B列のパラメータを変えるだけで、どのように挙動が変わるかがグラフとしてすぐに確認できるので、少しばかり遊んでみることにしよう。
ただし、これからお見せする図は、いくつかの典型的なパターンでしかない。できたら、身近にある使えるコンピュータで自らやってみるとよい。この先のPIDも含めて、ややこしい数学なしに、おおよその挙動をつかめるのだから、こんなにすてきで楽しいことはない。そのために、この後もエクセルファイルのセルの式は示していくつもりでいる。
まず、放熱係数と熱容量は変えずに、ヒーターパワーのみ変えていく。ヒーターパワー係数が1以下の場合は、目標温度以下で温度上昇は止まり、そのままの温度を維持する。
係数が1の場合には長い時間の後には、目標温度で一定になる。ただし、これは、セルのif文で温度が目標に等しい場合もヒーターがONになるように等号をつけているためである。
係数がわずかでも1を越えると、目標温度以上に上昇する瞬間が出現し、その次のステップでヒーターがOFFになり、温度が低下する。その後ゆっくりと目標温度に復帰し、また急激に低下する。
係数が1から離れるに従い、変化の周期は短くなるとともに、変化の中心が目標温度に近づいていく。
ヒーターパワー81
ヒーターパワー90
ヒーターパワー90で横軸を替えた
ヒーターパワー120
グラフを眺めると、変化の周期は短周期と長周期の2つがでている場合がある。これは、多分、時間間隔と温度変化率の関係で生じているのだろうと思う。
係数が2になると、放熱速度と加わる熱量が等しくなるので、変化は目標温度をはさんでほぼ対象に生じるようになる。
ヒーターパワー160で係数2ここが、50%出力で目標温度に到達する値。
そして、係数が2を越えると、変化の中心が目標温度より上に移っていく。ただし、変化の周期は、降温プロセスの時間で制限されるので、係数を大きくするとmむしろ長くなる。
ヒーターパワー240
ヒーターパワー360
ヒーターパワー480
というわけで、ON-OFF制御の場合には、ヒーターが5割の出力の場合に目標値をはさんでほぼ対称に温度が調整されることが分かった。