていたのだけれど、問題なく動くとなったら、外部電源はなしの方が取り回しがよい。
というわけで、ブレッドボードから電源を外した。LEDとフォトリレーの電源を本体から供給する必要があるので、その分の配線が増えている。
c0164709_20535544.jpg

あと、フォトセンサーを少し改造した。物のセンサーは幅が5mmで、その中を水滴を落とすのは調整が大変そうなので、もう少し幅を広くしたかった。というわけで、12mmのワッシャーに貼り付けてみた。
c0164709_20540011.jpg

センサーを鋸で2つに分けて、かなり適当に貼り付けたんだけれど、一応、動いている。
ハードの方はこんな感じだけれど、ソフトの方はというと、非常にシンプル。Arduinoのソフトは、初期設定のsetup部分と、繰り返しとなるloop部分を含んでいる。setup部分で、何番ピンを出力にするか入力にするかを指定して、出力はLEDや光リレーの電源なのでHIGHに設定している。
loop部分は何もしなくても繰り返し動作になるので、慣れていないと戸惑うこともあるのだけれど、ミルククラウンを何度も撮影する用途には楽な気がする。で、そのループ部分のメインの部分は
{
while(digitalRead(InpDet)==LOW){
}
delay(280);
digitalWrite(OutPin, HIGH);
というシンプルなもの。{}内は入力がLOWの間は繰り返しループで、液体が光を遮りHIGHになると、ループを抜ける。そして、280m秒の待ち時間を経て、フォトリレーをONにする。この後、液滴が連続して落ちたときに、発光が重ならないように2秒程度の不感時間をつけている。
ハードウェアで遅延回路を作るのに比べて、遙かに楽な話だ。

# by ZAM20F2 | 2019-04-29 21:13 | 科学系 | Comments(0)

Prototyping, Tinkering, Patching

表題は前のエントリーの本の帯にあったArduinoの流儀から
とりあえず、そのあたりにあるものを再利用して適当に組み合わせて動くものを作ってみるといった感じの話。
ただ、それをやるためには、やりたいことが存在している必要がある。

宝箱のレビューを見ると、色々と作れたけれど、それだけだったというようなものがあったけれども、確かに、やりたいことなく買い込んだら、一通り作ってみても、その後はお蔵入りになる可能性も高いと思う。
この手の工作にしろ、プログラムにしろ、やりたいことがない限りは作ろうという気力は湧かないものだ。

さて、では、何をやりたくて買い込んだのかというと、ミルククラウンの撮影なのであった。
ミルククラウンはミルクの液滴をミルクの上に落とした時に生じるリング状の文様。でも瞬間しか生じないからタイミングよく撮影する必要がある。今なら、1秒に数百コマも撮影できるスマートフォンなんかもあるので、ぼーっと撮影して、ちょうど良いコマを拾い出せばよいのだけれども、そんなものがなかった時代には、滴下する液滴を検知して、水面に衝突するタイミングでストロボを焚いての撮影となる。

ミルククラウンの撮影は、昔からやってみたいものの一つなんだけれども、問題は、液滴の落下を検知してから、ストロボを焚くまでのタイミングを調整する遅延回路。大昔にはケンコーがシステムとして売っていたのだけれども、さすがにミルククラウンのためだけに買う気に離れず、また、回路図を眺めたこともあるけれども、あんまり作れる気がしなくて、そのままになっていた。

遅延回路がやりにくいのは、遅延をハードウェアで実現することなんだけれども、Arduinoを使えば、ソフトウエアで遅延ができる。つまり、遅延回路部分はArduinoに任せられるので、落下をとらえるセンサーと、ストロボの回路をONするスイッチに相当する部品さえあれば、望みのものができると考えた次第。
必要な部品は残念ながら宝箱にはなかったので、別途買い込んだ。
c0164709_07470801.jpg

奥に見えるのが透過型のフォトセンサー。溝の間に光が走っていて、何かがそこを通ると光が遮断されて検出する。手前の黒いのはフォトリレー。入力信号を入れると、内部でLEDが光って出力側の何かを照らして出射側が導通する仕組み。入力側と出力側が電気的に絶縁されているので、出力側に何かを入れてしまっても、入力側に繋がっているものが壊れる心配はない。
ブレッドボード上に配置してみた。
c0164709_07470825.jpg

ソフトと配線は、付録についていた「スイッチでLEDをON/OFFする」というものを参考に、つなげている。Tinkeringというやつだと思う。
これ、実は1.5台目。最初はひょろひょろしたケーブルで適当につなげていて、動作確認ができて、写真を撮る段になって、あまりにも見苦しいので、少しすっきりとさせた。電源はArduino本体から取ってもよいのだけれど、何かのミスで本体を壊すことを恐れて、別途外部電源に頼っている。この写真では外部導通を確認するLEDはひかっていないけれども、溝にものを入れてセンサーを動かすと、ちゃんとLEDが光る。PrototypingとしてはこれでOK.それにしても、随分と楽に、考えていたものが実現できるものだ。
c0164709_07470820.jpg

これで、一応は最低限必要な動作は確保できていると思う。とはいえ、遅延時間を書き換えるのに、いちいちPCからソフトを丸ごと書き換えないといけない。他の課題を探して、使えそうなのを拾ってきて組み入れるPatchingの作業が待っている。

# by ZAM20F2 | 2019-04-26 07:56 | 物系 | Comments(1)

部品色々

Arduinoはオープンプラットフォームなので、いろいろなメーカーから互換基板が供給されている。本家の品でも数千円程度だけれど、互換基板は千円程度で入手できる。
とりあえず、互換基板を入手して、それから、やりたいことに必要な部品を揃えてというのが、正しい進め方なんだろうけれども、そのために時間を割く余裕があんまりなく、Webを調べていると、適当な部品とセットにしてマニュアルまでついているスターターキットがあるのに気がついて、とりあえずスターターキットを買い込んで見ようかなぁと思っていたら、某Webでスターターキットがタイムセール割引になっているのに行き会って、思わず買い込んでしまった。
c0164709_06452477.jpg

