はりぼての顕微鏡がおいてあるエントランスホールには田中式顕微鏡が地味においてある。
説明書きには、初期の国産顕微鏡の一つとなっているけれども、たしか、
田中式が日本で最初の工業化された顕微鏡という研究もある。
今回の展示はエムカテラから100年を国産100年としているので、それより古いものがあっては都合が悪い。でも、こんな研究が出ている以上は無視できないので、こんな展示になったのかなぁなどとも感じてしまう。
さて、企画展の会場にはいると
とポスターがある。そのしたのカットモデルは
なんか、昔にネットオークションでみたような気がする……
国産の古い顕微鏡もおいてあるけれども
そして、すでにアポクロマートの対物もあったらしけれど
北里柴三郎の顕微鏡は
ツアイスで、野口英世のは
ライツだったりする。だいぶ前に
信頼性を求めるというエントリーでも紹介したけれど、昔の国産品は耐久性や作りは、独逸製とくらべて随分と劣っていたような気がする。また、形状もコピーに近く、戦後に出回ったバルナックライカのコピーを思い出させる感じだ。
国産顕微鏡の品質が向上したのは戦後になってからで
の黒色塗料などは6層塗りだったらしい。それに比べると
の時代になるとコスト低減のために塗り数が減っているらしい。とはいえ、対物のみで色収差補正を入れたのは、MWSさんの今年の
2月の記事にあるように世界で初めてだし、オリンパスも、それより前だけれども紫外顕微鏡用の反射型対物レンズなんて面白いものを出すようになっている。今回の展示にはないけれども、こんなあたりをもっときちんと取り上げた方がよい気がした。
それにしても、だんだんと本体の作りが雑になっているのはどうにかならないのだろうか。あらためて、「信頼性を求める」という視点が必要になってきている気がする。