オリンパスのPOSがらみで、少しばかり偏光顕微鏡がらみの古書をあたっていて見つかったのが
だ。前半は普通の顕微鏡、そして後半は偏光顕微鏡を使った繊維研究の話になっている。中には
なんて具合に、偏光顕微鏡の中のプリズムの図なんかもあって、手元にある偏光顕微鏡のプリズムが外形からこんな構造だろうと思っていたのが、すっきりした感がある。ちなみに、偏光子は普通のニコルプリズムで検光子側だけダブル構造になっているのは、検光子側の方が開口を大きくしたかったのと、回転しても像がずれないようにしたかったためなんだろうと思うのだけれど、あるいは入射角の問題も絡んでいるのかもしれない。
そんなところでも楽しめる本なのだけれども、実にこの本の前書きのなかの一節がすてきなのだ。少し前の部分から引用すると
形態学的研究はその手段がはなはだ簡単な場合が多い。顕微鏡の使用のごときも数時間の講習で容易に修得することが出来るのである。さりながら顕微鏡下に現わるる物像は千変万化、複雑極まりないものであって、これを明らかにするには詳細にこれを点検しなければならない。試験管中に呈色反応を認めるような一瞬にして決定さるべきものでないのである。かかるが故にこれを実験する者は充分修練した眼を有しなければならないと同時に詳細に長時間をこれが観察に費やさなければならない。一つのプレパラートは勿論のこと、同一視野に現れたもののみを数日にわたって観察し続けることは決して珍しくないのである。
ここまででも、なかなかすてきな事を書いてあるなぁと思っていたのだけれど、その次の一節が
「ゆっくり眺めてとっくり考える」これが顕微鏡的研究法の要訣である。
これは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 思わず唸りましたとも。