ヒーターパワーに続いて、ステージの熱容量によって挙動がどのように変化するかをシミュレートしてみよう。
まずステージの熱容量を低くしてみる。ヒーターパワーは160でパワー係数が2に固定している。
これは熱容量を32にしたもの。立ち上がりが右上がりになるのは、たまたまである。というのは、熱容量を33にしてみると、
とフラットになるし、34にすると
と逆傾向にさえなる。
ただし、いずれも、温度の上下幅が結構大きい。上下幅は熱容量を増やすと減っていき、熱容量を80にすると
となる。また、温度が上がるまでの時間が、より長くなる。さらに熱容量を160にすると
となる。以下、熱容量320,480,1600を示すけれど、何れも横軸は相対的にずれている(けど幅は同じにしている)のにご注意いただきたい
熱容量320
熱容量480
熱容量1600
である。熱容量をかえると、目標温度に到達するまでの時間は長くなるけれども、最大到達温度は変化しない。それは、単に放熱量とのバランスでのみ定まっているのである。
この結果は、システムの応答性を上げたかったら熱容量を小さく、遅くても良いから安定性を高くしたかったら大きくするべきであることを示している。
最初にステージを銅で作ろうとしたのは、銅の方が同じ容積のものなら熱容量が大きくなるから。
銅の比熱は0.38J/gKで比重は8.89、アルミは0.88J/gKと0.27。同じ体積あたりなら、これらを掛け粟得た比率になるわけで、それを計算すると銅の方が熱容量は1.4倍程度になる。
気分的にはもっと違うだろうと思っていたけれど、アルミの比熱が妙に大きい気がする。何でだろう……………