ezSpectra 815V でYujiLEDの紫励起LEDのスペクトルを測定する

ezSpectra 815Vに拡散板を挟むテストを行ったのは、スペクトルを測定したい光源があったからだ。

家の顕微鏡の光源には、写真家の新藤さんおすすめのYujiLEDの高演色性高輝度パワーLED(YJ-BC-135L-COB 9W)を用いている。この品、公称Raは95で確かに液晶の写真撮影でも変な色味にはならないように思うのだけれど、青色LEDを使っているために、400nmあたりの光は放射しておらず、分光測定の光源としては物足りない。

日本のサイトには、パワーLEDは青色励起タイプしかないのだけれど、英語のWebを見たら紫励起タイプも存在していた。UniPoさんに尋ねたら、紫励起タイプを日本国内でも販売してくれるとのこと。価格は英語Webで5ヶ135ドル、日本だと単価3200円で1個単位で売ってくれるとのこと。とりあえず、色温度2700K、3200K、5600Kを1個ずつ取寄せてみた。

青色LEDの時は、スペクトルデータのシートがついてきたのだけれど、こちらにはスペクトルデータシートがない。また英語Webにも未掲載だ。というわけで、紫励起タイプのスペクトル測定が必要になった。


リード線をつけていざ測定しようと思ったら……熱伝グリスが見当らない…………、やむを得ず、光学用グリスの粘性の高いので貼付けて、定格450mAなので、300mAで光らせてみることにした。

まず5600K
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続いて3200K

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と2700K
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いずれも、Ra98程度の値が出ている。実は、この分光器、ハロゲンランプをはかってもRa100にはならない。
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まあ、見ての通り凸凹が残ってるので、楢ノ木技研さんが校正に用いたのとは同じ入射強度分布じゃないとか、迷光のせいで、短波長側に何かがのっているとかあるためと思うのだけれど、ハロゲンの値をみれば、上のLEDはなかなか優秀である。


ついでに、今まで使っていた青色LED励起のものも測定してみた。
5500Kのものは、Raが90しか出ていない。
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これは、メーカー公称からすると低すぎる値だ。この品は青色が強く出過ぎている気がする。


3200Kの方は青色が押えられていて、Raも95が出ている。
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ただ、両者とも、短波長の青から紫のところが欠如している。

ところで、300mAで光らせてみることにした。と記したのだけれど、実際には70mA程度で光らせている。使っている電源は、ネットオークション経由でやってきた定電圧電流電源。出力は0~18V。メーター上は18.55V出ているのだけれど、紫LED励起タイプの方が、青LED励起より必要な電圧が高く、十分な電圧を供給できていなかった……

幸いこの電源には負側の出力もあるので、熱伝ペーストを入手したら、もっと電流を流すつもりだけれど、スペクトルの形状は(励起光が強くなるかもしれないけれど)、大きく変らないだろうと思う。
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by ZAM20F2 | 2017-07-28 07:07 | 科学系 | Comments(3)
Commented by こげら at 2018-04-10 16:50 x
ZAM20F2様 
初めましてコゲラと申します。
顕微鏡の照明について大変興味深い記事を拝見しました。
実はYUJIのLEDを扱っているUNIPOの馬さんから教えていただきました。
色分析装置でご自分で色の分析ができるのですね、すごいです。拝見したところ、UNIPOのスペクトルと同じなので驚きました。当然ですよね。
BCタイプとVTCタイプの比較もされていて非常に参考になりました。