いろんなパーツが入っている。なかなか宝箱という感じだ。
c0164709_06453654.jpg

このあたりが基板本体。
c0164709_06463495.jpg

上の方は接続ケーブル。密かにステッピングモーターが見えている。その下には距離センサーやら何やらのパーツ。
c0164709_06465716.jpg

こちらは電源そのほか……。まだなんだかよく分かっていない部品類。
とりあえず、マニュアルに従って、配線をして、ついてきたソースコードを入れると動く。
そして、ソースコードを適当にいじると動作も変化する。とりあえずの入門用としては悪くないかもしれない。
# by ZAM20F2 | 2019-04-24 07:16 | 科学系 | Comments(0)

令和の少年技師

これは昭和の御代の少年技師の本。
c0164709_09164216.jpg


昭和といっても中頃の話で、昭和も末には絶版になっていたし、平成の時代もそして令和になっても再版されて、現在の少年少女に読まれるようになることはないだろうと思う。
本の中身、
c0164709_09172669.jpg

世の中にどんな道具があるのか、
c0164709_09175326.jpg

どんな手法があるのか、
c0164709_09173176.jpg

どうやってつなげるのか、
c0164709_09174296.jpg

どうすると強くなるのかなど、
単なるノウハウを越えて工作をするのに必要な基礎知識を概念を含めて十分に学べるだろうと思う。

この手の本は絶版となって久しい。まあ、考えて見れば、電子器機なんかがなかった時代には、電磁石やモーターは、それなりに格好いい存在だったけれども、現在では、旧式な存在に見えてしまうのは仕方がないことで、そのための本にも需要がないのは当り前の事ではあるのかもしれない。

そして、子ども向けの本のコーナーなどを眺めながら、これらの本に代る物はないなぁと長らく思っていたのだけれど、先日になって、存在に気がつかされる出来事に遭遇した。遭遇したのは、ふらふらと出かけた中学生の課題研究発表会の場。マイコンボードを使って、スマートフォンから操作できるペットボトル回収ロボットを作るという発表に行きあったのだ。まあ、この発表には、黒幕の人がいて、全体の流れの仕切とマイコンボードの選択も黒幕の仕事らしい。話によると、まず、生徒さんは、割箸と輪ゴムで動く車を作って、3つほど試作をしてみて、その経験も踏まえて回収ロボット作業に入ったそうだ。工作経験が非常に少ないので、まずは、ハードウェアを作る上での困難さを実感して、かつ、作って終りでなく、作った経験を元に改良を行うことを経験させたかったようだ。
その上で作りつつあるロボットは、アーム部分などは、なかなかにシンプルだけれども割箸ゴム車の経験が生きているような構造で、なかなか面白そうな具合になっていた。ソフトの方はどうしているのかと尋ねたら、中学生から、最初は難しかったけれど、段段分ってきて、自分で組めるようになったという答が戻って来た。

思い起してみれば、ワンボードマイコンの存在は知っていて、それを使って、面白いことをやっているのは脇で眺めていた事はあるのだけれど、それをやっていた人は、ハードもソフトも出来る人だったので、素人には敷居が高そうだなぁと、自分で手をつける気にはならなかった。でも中学生がやっているのを見せられると、なんか、自分でも出来るような気分にもなってくる。

ワンボードのマイコンといっても、調べてみると、いろんな種類がある。分っている人からすると、機能の高くて汎用性のある物を選ぶんだろうけれども(前に見たやつはmbedだった)とりあえず、ある程度の入出力デバイスも揃っているところで眺めるとArudinoというやつが魅力的に見えてきた。

これがArudinoの入門書。
c0164709_09232745.jpg



Arudinoは、非理系の芸術家なんかでも、電子デバイスを使った作品を作れることを意識して作られているみたいで、取っつき易い作りになっている。そしてまた、発想として、右往左往しながら試作を作ってねという感じ。昭和の少年技師達が、半田ごてを持ちながら右往左往していたのが、スクリーン上で右往左往するのに変ったという印象だ。

もちろん、最初はプログラム言語なんて分っていないから、本の例題を呪文のように打込んで、本の通の結線をすれば、動作する。このあたり、最初はブラックボックスなんだけれども、それは、大昔の少年少女が、雑誌に付属のコードをPCに打込んだのと同じ作業。繰返していくうちに、ブラックがグレーになって、やがてホワイトになっていくだろうと思う。本の後ろには、言語リファレンスもついている。また、本に書いてある以外の外部器機と接続しようとすれば、自ずと、色々な知識が必要になっていくはずだ。

本を眺めながら思うのは、ソフトウェア絡みのことはハードウェア絡みに比べて回転が速いよなということ。たとえば、LEDの点滅周期を変える課題など、その場で、待ち時間を変えれば、点灯時間が変るのが目に見える。これをコンデンサと抵抗の変化でやろうなんて考えると、(ブレッドボードならともかく、)結構な時間がかかる。ソフトウエア絡みのことは、何かをやった結果に対するフィードバックが早く、それ故に、ハードウェアをいじるのに比べると、同じ時間で、より多くの試行錯誤が出来るだろうと思う。

少年技師という言葉は死語だろうから、それに代わる言葉が必要なんだけれど、そんな言葉の持ち合わせがないので、死語とは思いながら使うなら、この本、令和の少年技師には合っていると思う。


# by ZAM20F2 | 2019-04-21 09:24 | 文系 | Comments(0)