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一見良問

頭の形を変えてくれる学習塾の前回のもの
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国連担当者だとして、どのような活動をするかという問題。
一段ひねった回答を要求する設問で、中々に読解力と思考力が求められそうだ。そういう意味では、学力をきちんと評価できて、良問だと思うのだけれど、違和感があった。
で、考えてみると、この設問には、何故食料不足が生じているかのデータが示されていない。したがって、回答はデータに基づいて論理的に考えて行う事はできず、適当な推測か、自分の知識の範囲で適当にでっち上げるしかない。
ということは、この問題で点をとるには、出題者の意図をよみとって、それが満足するような答を忖度して導き出す能力が必要ということだ。実際、インタビューを見ると、「「(たくさん収穫できる)作物の品種改良の技術指導」といった解答もありました。アイデアとしてはおもしろいのですが、「日本の中学生」向けとしては適当ではありません。」などという記述がある。中学生相手という出題者の意図まで忖度して考えなければいけないなんて、この学校は「実社会に役立つ人づくり」を目指しているらしいけれども、こうなると、本当に正しい(かもしれないこと)よりは、そのときの権力者が求める回答をだす人間を拾っているわけで、実社会に役立つというより、権力に役立つ人作りが目的ではないかという印象が強い。実際問題として、品種改良の話を聞いて、将来的にその道に進む生徒さんだっていても驚かない。
学習塾の回答には
「日本から出る大量の食品ロスやその原因を伝え、食品ロス削減のために自分ができる取り組みを考えてもらう。」
なんていうのもあって、出題校インタビューでは「こちらが想定していた答えは、「フェアトレード」や「食品ロス」です。実は、今年の他の入試回でフェアトレードを、食品ロスは過去に出題しています。過去問を解いたり複数回受験した受験生に解答のヒントにしてもらおうと、意図して仕掛けました。」などとも記してあるので、塾の回答は出題校にとっても正解なのだろうけれども、食品ロスを減らすことが世界の飢餓を減らすことになるのかは、まったく自明ではなく、過去問を解いて、忖度の心を身につけた子どもを選ぶ回答であっても、とても、正しい答とは思えない。
この塾に頭の形を変えてもらいたくないとつくづく感じる。
by ZAM20F2 | 2019-03-23 10:36 | 文系 | Comments(3)
Commented by Akiko at 2019-03-23 14:54 x
「シカクいアタマを・・・・・」
これって、受験生のバイブルでした。息子が小学6年のとき
に電車に乗るたびに、
「あの問題、解ける?」「できないよ~」
なんてやりとりをしていて。特に理科や社会が難しく、親の
私もとても正解を導けなくて・・・これを解いてしまう受験
生がまぶしかったのを覚えています。
そういう視点、持ったことがなかったです。
ZAM20F2さんからいつも学ばせていただいています。
Commented by ZAM20F2 at 2019-03-24 11:51
> Akikoさん
世の中、いろいろな視点があるだろうなぁと思います。
入試としては、インタビュー記事に中学生に伝えることではなく、自分で行うことを書いた回答が多かったという記載があり、今回の問題は選別能力もあり入試問題としては、きちんと機能して、そういう意味ではよい問題なのだろうと思います。
ただ、出題者の意図を越えたような答を考えつく子もいるはずで、それを受けられるかは、出題者側との相性の問題なのだろうと思います。相性が悪かった子を受け入れてくれる場所があればよいのですが、それがなくなると、生きにくい人が出てくるという話にもなります。
多様性があって、それがみんなの目に見えていると良いよねということになるのかと思いますが、今回の文、正面からだめだししていて、それは、このブログの読者数から影響力がないと思っているからやっていたりもするのですが、コメント頂いて、もう少しマイルドな書き方にしないといけないのかなとも思案しています。
Commented by Akiko at 2019-03-28 09:10 x
返信ありがとうございました。あのシリーズは自分にはとて
も辛かったので、新しい視点に救われました。(すみません) 
以前、博物館の記事のときに、(こういう見方があるんだ
~)と学ばせてもらったこともあります。いつも様々な視点
を私たちに示してくださりありがとうございます。
そして美しい写真にも癒されています。こういうブログは、
他にはないです。
これからも楽しみにしています。
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