現在の私の顕微鏡は古いニコンS型でLEDを使っています。シャープの銭型3W5000Kです。これにW2のフィルターを付けて青色をカットして使っています。もう1台はオリンパスBHCでこれもLEDですが、オプトサプライの電球色3000K3Wです。これはブルーフィルターを入れて白色にしています。いづれも秋月で購入しています。
MWSの奥さんのお話しではオプトサプライの電球色のLEDでもいいが、さらにYUJIのが高演色がいいとお聞きしましたので何とか使いたいと思っています。ただ電圧が高いので使いにくくて悩んでいます。
回路的に解決すれば、VTCを使おうかと思っています。ただその際に顕微鏡の照明としてはどの色温度のタイプが適しているか迷っています。
あなたの分析でも2700K.3200K 5600KとあってRaがほぼ同じくらいですね。光の分布状態から見ますと5600Kが平均していてRaも高くていいかなと思うのです。
一つ疑問がありまして、例えばハロゲンは非常に高演色ですが、光色カーブを見ますとブルーが非常に少ないです。
ということは赤が強く見えて青が弱く見えることになるのでしょうか。
普通はブルーフィルターを入れて補っているようですが、それでもRAが高いのはなぜと言う疑問です。BCの2700Kでもブルーが少なくてもRaは高い。VTCの5600Kはブルーが出ていて納得するのですが。
また顕微鏡では普通の観察では光を透過してみていますね。これも反射になるのでしょうか。演色性の評価は光源の反射による色の評価ですね。この辺りが分からなくなっています。
長くなりまして済みません。要するにVTCのどれが良いかということになります。ご見解をお聞きしたいと思いましてコメントしました。

Commented by ZAM20F2 at 2018-04-11 08:21
コゲラ 様
演色性の評価指数は、光源と同じ色温度の標準光源(色温度により黒体放射か色温度の関数として定められたスペクトル)に対してのズレを評価するものです。ハロゲンランプを含むタングステンランプは加熱されたフィラメントからの放射で黒体放射に近いスペクトルのため色温度(点灯電圧)によらず高い演色指数となります。タングステンランプの光は太陽光に比べれば長波長側が強くなりますが、人間の目には色順応があるため、タングステン光源単体なら特に赤みがかからなく見えるようです。
一方、フィルムカメラもデジタルカメラも色順応がないので、光源の色温度により画像が赤みがかったり青みがかったりします。フィルム時代はデイライト用フィルムが一般的であったため、顕微鏡でもブルーフィルターを入れて色温度を上げていましたが、デジタルカメラではカメラ側で色温度の設定が出来るので、ブルーフィルターの必要性は大きく低下しているかと思います。
さて、顕微鏡用光源として何を選ぶのがよいかというと、デジタルカメラで色温度の設定が出来る世の中では、どれでも実質的に大丈夫だろうと思います。色温度の低い物を使って青色系の放射が弱くても、デジタルカメラの色温度設定により、正しい色味の画像が得られるはずですので。一つの考え方は、部屋で使っている照明と同程度の色温度のものを選ぶことかなと思います。
ただし、使うLEDにより、露光時間は変わると思います。色温度の高いLEDの方が露光時間は短くてすむのではないかと推測しています。一方で、この手のLEDはブルーレイを多く含んでいるので、目には優しくないはずです。
VTCの点灯には、自宅ではネットオークションで入手した直流安定化電源を使っています。電圧および電流制御ができるもので30V程度で1A流せるものでOKで、LED2個分くらいの値段で入手できるかと思います。

Commented by こげら at 2018-04-11 10:24 x
ご教授ありがとうございます。黒体については元電気技術者なのでわかっているはずなのですがダメですねえ。ハロゲン、タングステンが黒体放射にちかいことで演色性が高いことは分かりました。LEDの発光体は別物なので、これまた理解が難しいですね。
顕微鏡照明としては写真撮影よりも肉眼による観察を主にしていますのでできるだけブルーレイを含まなくてきれいに見える光を使いたいと思っています。VTCの5600Kではブルーが赤色と同じ位強いですからブルーレイが強いと考えられるのでしょうか。
ならば3200Kとか2700Kの方が、目の色順応を考えるとベターではと思ってしまいます。オプトの電球色を今使っていますが、スペクトルが見られないのでブルーレイの強さが不明です。こだわるときりがないですね。
ところで 私は珪藻土から放散虫を探し出したり海藻から有孔虫を探して観察しています。MWSの奥さんにはいろいろと教わっています。
年末にバルバドスのプレパラートを買いました。実にきれいですね。
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