そのカッター、刃を出し過ぎです

赤いキノコの本の数冊横にあって、ついでに買われてきた本。肥後の守を含むナイフが教育効果あるよね系の本で、まあ、ある意味予想どおりの内容。ただ、出てくる刃物は肥後の守やアーミーナイフ、鉈などで、カッターナイフは使用例としては出てこない。その点はまっとう。
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一つ、なるほどと思ったのは、子供に肥後の守を使わせている小学校の話。その導入を行った校長先生は、時間をかけて親を説得して導入を果たし、そのときに、子供に向かって、「鉛筆を削るためのナイフで悪ふざけをして、もし友達を傷つけてしまうようなことが起こったときは、校長先生は学校をやめなくてないけません。ナイフというものは危ないものですが、でも、あえて皆さんには使って欲しい。」と語りかけたそうだ。本当に責任をとる覚悟のある大人の言葉は、子供も重大に受け止める。

ところで、このブログで昔に、中学生向けの自由研究の本に、刃を出しすぎのカッターの使い方が出ていると晒したことがあるけれども、どうやら、その本には悪い手本があったのではないかという気になりつつある。

その悪い手本の1冊がこれ。
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そこら辺の本屋には置いておらず、神保町に行ったのは、この手の本を入手するため。最初の方に、ルーペの使い方なんかが書いてあるのは悪くはない。ルーペを目に近づけて持つのは大人にも、あんまり知られていないこと。現場でどれだけ実践されているかはともかく正しいことが書いてある。
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で、悪い手本の部分はというと、カッターナイフの使用例。
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これは、明らかに刃先の出し過ぎだ。これ以外の似たような本も見たけれども、そちらでも刃先が出し過ぎの図がある。これらの本、一応、
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と、お役所が内容をチェックしたことになっている。ということは、お役所からして、カッターナイフの危険な使い方を推奨していることになる。

この本には、何カ所か同じようなカッターナイフの使用例が出てくるけれども、薄片を作る場面では、さすがにカミソリを使うことになっている(同種の別の本では、その場面でカッターナイフの刃をホルダーから取出した状態で使う絵になっていた)。図を見ると、カミソリの反対側は、テープか何かでカバーをしてそちら側の刃で手を切らないようにしているように見える。カミソリの刃に注意という文言はあるのだけれども、何をつかって、どのように処理をしているのかの説明はない。カミソリの刃に注意なんて書くより、具体的に、何をすべきかを記すのがより重要なはずだ。責任をとる気のない大人のアリバイ作りというのは、間が抜けていて見苦しいだけのものだ。

子どもの刃物場慣れを心配する前に、生物学教育者の刃物離れを心配した方が良さそうな状況だ。

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by ZAM20F2 | 2018-05-27 13:58 | 文系 | Comments(0)
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