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計算尺と関数電卓

伏見康治さんの本を古本サイトであさっていたら、「直交関数系」という本が目に飛び込んできた。復刻版もあるようなのだけれど、古本の方が安く入手できるので、適当なのを選んで京都の本屋からやってきた本は、明倫館経由だった。
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本は最小自乗に関する話から始まる。このあたり、使ってはいるのだけれど、きっちりと原理を理解していないことを改めて納得するのによい。
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細かい式は追わずに、ザックリしか眺めていないのだけれど、色々とへえとなるところがある。その中で、直接的な役に立たないけれどへえだったのが次のところ。近似式に関する話だ。

前略

sinx≒x,tannx≒x など

sinxなどの近似式は、正弦曲線を曲がりくねった曲線と思い込んでいる人からは、よほど小さいxに対してでないと使えないだろう、と誤解されそうだが、案外そうでもない。計算尺の三角関数の目盛り(S尺、T尺)が小さい方は6゜くらいまでしかないのは、6゜以下には、計算尺の制度(有効数字3桁)で、上の近似式が十分成り立つことを意味しているのである(愛用者の多くなったポケット電卓では、残念ながら、こういった目安がつけられない。)

S尺やT尺といっても、分からない人も多いと思うので、写真を掲載する。
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左側に上からTKPSという文字があるけれども、このTとSが話題のものだ。他の目盛りは使用者には当たり前なので書いてない気もするが、それもきちんと書くとT,K,A,B,CI,D,C,P,Sとなる。

本の「6゜以下には、」という部分は、S尺の最小値が6程度であることを意味している。このS尺だけれども、角度の目盛りで、その上にあるC尺の値が、そのときの正弦関数値になっている。だから、S尺の30゜のところを見ると、C尺の値は0.5となっている。
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T尺も同様に、T尺の値を角度として、そのときのC尺の値をみれば、その角度の正接値となる。C尺とD尺は1桁の範囲の数値を対数目盛で刻んでいる。A尺とB尺は2桁の範囲の数値を対数目盛で刻んでいる。それ故、C尺の目盛り値の2乗がA尺のメモリ値に対応する。逆にA尺の下のC尺を読めば、ある数の平方根が求められる。K尺は3桁の範囲の数値を刻んでいるので立方や立方根の計算に役立つ。




by ZAM20F2 | 2018-10-19 07:10 | 科学系 | Comments(0)
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