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雑談メモ:ブルーレイの目に影響の大きい波長について

たまたま話をした人から、375nmの波長の光が不足すると近眼になりやすいという話を聞いた。そのあたりの波長の光を受けないと、目が成長を続けてしまうのだという。文明開化以降の屋内光には、この領域の光がほとんど含まれていないわけで、近眼予防に、この波長の光を環境光に含めるような研究がなされているらしい。
この話を聞いた瞬間に思ったのは、375nmの光って目に悪いんじゃないかということ。近年、ブルーライトが目に悪いという話がある。紫外線を浴びると皮膚癌の危険性が増すように、一般に短波超の光は生体に対して影響を与える。一般論として波長の短い光の方がエネルギーが高いので影響が大きい。美術館などの絵が紫外線から保護されるのはこのためだ。

と言うわけで、当然のように目に悪いんじゃないかと質問したのだけれど、帰ってきた答は、「ブルーライトで問題となるのは430nmで、そこから外れると影響は小さい」とのこと。答を聞きながら、でも、吸収端より高エネルギー側の光も吸収されれば,同様に光化学プロセスの出発点となるわけで、何で430nmとかなり不思議だった。

その後、黄斑の吸収端と関係があるのかなぁなどとも思案したのだけれど、目の吸収波長を調べてみると、440nmあたりが吸光度のピークで、375nmの吸光度はピークの数十分の一になっているようだ。どうやら、430nmが良くないというのは、S錐体の吸収曲線が関与している話で済みそうだ。
ただ、そうなると、不思議なことが2つ生じる。一つ目はS錐体は青色系に視角を引っ張る錐体なのだけれど、そこからの信号強度は吸収光量に依存するだろうから、430nmの光は吸光度が高ければ、より弱い光量で、青色に十分引っ張れる。それに対して、たとえばあ390nmの光だと吸光度は1/20程度なので、同じ程度青色に引っ張るのは20倍の光量がいる。つまり、光量比だと、430nmが影響が大きいけれど、青色を同じ程度に感じる状況では、影響は波長には、あまり依存しなくなる気がするのだけれども、どうなっているのだろうかと言うこと。
もう一つは、そうなると、375nm光で近眼が予防できるのは、錐体のどれかが光を吸収するためではなく、錐体以外の何者かの光化学反応が関与しているという話になるけれども、それは何なのだろうかということ。

なかなかに不思議だ。
by ZAM20F2 | 2018-10-27 18:50 | 科学系 | Comments(0)
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