ネジを買ってきて、ホットステージを一応組み立ててみた
顕微鏡ステージの上だとこんな感じになる。 とりあえず、昇温テストを行うことにする。 というのも、温度コントローラが、ほぼ、初めて使うタイプだし、中古を入手した品なので、まともに動作するかがわかっていないからである。また、最高温度を200℃と思っているけれど、使っているヒーターで本当に200℃まであがるのか、そして、200℃にあげても問題がないかも確認しておく必要がある。この手のだめだしは早めの方が対応が楽になる。 動作確認なので、温度調製器も電力調整器もむき出しのままで接続する。ホットステージはさすがに顕微鏡の上ではなく、セラミック板の上に乗っける。ホットステージを接続する前に、再び、ホットステージの抵抗を確認する。何しろ、ヒューズなどを入れていないので、ショートすると電力調製器が壊れてしまう。配線もショートしないように、テープなどでとめておく。 まず、室温より30℃程度高い温度にしたところ、温度は上がり始めたが動作がおかしい。ただし、流れる電流量などには問題はなさそうである。 そこで、設定温度を120℃付近にする。これは、温度変化をある程度の範囲で見たいためである。すると、なぜか10℃程度あがると、いったん出力が止まり、少したつと再び出力がでて、そしてまた止まるという動作を繰り返しながら徐々に昇温していく。動作としては、あきらかにまともではい。ただし、装置が壊れているのではなく、設定がとてつもなく狂っている感じである。 ここで、問題となるのは温度調製器と電力調製器のどちらの設定が悪いかである。これが、温度調製器とSSRの組み合わせなら、文句なく温度調製器の設定を疑う。というのはSSRには設定箇所がないからである。ところが、電力調製器には、ボリュームが3つもついている。そして、その機能がなになのか、まったく想像がついていない。 しょうがないので、オムロンのWeb電力調整器の資料をあさる。残念ながらマニュアルはないが、カタログにある程度の情報があるのが見つかった。一方、温度調製器の簡易マニュアルはダウンロードしてあったので、それを打ち出して確認する。温度調製器の方に問題があるなら、PIDの設定なので、それを見る方法を探したのである。 温度調製器のマニュアルからPID値の設定方法を調べて、現在の値をメモする。それから、調製器をPIDをファジイ自動調整するモードにする。本来なら温度調製器か電力調製器の一方のみの設定を変更して動作確認を行うべきなのだけれど、電力調製器のカタログを見ると、時間設定は最小にした方がよさそうなので、それを最小に、出力調整は最大にそしてアラームは最小にして動作確認を行った。 その結果、一応、目的温度まで素直にあがって、ほぼ一定に保つようになった。写真は200℃設定で温度も200℃になった状態であるが、多少はふらついていて温度表示が201℃になることもある。多少はオーバーシュートをおこす方が、設定温度への到達が早くなるのであるが、今の目的にはオーバーシュートは望ましくないわけで、PIDの設定を手動でいじる必要がある。その話は項を改めて行う。 ところで、ホットステージの予定仕様を覚えている方は、上の写真を見て、あれっと思ったのではないだろうか。温度表示が1度単位でしかないのだ。実は、今回やってきた温度調製器とクロメル-アルメル熱電対の組み合わせでは温度設定は1度単位までしかできないことが判明した。最近の機種ではクロメル-アルメルを使っても0.1度単位の設定ができるので油断していた。簡易マニュアルを調べると、銅-コンスタンタンを使う場合は0.1度の設定ができる。というわけで、熱電対を変える必要が生じてしまった。 ステージに関しては、まだまだ完成ではない。200℃でしばらくおくと、セラミックの板の下も、それなりに暖かくなる。断熱材をはさんでも暖かくなるので、本体を直接顕微鏡のステージにおくと、顕微鏡ステージがかなり厚くなる可能性がある。ので、もう少し断熱を考えておかないといけないだろうと思う。その工作も項をあらためて。
by zam20f2
| 2010-05-01 21:23
| 科学系
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